学力低下
日本の子供たちの学力低下が、今大きな問題として取り上げられています。
本当に学力が低下しているのかという議論はあるのですが、国際比較でも、ほぼ全教科通じて低下傾向にありますので、政府や教育関係者が危機感を強めているのは、一応肯けます。
しかし、ここで考えておかなくてはならないのが、例のゆとり教育の影響です。
生徒に教えるべき内容を簡素化し、授業時間を減らす事を主な内容とするもので、昨年春から完全実施となりました。
それでなくとも学校の授業時間は、徐々に減らされてきました。
私が通学していた昭和30年の小学校6年生の授業時間と比べると、平成10年では年間で約100時間も少なくなっています。それを更に少なくしようと言うわけです。
教科書も私の頃と比べると、各段に薄くなっています。以前、子どもの教科書を見て、あの薄さで本当に子供達は授業が理解できるのかと、疑問を持ちました。
学校教育の現場では、不登校、いじめ、荒れる学校など問題は山積みです。
しかし、こうした問題がゆとり教育によって解決されるとは思えません。
むしろ授業時間を増やして、遅れている生徒向けに補習授業を行うことの方が、より効果的なのではないでしょうか。
日本は教育立国の国です。
これといった資源の無い我が国が、これまで発展してこれたのは、偏に教育制度のお陰と言って良いでしょう。
昔からどんな貧しい家庭でも、生活費を削って、食費を削ってでも子供を学校に行かせる風土がありました。
21世紀の日本においても。教育の重要性に変わりはありません。
教える内容を減らし、授業時間を減らせば、学力が低下するのは小学生が考えても分かる話しです。ゆとり教育を決めた政府も、文部官僚も、今日の事態は当然覚悟していた筈です。
それなのに担当大臣は、早速ゆとり教育の見直しを言い出しました。
こういうのを日本語で、朝令暮改というのです。
教育は百年の計と言われています。それだけに一貫性に欠ける教育行政は国を誤るし、第一子供達が可愛そうです。
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