今度は武井一族
あんまり腹がたったので、予定を差し替えて武富士の話しです。
武井保雄前会長が、長男武井俊樹に1600億円(単位、間違えてないですよ)の贈与をし、1300億円の税金のがれをしていたことが発覚したとのこと。納税が実現すれば過去最高、しかもダントツの個人納税額となります。
どうせこれでも、武井一族の資産のごく一部なのでしょうから、全財産というのは見当もつきません。
それにしても武井前会長、盗聴の後は脱税ですか。
武井といい、堤といい、富豪一族というのは、どうしてこうやる事がセコイのでしょう。
あー、やだやだ、だからオレは金持ちが嫌いなんだ。
もっとも今回の脱税の件は、当時の税法で”海外の資産を、海外に居住する人間に贈与する場合は、非課税”という規定があったのだそうで、法律上不備があったのも確かです。
武井一族は、この条文のスキを上手くついたつもりだったのでしょう。
最終的には裁判で争うことになるのでしょうが、庶民の私としては、法律の文言解釈ではなく、実態として脱税であったという司法の判断を待ちたいと思います。
武井保雄は高利貸しから身を起こし、一代で現在の日本一の消費者金融(早く言えば、サラ金)に育てた立志伝中の人物です。
彼の創業当時のエピソードを読んだことがありますが、貸し出し先は女性をターゲットにしていたそうです。
うん、なんか分かる気がする。
貸し出し限度額は、美人ほど高く設定し、そうでない女性はそれなりの限度額に抑えるという、実に合理的な運用をしていたようです。その理由は、美人だと借金を男が払ってくれるからだそうです。
へえー、そうなもんすか、ちっとも知らなかった。
後は、相手先の家の玄関先から庭先まで入って行って、家の掃除や洗濯物の取り込みがきちんとされているか調査し、家事をちゃんとやる主婦には、やはり貸し出し限度額を高くしたそうです。
どうですか、そこの奥さん、そうあなた、参考になりましたか。
武井という人は、確かにお金儲けには、特別の嗅覚と才能があったのでしょう。
創業当時は、法の網をかいくぐって必死で会社を大きくしてきたのでしょう。
しかし大企業に成長すれば、企業の社会的責任が生じてきますし、その経営者もコンプライアンスが要求されます。
それをいつまでも、若い時と同じやり方で違法スレスレの行動を続ければ、やがては社会から糾弾され、法的な処罰を受けるのは避けられません。
手に取るな やはり野に置け れんげ草
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マルクスよろしく,余り「うがった」言い方をしても仕方がないと思いつつ,やはり大もうけしている人は,初めは何かしら少し「ヤバイ」ことをしているし,もうけた後は財産の保持に必死になるのだろうと思います。
詳しくは知りませんが,今や音楽堂の名前の方が有名になったカーネギーだって,「売り出し中」のころは相当ヤバイ手段を使ったと聞いています。日本とは桁違いに大金持ちなアメリカの富豪たちは,いかに相続税を免れるかに必死になっているという本を読んだことがあります。(広瀬隆『アメリカの経済支配者たち』集英社新書)
そして,その「ヤバイ」手段とは,大抵は時の政府の政策的措置をうまく利用していることが多いように思います。(余談ながら,やくざさんたちは,もう少し大ざっぱな形で,税金など支払うべき金を払っていないから,大もうけできるのだろうと思っているのですが・・・)
堤家のお話も,確かに大変な「努力」をなさったのだろうと思いますが,先代の暮らしぶりからして,やはり「庶民」からは,お金の桁だけでなく,倫理観でもかなり離れたものだったのではと感じてしまいました。
投稿: なも | 2005/03/05 06:02
なも様
確かにカーネギーも相当エグイ事をしてきたんですが、彼はある年齢に達してから、今度はため込んだ財産を社会に還元することを考えました。
例えば、どこかに国に図書館を寄贈しようとする時は、その蔵書目録まで、ご本人がチェックしたそうです。彼の後半生は、いかに金を使うかに費やしたと言われています。
自分の子供が成人した時に、今まで掛かった養育費の費用明細を渡したというエピソードも残されています。
ここら辺が、私の嫌う金持ちと異なるところです。
投稿: home-9 | 2005/03/05 09:29