なぜ急ぐ、郵政民営化(2)
郵政民営化について、もう一つ問題を難しくしているのは、自民党内の反対勢力のウサン臭さです。一昨日も反対集会を開き、101人の議員が出席しましが、いわゆる郵政族と呼ばれるメンバーが中心になっています。郵政族議員というのは、郵便事業に利益になるような法案を通すかわりに、様々なウマイ汁を吸ってきました。
郵便貯金や簡易保険で集められた金は、以前は旧大蔵省資金運用部を通して、国会の議決を経ないで使われていました。財政投融資資金として、道路公団、石油公団、本四連絡橋公団などの特殊法人に貸し付けていたのです。この貸し付けが、郵政族の利権となっていました。又こうした特殊法人へのバラマキにより、監督官庁が天下り先を確保できるので、政官癒着の温床となっています。
しかし、こうしたずさんな融資は、多くの不良債権を生み出しています。これら不良債権処理の費用は、最終的には国民の税金が注入される可能性が高いのです。
郵便貯金が民営化されると、当然不良債権が表に出てきますので、債務超過による国有化の可能性だって十分あり得ます。この場合は、国営→民営化→国有化という、漫画みたいな結果となりかねません。
もう一つは、全国特定郵便局長会(全特)による選挙活動です。
町や村にある小規模の郵便局は特定郵便局と呼ばれ、大半の局長が代々の世襲制です。局長であると同時に、建物のオーナーでもあります。全国1万8千人の局長の集まりが全特で、つい最近まで国家公務員であったにも拘らず、自民党の後援組織です。
それどころか。自民党員20万人、選挙での集票能力100万票という、医師会と並ぶ自民党最大の集票マシンであり、圧力団体です。
では、その見返りは何だったんでしょうか。ここに“渡切費”と言われる不透明な一種の裏金の存在がありました。その金額は、平均で局長一人当たり毎年約5百万円に達していました。この一部は、自民党の選挙資金に回っています。
でも元の原資は郵便貯金と簡易保険ですから、国民の零細貯蓄がこうした目的に使われていたわけです。このように長年の間に、自民党郵政族と全特の、持ちつ持たれつの関係が築かれました。
民営化の議論が生まれてから、資金運用部による融資が無くなったし、渡切費も大幅に縮小されたようですが、人間一度見た甘い夢は、なかなか捨てられないものです。
郵政民営化には異論がありますが、民営化反対の議員達を到底支持は出来ません。
はい、そこのお父さん、TVの野田聖子の顔ばかり見とれてちゃダメですよ。
次回は、反対批判渦巻く中で、小泉総理が民営化を急ぐ背景について、考えてみます。
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投稿: 人気BLOGランキング | 2005/04/15 19:24
トラックバックがありましたので、コメントにて感想を書かせていただきます。
なぜ急ぐ、郵政民営化(1) を読ませていただいて、私もなぜ今なのかについて疑問を抱きます。いまなすべきことは、この苦しい時代の将来への展望を開くことであり、具体的には「年金問題」でしょう。
(2)を読ませてもらいました。確かに反対勢力の動機付けがとんでもないところを見ていて、反対のための反対議論であるのはそのとおりです。
しかし、戦略的に1つの政策に反対しなければならない場合に、戦術的反対議論は必要だと思います。(1)に書かれているようになぜ今なのかを納得できない以上、戦術的反論は許されると思っています。
消費税を思い出してください。何が何でも反対を唱えた当時の社会党は、こっけいな存在と映りましたが、いまはなぜ容認してしまったのか、容認すれば、簡単に税率を変えることで、われわれのすでに税金をはらって手元に残ったお金から税金をまた絞りとる仕掛けが出来上がってしまったのです。
現状での反対勢力の位置づけより重要なことがあるのではないでしょうか。
投稿: 根岸のねこ | 2005/04/16 01:23
home-9様
先ずは、ご機嫌伺いに・・・
「アンドシタ、ケフノブログノ、フデサバキ。
キュウショヲツキテ、コレガ“タマニキズ”。」
ご無事の様でなによりです。相変らずの戯れ歌をば・・・
「ヤメルのだ!(野田)、浮足だちて、上(不和)の空
「酸鼻」(賛否)きわめて、「横槍」のぞく」(族)
“口腹”の〒(逓)か?
「春の夜の、夢の浮橋、とだえして、
峰にわかるる、横雲の空」
藤原定家
◇ “純風”とは“逆風”だったのかぁ。この風に、内外で、“反旗”の帆を上げています。純風漫罵”で、まさに“純教”の徒です。
ところで、一昨日、拙宅に届いた2通の封筒は、ひとつが佐川急便、もうひとつがヤマト運輸でした。
「民営化、「無配」にならぬか、とても「心配」。」
セーコファンの猪口オトーサン
投稿: 猪口山人 | 2005/04/16 04:35
郵政事業の暗部が分かりました。
投稿: 落選させるべき議員リスト | 2005/08/10 21:24
ご存知かもしれませんが、
是非ご覧ください。。
「借金時計」
www.takarabe-hrj.co.jp/takarabe/clock
投稿: 由紀 | 2005/11/03 02:05