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2005/08/06

殺人の動機は「性的快楽」

sm
8月5日自殺サイトで女性を呼び出し殺害したとして、男が殺人と死体遺棄容疑で逮捕されました。容疑者は前上博容(36)で、今年2月2月19日大阪・河内長野市で、レンタカーの中で長元美智子さん(25)の手足を縛った上、口と鼻を押さえて窒息死させ、死体を埋めたものです。
男は「息ができなくて苦しむ様子を見て、性的興奮を覚えた。自殺するつもりは無かった。」と供述しています。更に同様の手口で、21歳の大学生と、14歳の中学生の殺害についても、供述を始めているようです。
この男は、過去中学生などの口をふさいだとして、傷害容疑で3回逮捕され、懲役10ヶ月の実刑判決を受けています。

首を絞めて苦しむ姿を見ると、性的に興奮するというのは、性的嗜好の一種です。そういえば、あの有名な「阿部定」事件は、首を絞められると、性的に興奮するという性癖から起きた事件でした。
今回の事件は殺人ですが、広義の性犯罪とも言えるでしょう。
こうした性的嗜好に起因する事件というのは、犯罪者の矯正が難しく、再犯率も高い、厄介な代物です。

性的嗜好というのは様々ですが、どんなに世間から見てヘンだとしても、犯罪でなければ許されます。
SMクラブで、女王様から鞭で叩かれようと、ピンヒールで顔を踏まれようと、おしっこを飲もうと、それは本人の自由です。オムツをあてて貰うと興奮する男性もいますし、女性を縄で縛らないと興奮しない男もいます。
以前、ある浮世絵師から話を聞いたことがありますが、普通は男女交情の図や、責め絵の注文が多いのだそうですが、客のリクエストの中には、理解に苦しむものがあるそうです。
背景が緑色でないとダメな人、高下駄を履いて唐傘をさした男を描いてないと興奮しない人、とてもヘンですが、でも犯罪ではありません。
性的嗜好というのは実にオクがフカイ、と妙に感心してしまいました。

下着フェチや女装趣味は犯罪ではありませんが、下着を盗めば犯罪ですし、着替えを覗いたり、スカートの下から下着を撮影すれば、犯罪です。露出狂、痴漢行為ももちろん犯罪ですね。
もっと深刻な、小児性愛者というのもあり、子供に対する性犯罪で、いつも問題となるところです。
しかし性的嗜好という観点で見れば、みな紙一重という感じもします。
ここに性的嗜好に起因する犯罪防止の難しさが、あるのだと思います。

こういった人々も、普段はごく普通の社会人なのでしょう。今回のこの前上という男も、会社では仕事熱心だったようで、周囲の人は誰も、彼の性癖に気が付かなかった。
性犯罪の防止には米国のメーガン法など、過去の犯歴と本人の所在を公開する制度がありますが、この事件のケースでは効果が疑わしい。
性犯罪加害者の更生プログラムというのも、度々話題に上りますが、俗にいう精神分析療法やカウンセリングなどは、殆ど効果が無いという調査結果もあるようです。

どのような犯罪でも、受刑者の矯正と再犯防止は、今のところ有効な手立てがありません。
取り敢えずの解決策としては、終身刑の導入も、検討の余地があると思いますが。

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コメント

トラックバックをありがとうございます。
こちらからもトラックバックをさせてもらいました。
人間の人間たるゆえんがこんな犯罪を惹き起こすのだろうと愚考します。

トラックバックありがとうございます!
この場合の犯人が欲求を満たすためには、
その度に人ひとりの命が必要なので、
仰る通り、なかなかに厄介な性癖ですよね〜。
勝手に獲物がよって来てくれるサイト。
そんなところに仕掛けられた罠も怖いです。

少し長くなりますが,お許しください。

>性犯罪の防止には・・・、過去の犯歴と本人の所在を公開する制度がありますが、・・・。

一部の性犯罪者について,その所在を警察で把握する制度は,我が国でも本年6月から始まっています。その効果測定は今後の課題でしょうが。

>性犯罪加害者の更生プログラム・・・、・・・精神分析療法やカウンセリングなどは、殆ど効果が無い・・・。

例示されているような「心に働きかけて性格等を変えようとする」ことを主とする心理療法は,犯罪者の再犯予防には効果を上げにくいようです。ただ,もう少し行動に働きかけるような心理療法については,効果が報告されているものもあります。

>どのような犯罪でも、受刑者の矯正と再犯防止は、今のところ有効な手立てがありません。・・・、終身刑の導入も、検討の余地がある・・・。

「どのような犯罪を起こした,どのような犯罪者に対しても,有効な手立て」は,ないと思われます。ただ,犯罪内容と再犯危険性に応じて,適切なプログラムを実施すれば,再犯防止の効果が認められたという報告はあります。

犯罪者=加害者を変えて犯罪を防止するという働きかけが,なかなか難しいことは確かだと思います。そこで,「再犯を起こせる可能性をなくす」方法,例えばずっと刑務所に入れておくとか,異性に暴行を加えるような犯罪者の性欲を抑制するような薬物を使うとかが,選択肢としては考えられるでしょう。それが妥当かどうかの検討は,慎重になされるべきだと思いますが。

一方で,被害者になることを防ぐという考え方もあります。「加害者が居なければ何もしなくてもいいのになぜ?」という反発を買うかも知れませんが,加害者を変えたり無くしたりすることが困難だとすれば,被害者になる可能性のある者の方で,犯罪を起こされる危険性を低くするような手立てをとることの方が,効率的だと考えられます。

例えば,従来の住居への侵入盗の多くは,ピッキングやサムターン回しといった,手の込んだ手口ではなく,無施錠のドアや窓から侵入するものでした。きちんと施錠することで,かなりの侵入盗は防げたと考えられます。

今回話題になっている事件について,決定打と言えるような被害者にならないための対策は思いつきませんが,自殺を考えているというような,深刻で個人的な話題について,不特定多数の者が見る場所で発言するということが危険だということを,伝えるべきでしょう。また,見知らぬ人と一緒に自殺を試みることの危うさを伝えるとともに,そうした悩みの相談を受けるもっと安全で利用しやすいシステムを考えていくことも必要なのかなあと思います。

「犯罪防止については,何も成果が上がっていない。」というわけではないことを,お伝えしたくて書き込ませていただきました。細かく文献を確認したわけではありませんので,不正確な部分も多々あることをおわびしておきます。

なも様
コメント有難うございます。
ご指摘の点、説明不十分な箇所があったと、反省しています。
性犯罪とその防止に関しては、別の機会に記事にする予定ですので、貴兄のご意見についても、その際に回答させて頂く予定です。
ご了承下さい。

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