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2005/06/29

”健康に良い”は、身体に悪い

mino
現役時代に、木炭の用途開発に携わったことがあります。仕事の関係で、炭の愛好家の会合に出席したことがありますが、その内容が実にイヤハヤなのです。
炭を床下に敷く、壁に塗りこむ、風呂に入れる、飲料水容器に入れる、炊飯器に入れる、枕に入れる、シーツに入れる・・・などなど、炭に囲まれた生活を送っている方もいました。
その効用は、先ず病気が治った、健康になった、体調が良い、いい夢をみるようになった(なんという幸せ!)、肌がきれいになったから始まって、果ては、夫婦喧嘩が無くなった、子供の非行が直った。こんな話を、皆さん真面目な顔して、交流し合うわけです。そして、互いに盛り上がっていきます。
こうなると、もう“木炭教”ですね。
もっとも出席者の大半は、炭で何らかの商売をしている方々で、大いにナマグサイ話でもあるわけですが。
同僚の中には、信用してのめりこんでいった人もいましたが、私は完全に引きました。

世の中、ただいま、健康に良い、身体に良い、という製品で溢れていますが、所詮はこの程度の話です。
“健康になります”と言っても、頭痛と痔が同時に治ったら、オカシイでしょう。

先日もある企業が、食べられる炭というのを製品化したとの記事が出ていました。この“ヘルシーチャコール”には、体内の不純物(ダイオキシン、残留農薬、環境ホルモン等)を排出して、ダイエットや美肌効果があります“と、書かれています。
ホンマかいな。
どういう実験をしたのだろう。複数の人間に一定量のダイオキシンを摂取させ、その食用炭とやらを一方の人には与え、もう一方の人には与えない。そうして毎日、それぞれの血液を採取し、ダイオキシン濃度を測定して、効果を確認したんですかね。まあ、やってないだろうな。

話は飛びますが、6月3日TVで司会者のみのもんたが、「皆さん、ビオフェルミンなんてお飲みになっているじゃないですか、胃腸薬。だったらビールを飲んだほうがいい」と口をすべらせ、番組スポンサーの製薬会社が激怒して、スポンサーを降りたという出来事がありました。なにせ、彼はビールのCMに出てますからね。
その会社はちょっと大人気ないという、批判も出ていますが、一番問題なのは、TVでみのもんたが喋ることを、本気にする人が多いということなのです。彼が「〇〇が健康に良い。」などと発言すると、翌日のスーパーには“TVで評判の〇〇”という、札が立てられます。それで、事実良く売れるんだそうです。
消費者(特に主婦)は、もっと賢くならなければ。

殆どの食品は、人間の健康維持に、何らかの役割を果たしています。
適正量を摂れば有益だし、摂り過ぎれば有害なのです。
塩や砂糖を例にとれば、誰でも分かることですね。
栄養分も、食品から自然に摂取するのが、一番良いに決まってます。

動物には、炭を餌に混ぜて与えることはあります。牛の場合、オナラの量が減るそうです。ニワトリの場合は、炭を食べたニワトリの糞を肥料にした場合、肥料効果が高まるそうです。これらはいずれも、実験または実証データがあるようですから、信用して良いでしょう。
でも人間は、牛やニワトリとは違いますからね。
こんな話は、モー・ケッコウ。

2005/06/27

国立演芸場「花形演芸大賞」受賞者の会

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落語ブーム、お笑いブームと言われているのですが、確かに最近寄席や独演会に、若い、それも女性が増えました。会場も華やいだ雰囲気になり、喜ばしいことです。TVのドラマやお笑い番組の影響もあるようですが、彼女達の会話を小耳に挟むと、昨日今日の落語ファンでは無さそうです。
6月26日の国立演芸場「H16年度 花形演芸大賞受賞者の会」も、そうした若い客が、立ち見を含めて大勢詰めかけました。
この演芸大賞は、国立演芸場に出演する若手(と言ってもこの世界、結構皆さん歳がイッテますが)芸人の中から、優秀な芸人が選ばれます。特に色物と言って、ボーイズや紙切り、大神楽といった、普段とかく陽の目を見ることが少ない分野の芸人には、大きな励ましになっているようです。

歌舞伎と違って、世襲制度がない寄席の世界ですが、最近親の後を継ぐ芸人が、増えたようです。
今回も、金賞受賞の林家二楽の父親は、先代林家正楽です。先代は東北訛りが取れず、落語家を諦め紙切りに転じた人でしたが、先年私が寄席で見た直ぐ後で急死し、驚いたことを思い出します。
二楽は、父親とは全く違った芸風で、紙切りをOHPを使ってショーアップするという、独特の演出で注目されています。
銀賞受賞の三遊亭金時の父親は、当代の三遊亭金馬です。当代の金馬は、若い頃は下手な噺家で、売れなくて腹話術をやっていました。その後NHKのお笑い番組でブレークしましたが、私は未だに上手い噺家とは思っていません。
息子の金時は本格派で、昨年の芸術祭新人賞に次ぐ、今回の受賞となりました。完全に父親を越えています。当日は「青菜」を演じましたが、この噺、旦那のユッタリとした大らかな人物描写と、庭先での会話に涼風を感じさせるのがポイントとなりますが、金時はしっかりと演じていました。

銀賞の鏡味仙三は、国立演芸場の養成所出身だそうで、芸歴7年というのには少々驚きました。どうしてどうして、大神楽を一人で演じて、しかも結構オリジナリティーも出しているのですから、大したものです。
金賞のポカスカジャン、寄席のボーイズ物という枠をはみ出した芸風で、何よりサービス精神旺盛なのが良い。でも、当日私を指差して、“あそこに、顔が黒く、アタマの白い背後霊が!”と言ったので、減点です。

もう一人の金賞は、昨年に引き続き柳家三太桜でした。後輩の喬太郎に大賞をさらわれた悔しさが、アリアリでした。でも私は、ああした楽屋落ちは、あまり高座で出さない方が、好感が持てると思います。
演目は「宗論」、浄土真宗とキリスト教の宗教論争という、テーマが避けられるのか、最近高座で聞く機会が減った演目です。三太桜は、キリスト教信者の息子を、思い切って戯画化する演出で、客席に笑いを巻き起こしていました。

客演は、柳亭市馬です。これも最近では珍しい「堪忍袋」を、正攻法で演じました。私はこの人の、高座での歩く格好が好きで、ファンなのです。

最後は大賞受賞の、お目当て柳家喬太郎です。昨年は銀賞でしたので、一足飛びの大賞受賞となりました。この1年で、そんなに急に進歩する筈も無く、むしろ喬太郎に対する、専門家の評価が変わったと見るべきでしょう。
喬太郎は、新作と古典の二本立てで通していますが、どちらかというと本人は、新作に傾いているようです。私も喬太郎の芸は、新作の方を買っています。落語を聞きにきた客に、古典より新作で聞かせる方が、難しい。喬太郎の自作の新作は、正直言ってそう面白いホンにはなっていない。従って、演出、演じ方で聞かせることになります。
当日は「すみれ荘201号室」、大学オチ研をネタにした、自虐性の濃い自伝的作品です。喬太郎は、会話の“間”の取り方と、女性の微妙な表情を良く捉えて、客を噺に引き込んでいました。

時代はやはり、志の輔、喬太郎でしょうか。

2005/06/25

これって保険金サギでしょう

yosikawa
先日旅から帰宅して、家人に何か大きな出来事が無かったかたずねたところ、いやもう若貴兄弟対決が大問題となっていて、“若”“貴”のどちらを支持するかで国論が割れていると聞かされました。それじゃあきっと、石原さんは“貴”派だろうと想像しながら、ナント日本は平和で良い国だろうと、シミジミ感じました。
閑話休題。
前回、詐欺師の話を書きましたが、今回は保険金サギの話題です。

さて、改正介護保険法が6月22日、参院本会議で自民、公明、民主三党などの賛成多数で可決、成立しました。2000年に始まった介護保険制度の初めての大きな改正です。
改正の目玉は予防を重視することで要介護者を減らそうということですが、もちろん給付の抑制が最大の狙いです。

その予防効果ですが、厚生労働省が行った、69市町村を対象とした介護予防モデル事業の中間報告があります。筋トレ参加後、階段上りなど日常生活機能面の変化を調べた結果は200人中、「改善」82人、「維持」54人に対し、「悪化」は64人だったという結果です。
これで筋トレは効果ありと強弁するのは、牽強付会も良いところですが、「悪化」してしまった人は、今後どうなるんでしょうね。政府が責任をとってくれるのでしょうか。

改正の要点の一つは、介護施設入所者の住居費と食費を自己負担とすることです。これにより、現在の入居者は、一人あたり月額3万円以上(一部低所得者に減免措置あり)、負担が増えます。
それから、介護を受けている人の35%が、家事代行が中心の訪問介護を受けていますが、今後は家事代行サービスに、制限が加えられます。現在多くの高齢者が、家事中心の訪問介護で、随分助かっているというのにです。
介護保険が発足して、まだ5年しか経っていないというのに、これだけの条件切り下げが行われています。
果たしてこの先、どれほど悪くなることやら。

現状の介護費用を比較しますと、在宅介護の場合で約9万円、施設介護では約36万円となっています。費用圧縮のためには、施設入居者を早く退去させたいというのが、今回の法改正のネライです。
この結果、重度の要介護者を抱えた家庭、低所得者の人々が、大きな打撃を受けることになります。

介護保険に限らず、政府の保険は、年と共に条件が切り下げられています。年金保険、健康保険、雇用保険、全てそうです。
これがもし民間の保険会社だったら、どうでしょうか。TVコマーシャルで、“一日あたり200円の掛け金で、入院一日1万円、手術の場合最高で45万円、健康なら10年ごとに20万円、一生涯お支払いします。しかも掛け金はそのまま。”なんてやってます。
あの会社が、“都合により今年から掛け金は一日300円、入院一日5千円、手術と健康のときは支給ゼロ、年齢は最高80歳で打ち切りと、改定させて頂きます。”と言い出したら、大変です。詐欺罪で、直ちに司直の手によって、経営者は裁判にかけられます。
政府の運営している各種保険は、これと同じことをやってるんですね。最初はウマイこと言って、強制的に加入させ、その後どんどん条件を悪くしていく。これって保険金サギでしょう。
私も妻も、20年以上前に民間の年金保険に入りました。当時は高金利でとても条件が良かったのですが、現在約束通り給付されています。約束を守るのは、当たり前のことですね。

24日の朝日の、政府の経済財政諮問会議の吉川洋氏(東大大学院教授)の談話が掲載されています。話の要点は、高齢化と医療の高度化で医療費が増大し、国の財政を圧迫しているので、給付を圧縮しなくてはならないとのこと。分かってますよ、そんなこと。
でもね、吉川センセイ、それは家庭でも同じことが起きているんですよ。でも、医療費や介護費を切り詰められないから、色々ヤリクリをして切り抜けているんですよ。パパの小遣いを減らし、ママはパートに出て、子供の稽古事を止めさせ、マイカーを売り払い、そうして費用を捻出しているんです。
経済財政ナントヤラという会議こそ、そうしたヤリクリの知恵を絞るべきではないのですか。
それが出来ないなら、“東大もと暗し”です。

2005/06/02

ヨタ記事も、満更ではありません

ブログを開設している人というのは、色々な思いがあると思います。日記代わりに身辺雑記を書いている人から、自分の主義主張を、広く社会にアッピールしたい人まで、実に様々です。
私の場合は、ある事象が起きた際に、これはこういう風に考えられるのではという、考えるヒントになるような記事を書いてきました。
そこで、2月スタート以来、とりあげたテーマについて、その後のフォローをしてみました。

NHKの不祥事については、その後海老沢会長が辞任し、橋本新体制の下建て直しを図っています。しかし記事で指摘した有力政治家の報道への介入は、依然否定し続けており、現状では、改革は不徹底に終わると思います。

西武鉄道の堤義明元会長の件は、その後堤の逮捕となり、今後の裁判の行方が注目されます。堤義明の犯行は、記事で指摘した通り、堤家のDNAに基づくもので、根が深いものです。なお記事で取り上げた、元側近が書いた幻の本、“西武王国その光と影“のことが、翌日のTV朝日の報道ステーションでとり上げて、チョットいい気分でした。

武富士の武井元会長の長男、武井俊樹の1600億円の脱税については、その後俊樹側が課税の無効を申し立てているようです。法律の不備があるにせよ、こうした不正を見逃していれば、真面目な納税者がバカを見ることになります。

中西一善代議士(我が選挙区より選出)の、いわゆる“チチモミ”事件は、その後中西の代議士辞職に発展しました。最近ご近所に、石原ジュニアのポスターが、やたら貼られているのが、気になります。まさか慎太郎さん、焼け太りネライではないでしょうね。

中国での官僚汚職は、今後も増加するだろうと予測しましたが、このまま放置していると、中国の現体制を揺るがしかねません。例の反日デモに、その影を見ることができます。
その中国の反日デモ、ピークの時の記事で、今後は鎮静化すると予測しましたが、あれ以後デモはピタリと止みました。結局は、官製デモの限界ですね。

武富士から朝日への資金提供の記事は、その後朝日新聞の経営責任に問題が発展しました。同様のことは、多分他の新聞社でも、行われているのでしょう。

郵政民営化については、シリーズで取り上げました。現状の郵政事業は、改革が必要ですが、民営化法案にも疑問があると指摘してきました。与党内と国会が、その後迷走しているのは、ご存知の通りです。

福知山線の脱線事故は、当初からJR西日本の企業体質が、事故を引き起したと主張してきましたが、これも推定通りであったようです。
それにしても、この件でのニュースショーのコメンテイターや、鉄道工学の専門家と称する人たちの、いい加減さには、今更ながら呆れました。

北海道警の組織的公金横領事件は、ついに一人送検されました。不正実行者3000人に送検一人ですから、ほんの申し訳で済まそうとしているのが、ミエミエですけど。

東京都の浜渦副知事は、更迭されるようですね。石原都知事も、今回はトカゲの尻尾を切る決意を固めたようです。
以前、「フランス語は数を勘定できない言葉だから、国際語として失格している」と発言しましたが、最近の数々の妄言といい、沖ノ鳥島でのはしゃぎぶりといい、石原都知事、もしかして老人性ナントカの予兆でしょうか。心配ですね。

こう見てくると、ブログもそう捨てたもんじゃない、という気がしてきます。
これからも、国の片隅で、小さな声をあげてゆくつもりです。

2005/06/01

詐欺師

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小学校4-5年に掛けて、私の家の隣に詐欺師が住んでいたことがあります。1955年前後のことです。もちろん詐欺師というのは、後々分かったことですが。周辺の家は、軒並み被害を受けて、被害が無かったのは、我が家くらいでした。理由は簡単で、家に金が全く無かったからです。

よく詐欺の被害のニュースが流れると、何でだまされるのか、だまされる方も責任があるという論調がありますが、その隣家の詐欺師を見ると、やはりプロは、手口が違います。
その詐欺師の男は、当時30代半ばの年齢でしたが、先ず色男でした。服装は、子供の私が見ても、いつもパリッとしていた。当然ですが、口が達者で、愛想が良い。とにかく、他人を誉める。よく母親に私のことを、この子は本当に頭の良い子で、きっと将来はとても偉い人になりますよ、などと断言するのです。これだけ誉められると、人間悪い気はしないものです。結果は、大外れでしたけど。

休日の朝に、天気がいいと庭に出て、オペラの一節を歌うのです。これがテノールで、実に良い声なのです。むろん歌詞は、原語です。
家族は、子供がいないで、奥さんと二人家族でしたが、この奥さんというのがモデルのように綺麗な人でした。後から考えれば、奥さんも共犯だったのですが。当時の日本では珍しかった、室内犬を飼っていました。外出のときは、常にその真っ白い犬を抱いていました。
庭には、四季の花が植えられ、いつも奥さんが綺麗に手入れしていました。
こうした、一つ一つが、詐欺師をゴージャスに装っていたわけです。

小道具の使い方も、上手です。まだ幕下力士でしたが、相撲取りを贔屓にしていました。その二人の力士は、ちょくちょく詐欺師の家を訪ねてくると、一緒に連れて出掛けます。
大きな相撲取りを従えて、町を歩いていると、その本人がとても大きく見えるのです。
整髪も、街の理容店には行きません。当時、新宿伊勢丹百貨店の中に、理容店がありました。全員指名制で、そのかわり市価の10倍くらいの金を取っていました。
一度、詐欺師のおごりで、伊勢丹の理容店に散髪してもらい、帰りに喫茶店でクリームソーダを飲ませて貰ったのには、感激しました。でもその店で、詐欺師の前に、奥さんよりもっと綺麗な女性が現れて、驚きました。浮気相手だということは、子供でもすぐ分かりました。
詐欺師は、私に片目をつぶって、「家の人には、絶対内緒だよ。」 と、言いました。私は、床屋と喫茶店の恩義がありましたので、生涯秘密にしようと、心に誓いました。何だか、小さな共犯みたいです。
男の詐欺師は、女タラシであることも、要件のようです。

詐欺の内容は、詳しいことは分かりませんが、大きな事業で高い利益が得られるという、出資金詐欺であったようです。
ある朝突然、夫婦が家財もろともドロンです。家は、既に売却されていました。購入した人も、詐欺師の消息は全く分からない。
被害にあった人の中には、今度見付けたら、生かしちゃおかないと、息巻く人もいましたので、被害額としては、当時そうとう甚大だったと思われます。
後から振り返れば、思い当たることもあったようですが、何しろプロは、舞台設定がうまい。
見てくれには、徹底的にこだわり、そのための投資は惜しまない。

私は、こうして幼い頃に、詐欺師と2年間、近所付き合いしましたので、そういう人に会うと、ニオイで分かります。お陰で、今日まで、一度も詐欺の被害にあったことがありません。
TVで見る人ですと、例えば細木数子センセイ、十分ニオイます。

幼い頃に、周囲にヤクザや娼婦、二号さん、詐欺師、博徒、色々な人が身近にいたということは、私の人生にとって、大変役に立っています。

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