« 国際テロの背景(その2) | トップページ | 国立演芸場「芸術祭寄席・夜の部」 »

2005/10/20

鈴本演芸場10月中席夜の部

karoku
いやー大変な時代になりましたね。「鈴本演芸場」でブログを検索すると、ダダーっとこの番組の批評が並んでいるのですから、こりゃあ席亭もオチオチしてられません。
私らが最初の寄席に行った昭和20年代のころは、それはひどいもんで、休演代演当たり前でした。出演者が足らず、同じ人が二度高座に上がってきたり、昼と夜のトリが同じだったり、とにかくメチャメチャでしたね。

その代わり、客の方もよくしたもんでね、一番少ない日は4人ということがありました。そうなると、いくらつまらなくても、帰るに帰れない。他の3人に迷惑を掛けますから、最後までじっと辛抱して聞かないといけない。これじゃ寄席なんだか、ガマン大会なんだか、分からなくなりましてね。
そこいくと近頃は、いつ行ってもそこそこの入りで、土日に人気の噺家が出るっていうと、もう満員です。人気落語家の独演会になると、発売即日完売なんてね、ユーミンのコンサートじゃないんだから。
まあそういう意味じゃあ、寄席もいい時代になりました。

そういうわけで、19日の鈴本は『柳家花緑60分奮闘公演』。
柳家初花(しょっぱなと読むんだそうで)は「やかん」。芸はしっかりしてるんですが、早口で聞き取れない時がある。それとこの噺、講釈の素養がないとムリです。三代目金馬が得意ネタにしていたのは、金馬が若い頃に講釈師だったからです。もうちょっと、勉強ですね。
漫才のロケット団、久々に見たのですが、上手くなってます。東京の漫才で、若手にイキのいい芸人がいなかったので、これは期待できますね。4字熟語で、「深く考えもせずに行動し、周囲に迷惑を掛けること」と問題を出すと、相方が「靖国神社!」、なかなか宜しい。
柳家圓太郎は「棒鱈」。この人は中堅落語家として、着実に力を付けてきています。端正な芸で、今時流行りの噺を崩すようなことがなく、しかも笑いは取れている、安心して聞ける噺家です。「赤べろべろの醤油づけ」「にがちはてんてこてん」、結構でした。TVのお笑い番組とはおよそ無縁ですが、こういう芸人が日常の寄席を支えています。

春風亭小朝は「桃太郎」。上手さでは申し分がない。それと最近の小朝は、一時期のように適当に演って、引っ込んで行くという傾向が無くなりました。短時間でもまとまった噺をするようになり、私の好感度も上がっています。私の見立てでは。志ん朝が亡くなった頃から、小朝の高座での姿勢が変わってきたと思っていますが、どうでしょうか。
林家たい平は「粗忽の釘」。正蔵の代演のせいか、調子を落としていました。中トリにしては、少々薄味だったように感じました。

トリはお目当て柳家花緑の新作「ナンパジジイ」。
先ず苦言ですが、花緑の欠点の一つは、マクラが面白くない。それに祖父の小さんをネタにした内輪話は、そろそろ止めた方が良い。志ん朝や先代馬生が、マクラで志ん生の話しをするのを聞いたことがない。
さて肝心の長講一席。恐らく小劇場の脚本家が書いたホンだと思われますが、若い客層を対象にしているのでしょう、若い人たちは良く笑っておりました。年配者の反応はどうだったんでしょうか。
花緑がこういう新作に挑み、しかも1時間の大作を演じるという意欲は買いますが、このネタは花緑のキャラとはチョット違うのではないかと思います。
この位置には既に柳家喬太郎がいるわけですから、新作を手掛ける場合でも、違った方向性を目指したほうが良いと、私はそう感じました。
他に林家彦いち、三遊亭白鳥、太神楽の仙花、小花が出演。

|

« 国際テロの背景(その2) | トップページ | 国立演芸場「芸術祭寄席・夜の部」 »

寄席・落語」カテゴリの記事

コメント

私のブログへのコメントありがとうございました。
楽しく拝読いたしました。
初花さん、「やかん」かけたんですね。前座時代からよくかけているネタです。ずーっと成長を追いかけたいなと思っている噺家さんです。
たい平さんは、自分が主役でないときは、すごーくあっさりやって、次の演者へバトンをわたすんですね。そんな気配りがステキだなーって思ってます。
私は、花緑さんとほぼ同い年なので、花緑さんがいろいろ、自分のキャラにないものまでやる姿に共感と元気をもらっています。
今回の噺はおじいちゃんと孫が中心だったので、私としては、小さん師匠を想いだしながらやっているのかなぁと思いつつ聴いていました。
女の子の演じ方が喬太郎さんの演じ方とそっくりではありましたが、これからも花緑さんの違った顔も見ていきたいな、と思っています。

投稿: ココナッツ | 2005/10/21 01:06

ココナッツ様
確かにテンションの高い噺が続いてましたので、たい平は少し場内を落ち着かせようとしたのかもしれません、そうであれば、たい平だけに、”たい”したもんです。
花緑は、間違いなく寄席の次代を背負う逸材です。私は期待が大きい分、どうしても見る目が”かろく”(辛く)なります。
ああ、今日はウケナイなあ。

投稿: home-9 | 2005/10/21 11:33

TBありがとうございます!
<ロケット団>私も大好きなんですよ。
四字熟語ネタも、そのとき世間で話題になってるネタに代えていってるようで、好感が持てます。勢いがあって、面白い!

投稿: 景牙 | 2005/10/21 20:37

景牙様
今では漫才は大阪と、相場が決まってしまいましたが、私が若い頃は、コロムビアトップ・ライト、獅子てんや瀬戸わんやという人気漫才師がいて、大阪を圧していました。
ロケット団の今後に、大いに期待します。

投稿: home-9 | 2005/10/22 04:26

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/82117/6485619

この記事へのトラックバック一覧です: 鈴本演芸場10月中席夜の部:

« 国際テロの背景(その2) | トップページ | 国立演芸場「芸術祭寄席・夜の部」 »