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2005/07/29

「皇位継承」への一提案

皇室典範に関する有識者時会議の論点整理が、7月26日発表となりました。当初は、女性天皇容認論で固まるかと予想されていましたが、両論併記という「議論をする土俵」という段階に留まっているようです。
「女性天皇」に対しては、皇室の伝統が崩れるという反対意見が、「旧皇族の復帰」に対しては、皇族と一般国民との区別があいまいになるとの反対意見が、各々上げられています。
一長一短、帯に短し襷に長し、というのが目下の結論です。

王(皇)室というのは、国にとって絶対に必要なものではない。世界的に見ても、王室があるのは少数派であり、ロシア、中国、ドイツ、フランスなど、伝統的な王室や皇帝が存在した国でも、近代化民主化に伴い、廃止されています。
ここでは、皇室の存続を前提に、進めてゆきます。

皇室の拠って立つ基盤というのは、国民の支持と、アリガタミではないかと思います。それと天皇の重要な行為の中に、神事(まつりごと)があるのですが、ここではケガレという概念から、女性は避けられます。
何を今時古臭いとの批判はあるでしょうが、宗教や文化というのは、時に民主主義思想とは、相容れない存在です。大相撲や歌舞伎の世界を見れば、分かりますね。
「女性天皇」がすんなり認められないのも、そうした事情もあるのでしょう。

私は、皇位継承問題を考える際に、もう一つ重要なことがあると思っています。
それは、人間の心の問題です。
皇室の継続にとって、皇族以外の人を皇族に受け入れるというのは、必要条件です。従来は結婚のパートナーですが、これからは養子という形も有り得るでしょう。
その時に、今後果たして、「なりて」「きて」がいるのか、ということです。美智子皇后、雅子妃二代続いて、民間から皇室に入るのがどれだけ大変なことか、国民は身に沁みて感じています。
女性であれ男性であれ、皇族や宮内庁のオメガネに適う身分の人で、果たして今後皇室に入る希望者がいるのかという事が、本当は一番大きな問題だと思います。

皇族の生活というのは、我々外側からしか、分からないわけですが、どう考えても楽しそうには見えません。四六時中監視の目が光っていて、プライベートなど無いに等しい。いわゆる「ご公務」も、年間スケジュール管理されていて、個人の事情や意志が通る余地は無いでしょう。
それでいて、日本の皇室は世界一質素な王室だと言われているように、贅沢な生活ができるわけじゃあ無い。事実上、離婚の自由も無い。

ある程度の経済力と、社会的地位のある人で、一体誰がこんな生活、すき好んでしますかね。
第一、皇族の中でさえ、過去皇籍離脱を希望した方がいるのですから。
いくらセレブ婚がトレンディーでも、王妃になりたいと思う女性は、先ずいないでしょうね。仮にいても、今度は先様がお断りになりますしね。

結局、外部から見ても魅力のある皇室にすることが、先決だと思うのです。
花嫁あるいは花婿を募ったら、門前市をなす状態になるのが、望ましい。
公務を大胆にカットし、個人の自由時間を増やす、警備を簡素化する、ある程度贅沢な生活も容認する、離婚の自由も認めるなど、見直しが必要です。
いずれにしろ、「周囲の状況から、やむなく」とか、「泣く泣く」という状態は、決して長続きしないと思いますよ。

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皇室の危機」カテゴリの記事

コメント

HOME★9さん

 はじめまして、記事拝読させていただきました。
 私の意見とかなりの隔たりを感じました。
 たとえば、「宗教や文化というのは、時に民主主義思想とは、相容れない存在です」とのことですが、「宗教や文化は自由主義に立脚した価値相対主義になじまないもの」あるいは、「宗教や文化は法による解決になじまないもの」というのが正確かと思います。
 そして、私は、それを踏まえて、天皇については、国の体制(戦前風に言うなら國體)から切り離して考えるべきで、文化として残すというのが、私の意見です。
 私の記事にトラックバックがつけられていましたが、私の記事を読んでのトラックバックでしょうか?
 なお、トラックバックに対する私の考えは、本日の記事に書いてあります。

投稿: 柴田晴廣 | 2005/07/29 17:23

公務をカットするのは不可能だと思いますよ。
別に好き好んで公務を入れているわけではなく、向こうから来てくれと言われるからスケジュールを組んでいるわけで。
それにやっぱり、庶民は王様とか王子様とか、お姫様ってものにあこがれるものなんですよ。
そして、だからこそ有難味を感じるんですよ。
そういう部分を論点からすっ飛ばすのはおかしな話じゃありませんか?

投稿: GK金沢 | 2005/08/09 16:32

HOME★9さん

 改めて「女系天皇」問題についてまとめてみました。
 お暇なときにでもご笑覧ください。
 コメントなどいただければ幸甚です。

投稿: 柴田晴廣 | 2005/10/26 19:36

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