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2005/06/25

これって保険金サギでしょう

yosikawa
先日旅から帰宅して、家人に何か大きな出来事が無かったかたずねたところ、いやもう若貴兄弟対決が大問題となっていて、“若”“貴”のどちらを支持するかで国論が割れていると聞かされました。それじゃあきっと、石原さんは“貴”派だろうと想像しながら、ナント日本は平和で良い国だろうと、シミジミ感じました。
閑話休題。
前回、詐欺師の話を書きましたが、今回は保険金サギの話題です。

さて、改正介護保険法が6月22日、参院本会議で自民、公明、民主三党などの賛成多数で可決、成立しました。2000年に始まった介護保険制度の初めての大きな改正です。
改正の目玉は予防を重視することで要介護者を減らそうということですが、もちろん給付の抑制が最大の狙いです。

その予防効果ですが、厚生労働省が行った、69市町村を対象とした介護予防モデル事業の中間報告があります。筋トレ参加後、階段上りなど日常生活機能面の変化を調べた結果は200人中、「改善」82人、「維持」54人に対し、「悪化」は64人だったという結果です。
これで筋トレは効果ありと強弁するのは、牽強付会も良いところですが、「悪化」してしまった人は、今後どうなるんでしょうね。政府が責任をとってくれるのでしょうか。

改正の要点の一つは、介護施設入所者の住居費と食費を自己負担とすることです。これにより、現在の入居者は、一人あたり月額3万円以上(一部低所得者に減免措置あり)、負担が増えます。
それから、介護を受けている人の35%が、家事代行が中心の訪問介護を受けていますが、今後は家事代行サービスに、制限が加えられます。現在多くの高齢者が、家事中心の訪問介護で、随分助かっているというのにです。
介護保険が発足して、まだ5年しか経っていないというのに、これだけの条件切り下げが行われています。
果たしてこの先、どれほど悪くなることやら。

現状の介護費用を比較しますと、在宅介護の場合で約9万円、施設介護では約36万円となっています。費用圧縮のためには、施設入居者を早く退去させたいというのが、今回の法改正のネライです。
この結果、重度の要介護者を抱えた家庭、低所得者の人々が、大きな打撃を受けることになります。

介護保険に限らず、政府の保険は、年と共に条件が切り下げられています。年金保険、健康保険、雇用保険、全てそうです。
これがもし民間の保険会社だったら、どうでしょうか。TVコマーシャルで、“一日あたり200円の掛け金で、入院一日1万円、手術の場合最高で45万円、健康なら10年ごとに20万円、一生涯お支払いします。しかも掛け金はそのまま。”なんてやってます。
あの会社が、“都合により今年から掛け金は一日300円、入院一日5千円、手術と健康のときは支給ゼロ、年齢は最高80歳で打ち切りと、改定させて頂きます。”と言い出したら、大変です。詐欺罪で、直ちに司直の手によって、経営者は裁判にかけられます。
政府の運営している各種保険は、これと同じことをやってるんですね。最初はウマイこと言って、強制的に加入させ、その後どんどん条件を悪くしていく。これって保険金サギでしょう。
私も妻も、20年以上前に民間の年金保険に入りました。当時は高金利でとても条件が良かったのですが、現在約束通り給付されています。約束を守るのは、当たり前のことですね。

24日の朝日の、政府の経済財政諮問会議の吉川洋氏(東大大学院教授)の談話が掲載されています。話の要点は、高齢化と医療の高度化で医療費が増大し、国の財政を圧迫しているので、給付を圧縮しなくてはならないとのこと。分かってますよ、そんなこと。
でもね、吉川センセイ、それは家庭でも同じことが起きているんですよ。でも、医療費や介護費を切り詰められないから、色々ヤリクリをして切り抜けているんですよ。パパの小遣いを減らし、ママはパートに出て、子供の稽古事を止めさせ、マイカーを売り払い、そうして費用を捻出しているんです。
経済財政ナントヤラという会議こそ、そうしたヤリクリの知恵を絞るべきではないのですか。
それが出来ないなら、“東大もと暗し”です。

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経済・政治・国際」カテゴリの記事

コメント

TBありがとうございます。「介護施設利用者が相対的に有利だから」という理由で、低い水準に合わせて切り下げるというやり方は、行政権力の常套手段だと思います。「同じような立場なのに、あいつらはうまいこといってるやないか」。自分も有利な介護を受けたいと思う苦情を、「それじゃあ公平にしましょう」と低い水準に合わせてきます。…詐欺師の話、おもしろいですね。

トラックバックありがとうございました

 私のブログにも掲載していますが、今回の介護保険法大改正は、障害者福祉の分野にかかわる我々にとっても大きな関心事のひとつでした。
 「障害者自立支援法案」と「介護保険法」の統合問題も含めて、まだまだ目が離れません。
 保険金詐欺のお話。確かにその通りですね。民間がやれば訴えられてしまうような事でも、政府が行えばそれがまかり通ってしまう…。憤りを感じます。

こんにちは。根岸のねこです。
年金、保険とすべての約束事が反故にされていきます。
もうみんな、年金、保険が支給されることを信じてる人は少ないでしょう。
みんなお金を使わず、働けなくなったあとのことを心配しています。
心配は消費の抑制につながり、税収は年々落ち込んでいきます。
これから、高齢化時代で、消費も高齢者が占める割合が大きくなります。
企業が成長していくパイはどんどん小さくなり、生きていけない人が多数になっていくことでしょう。

ご無沙汰しております。なもです。

脇の話へのコメントで失礼します。

石原さんは「貴派」でしょうね。(でも,彼は裕次郎のお兄さんだったか。)青嵐会のころから,あけすけのかなり品のない右翼だということは御自分で宣伝していらっしゃるのに,どうして「元祖タレント議員」から始まって,「大人気」が続くのでしょう。

大衆受けしそうな「危機」を,広告手法を取り入れた「見えやすい」演出で宣伝し,それに乗ってきた大衆を捕まえて,自分のやりたいこともついでにやってしまう。(「なも」は「大衆」ではないのか?という突っ込みがありそうですが,ここではお許しください。)

これって,連合軍に追い詰められて自殺なさったと聞く,某国のH氏の取られた宣伝手法とほとんど同じだと思うのですが・・・

なも様
ヒトラーは死にましたが、ヒトラーの政治手法は、現在も生き続けています。
石原氏のような人物を、首都の首長にしているのは、実に恥ずかしい。これこそ、日本の恥だと思っています。

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