フォト
2024年9月
1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30          
無料ブログはココログ

« オモシロ広告 | トップページ | 三遊亭圓楽一門、勢揃い »

2005/05/11

柳家喬太郎独演会

kyotaro
5月9日横浜にぎわい座で“柳家喬太郎独演会”がありました。
喬太郎は、今年の国立演芸場の花形演芸大賞を受賞した実力派若手落語家(この世界、40、50は、洟垂れ小僧)です。2000年に、これまた人気者の林家たい平と真打に同時昇進しましたが、襲名披露興行は立ち見も出る満席で、若い女性客が多かったのを覚えています。
私は、この二人に加えて柳家花禄、立川志らくの4人を、勝手に若手四天王と呼んでいます。
昨年は、下北沢小劇場で、連続8日間の独演会をやりましたが、チケットは早々に完売する人気ぶりでした。喬太郎は、師匠さん喬ゆずりの古典も演じますが、同時に自作の新作落語も手がけます。どちらかというと、本人は新作の方に力を入れているようです。

喬太郎の良さは、色気です。芸人にとって最も大事なのは色気です。先代の文楽、円生から志ん朝に至る名人、上手という人たちは、例外なく色気がありました。粋談の柳家三亀松などは、まるで色気が着物を着ているようでした。色気の無い芸人は、大成しません。

さて独演会では2席演りましたが、1席目は古典落語の“お菊の皿”、浄瑠璃の“播州皿屋敷”を落語にしたもので元々は上方噺、東京では九代目の根岸の文治が得意としてましたが、最近はあまり高座に掛からなくなりました。
喬太郎は、原作に相当手を入れて作り変えていました。この噺、殺されて幽霊になったお菊が、1枚2枚3枚と9枚まで皿を数えるのを、休日の前の日に2日分18枚いっぺんに数えるというのが筋になっていて、ナンセンス落語に近い。文治の噺でも、幽霊のお菊が見物人に“あらあなた、毎日来てくれて、アリガト。”と挨拶させてましたので、この程度の改作は許されるでしょう。
やや稽古不足のせいか、細かなミスが多かったのですが、結構面白くて楽しめました。調子の悪いときに、悪いなりに立て直してゆけるのも、実力のうちです。

2席目は、新作“母恋くらげ”。こちらはお得意の演目で、出来も良かった。しかし、独演会のトリの演目としては、いかにも中身が薄い。
寄席で大切なことは、お客を“今日は面白かったねえ。良かったねえ。”と満足させて帰すことです。亡くなった志ん朝の独演会では、帰り道にお客がみんな、幸せそうな顔をしていましたが、アレです。
喬太郎の場合、古典をうしろに持ってきた方が良かったと思います。

それと、当日始めに出演した弟弟子の喬四郎、あのいかにも自信なげにしゃべる(確かに下手)のは、やめてほしい。独演会では演者の数が少ないので、不出来の芸人が出ると、雰囲気を壊します。前座の柳家さん作が、しっかりした高座でしたので、惜しまれます。
他に、寒空はだかが出演。
同年輩の落語家に、やや伸び悩みが目立つ中、今後の喬太郎の意欲的な活動を期待します。

« オモシロ広告 | トップページ | 三遊亭圓楽一門、勢揃い »

寄席・落語」カテゴリの記事

コメント

トラックバックして頂き有難うございます。
喬太郎さんは2席演る場合、古典→新作というケースが多いようですね。
今回の場合、トリの時点で既に8時45分になっていたのが原因でしょうか。

それにしても、各ジャンルにとてもお詳しくて驚きました。

コメント有難うございます。
8才で親に連れられ、始めて寄席に行き始めてから、もう50年を越えました。今でも寄席にはちょくちょく行きます。
中学時代、オチ研を作るほど凝りましたが、中3の時に自分の顔を鏡に映してじっと眺め、俺には色気が無いから芸人は無理だ、と結論を出して、その後結局サラリーマンの道に進みました。
これからも、ブログに時々寄席の記事を載せますので、遊びに来てください。

こちらこそ宜しくお願い致します。今後も拝見させて頂きます。
私は残業仕事を放り出して、落語を聴きに行くことも多いので、
職場の人達には自分のブログのアドレスを教えられません(笑)。

トラックバックして頂き、有難うございます!
落語はじっくり聴き始めて間もない初心者なのですが、いつ、どなたで何を聴いたのか?という自分なりの記録と思い、ブログを始めました。
思ったことをそのまま書こうとしているのですが、皆さまのコラムなどを読ませていただくにつけ、自分の表現力のなさを日々思い知らされている毎日です・・。
今後とも、拝見させて頂きますね!

喬太郎師匠、私の見る範囲だと去年の8日連続公演から、あれに匹敵するクオリティの落語をしてない気がするんですけど、どうでしょうね?一度リセットしてまた自らを盛り上げていくというのは大変だと思いますが、是非頑張っていってほしいですね。あの人が落語にのめり込んでいって目尻がキューっと上がる時すごい色気を発してますよね。私はそこに惚れんした。

トラックバックありがとうございました。
にぎわい座の独演会に行かれたんですね。うらやましいです(笑)
最近、喬太郎さんの独演会はチケットが即売り切れで、行きたくてもなかなか行けない状況が多いです。
私が見た、なかの芸能小劇場での公演も、満席で熱気が会場にあふれていました。
旬な芸人さんのパワーですよね。

コメントを書く

コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 柳家喬太郎独演会:

» 柳家喬太郎東京限定風味。 [ばかまねえさん、まぬけのうがち。]
静岡に戻って、この地で柳家喬太郎師匠を聞いたことがあります。がっかりしました。つ [続きを読む]

» 定本 喬太郎伝説 追加公演 [桜井麻美の桜言葉]
なかの芸能小劇場で行われた、「定本 喬太郎伝説 追加公演」へ。 昨年11月に、下 [続きを読む]

« オモシロ広告 | トップページ | 三遊亭圓楽一門、勢揃い »