霞ヶ関の懲りない面々
サラリーマンを狙い打ちする大増税案が出て、ここのところ不機嫌なところに、またまた小腹が立った話題を一つ。
6月30日に行われた記者会見で、警察庁の漆間長官が、宮城県の浅野知事を「言語道断」と非難しました。警察の捜査用報償費が不正に流用されている疑いがあるとして、浅野知事が予算執行を停止しているのが、お気に召さないようです。
以前このブログでも採りあげましたが、昨年来全国の警察による不正流用、裏金作りが次々と明らかになり、その額は、発端となった北海道警だけでも、約10億円(この金額は、氷山の一角で、一桁違うという声もありますが)にのぼっています。他県でも、静岡、愛媛、福岡、京都などで、不正が発覚しています。
更に奇怪なことは、こうした調査が行われている中で、大半の県警や警視庁で、会計書類が“誤って”廃棄されていました。普通私たちは、これを証拠隠滅と呼びますが。
宮城県でも、県警の報償費に不正使用の疑いがあるため、浅野知事は予算執行の条件として、
①1999年度の会計文書の提出
②知事自身による捜査官のヒヤリング
を指示したのですが、県警がこれを拒否したため、現在執行停止になっているのです。
秘密が漏れて、捜査に支障が出るというのが、県警の拒否の理由です。
それなら、知事との間で秘密保持を確約すれば、済む話でしょう。
第一、県警というのは組織上、知事が所轄する県公安委員会の管理下にあるのですから、なぜ県警が上司である知事に報告書を出せないのか、理解に苦しみます。
こうなると、拒否するのは、何か他に理由があるのではと、勘ぐられても仕方ないでしょう。
捜査協力費について、今年の3月外国特派員協会で、元道警釧路方面本部長であった原田宏二氏が、次のようにスピーチしています。
「私は、その体験から捜査費が警察上層部の飲食や接待など使われ、実際に捜査をする警察官にはほとんど渡っていないことを知っていました。」
「そもそも、日本人は、警察に協力するのは善良な市民の当然の義務だとする考えが根強いのです。おそらく国民の大半は警察に「捜査協力謝礼」なる予算があることすら知らないでしょう。」
この証言が本当だとすれば、通常捜査協力に警察がお金を払う慣例が無いんですね。町会役員などしてますと、警察に協力することがありますが、確かに謝礼はでませんね。
しかも、大半は幹部の飲み食いに使っていると、これは実際に行ってきたご本人が仰っているのです。
警察庁といえば、全国の警察を指揮監督する部署でしょう。不正な裏金作りが行われているのでしたら、直ちに止めさせて、法に基づき予算を執行するよう指導すべきです。
それを県知事に対して、言語道断だと決め付けるのは、お門違いもいいとこです。
警察は、私たち市民の安全を守ってくれる、大切な組織です。だからこそ、自らの不正を正して、市民との信頼関係を保たねばならないでしょう。
もう一つ腑に落ちないのは、漆間長官が「捜査協力者は、県庁の中にもいる。」と、発言していることです。では、その県庁内部にいる協力者は、謝礼と引き換えに、警察にどうような情報を流しているのでしょうね。まさか、知事のスキャンダルを・・・、だとすれば今回の発言は恫喝・・・、まさか、そんなわけ無いか。
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トラックバックありがとうございました。治安を守るべき警察を信用できないというのは、本当に不幸な状況だと思います。
投稿: 嵐山太郎 | 2005/07/02 14:58
嵐山太郎様
コメント有難うございます。
日本の警察が、隠蔽体質を改めない限り、国民からの信頼は得られないと思います。
警察庁幹部が、このことに早く気付いて欲しいものです。
投稿: home-9 | 2005/07/03 18:39