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2005/12/04

どう防ぐ「少女への性犯罪」

hiroshima
11月22日の広島で起きた女児殺害事件から10日足らずで、又栃木で小学校1年生の児童が殺害され、社会に大きな衝撃を与えました。ご遺族の怒りと悲しみは、想像するだけで胸が痛みます。
子供は生まれて6歳までは、完全な親の保護の下にありますが、小学校へ入学した途端、自力で登下校し始め、いきなり世間の風を受けることになります。
つまりこの時期の子供は、最も弱い立場にあるわけです。
こうした子供を狙う今回のような犯罪は、極めて悪質なもので、断じて許しがたい犯罪です。

広島で起きた事件は未だ全容が解明されていませんが、逮捕されたフアンカルロス・ピサロ・ヤギ容疑者が過去3回にわたって少女暴行未遂事件を起こし、1992年、94年、95年の裁判記録が残されていることを明らかになっています。
この事件は1年前に起きた奈良児童殺害事件と同様に、少女暴行常習者がエスカレートして引き起した可能性が高いと言えるでしょう。

少女(幼女)に対する性犯罪者の特徴は、一人の犯人が複数の、それも数十名から百名を越すような多数の被害を与えるケースが多いこと、再犯率が高く手口も次第にエスカレートする傾向にあることです。
従って、こうした犯罪者を従来のような受刑生活により矯正することは不可能と思われます。

又こうした事件を防止するために地域のコミュニティの必要性が指摘されていますが、現実には寧ろ困難になりつつあります。
卑近な例ですが、ご近所に小学校1-2年生の少女がいて、時々下校した際に親が外出して締め出されていることがあります。
以前なら気軽に、親御さんが帰宅するまで我が家で遊んでいなさいと言えたのですが、当今はそれすら出来ない、こちらが遠慮してしまう、うっかり声も掛けられない。
犯罪の多発は、地域コミュニティさえ破壊し、それが又犯罪の温床となりうるという悪循環を生んでいるように思います。

こうした犯罪の防止策は、決定的なものはありません。
良く話題に上るメーガン法でも、犯罪被害者の意見によると、個人情報や犯歴を公開された人物が自分の近所に住んでいることが分っても、子供のほうがビクビクしながら生活しなければならない。そもそも、周囲が見張らなきゃいけないほど再犯の危険がある人間を、どうしてそんなに早く刑務所から出してしまうのかという、根本的な疑問に対する解決にならない、こういう見解が示されています。

対策としては、被害者の大半は低学年の少女であり、登下校の一人になる時間帯に集中していますので、この時間に大人の目が行き届くようにする。
幸い高齢化社会で、元気な高齢者が地域には沢山いますから、そうした人をボランティア登録してもらい、家族の付き添いが困難な児童については、登下校に付き添いを頼んだらどうでしょうか。

性犯罪者も更生教育につぃては、従来効果が疑問視されてきましたが、最近の研究によると、「認知行動療法」(詳しくは、http://macska.org/meg/offenderprog.html を参照下さい)が効果的で、再犯率が4割下がったという報告もあるようですから、今後こうした更生プログラムを積極的に取り入れ、再犯率を低下させる努力を行う必要があるでしょう。

次に厳罰化です。特に小学校亭学年の児童に対する性犯罪は、罰則を強化すべきです。こうした児童に対する暴行罪の再犯者は、生涯刑務所に入れると言う位の重罪にすべきです。
そのためには、早期に刑法を改正し、「終身刑制度」を導入する必要があります。
「終身刑」の導入については、死刑廃止論の人も、存続論の人も異論は少ないようですから、早く実現して欲しいと願っています。

とにかく幼い子供を社会が共同して守るという決意と体制を作ることが、こうした犯罪の防止に有効であると考えます。

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コメント

こんにちはです。トラックバックいただいてやってきました。

> 少女(幼女)に対する性犯罪者の特徴は、一人の犯人が複数の、それも数十名から
> 百名を越すような多数の被害を与えるケースが多いこと、再犯率が高く手口も次第
> にエスカレートする傾向にあることです。

ええと、細かいところを言いますけど、それほど多数の子どもを虐待する例はやっぱりごく少数で、大半は1人だけか多くて数人といったところでしょう。それから、子どもの性虐待の再犯率は他の犯罪と比べて特に高いということはないです。再犯したケースが大きく騒がれているのでそういう印象が強いですが。手口がエスカレートする傾向については調査を知りませんが、たまたまそういうケースがメディアによって騒がれているだけだという可能性もあります。

被害者の大半が低学年の少女であり登下校の時間に集中しているというのは事実誤認です。今も昔も、子どもの性虐待が一番多いのは家庭内であり、9割を軽く超えています。報告されないケースを含めたら、多分もっと割合は上がるでしょう。子どもの性虐待を減らすためには、家庭内の取り組みが一番重要です。しかし世間はそれを認めたがらないから、家の外にいる変質者から子どもを守ろうということに異様なエネルギーを使います。そうすることで、本当の問題を覆い隠しているのだと思います。

> 「終身刑」の導入については、死刑廃止論の人も、存続論の人も異論は少ないよう
> ですから、早く実現して欲しいと願っています。

それはちょっと違います。死刑廃止論の人は、死刑に変わる処罰として「終身刑」を主張しているのであり、死刑を存続したまま単なる重罰化の一環として終身刑を導入することを支持しているわけじゃありません。あくまで、従来なら死刑になったであろう犯罪者を終身刑にせよというわけです。

投稿: macska | 2005/12/04 19:44

macska様
コメント有難うございます。
ご指摘の点に回答する前に、事実関係で確認させて頂きたいことがあります。
先ず当方よりTBしたとの事ですが、当方の勘違いであれば大変申し訳ないのですが、当方の通信記録を調べても、URLの記載された貴方のブログにTBしたとの記録が残されていません。

次に貴方が運営されていると思われる”ミーガン法のまとめ”というHPから、「認知行動療法」に関する部分について、当方の記事で引用させて頂ました。
当方の記事はコラムという体裁から、通常は出典を書き出していませんが、今回は認知行動療法そのものを解説するのは、こちらの記事の趣旨を越えると考え、詳細は貴方のHPを参照して貰う為にURLを記載したものです。
認知行動療法について、いくつかのHPでも触れておりますが、 macska様のHPの記事が最も簡にして要を得ており、参考にさせて頂きました。

次に貴方のコメントについてですが、確かに少女への性犯罪という場合、家族からの性的虐待は大きな問題です。
しかし、特に断ってはいませんが、こちらの記事ではその範囲まで含むものではなく、あくまで今回の一連の事件に関係した、外部の人間による性的暴行事件を取り扱ったものです。この点はご考慮願いたいと思います。

ただコメントでご指摘の諸点は、大変示唆に富むもので、今後の当方の記事に反映させて行きたいと考えております。

投稿: home-9 | 2005/12/04 23:01

home-9様,こんにちは。

Macska様のコメントされたことは,大筋において,「大きく報道された極めて凶悪な事件だけから,そうした犯罪に関する刑時政策全般を論じるのは,慎重にした方がいい。」という意味ではないかと推測しております。

凶悪な事件は世間に恐怖感をもたらしますので,その解明はぜひとも必要です。また,そうした事件を契機に,実際に刑時政策が変更されていることも事実ですが・・・。

性犯罪の重大性が軽視されてきたことは確かだろうと思いますし,「再犯率が高く手口も次第にエスカレートする」おそれの高い人々を見分ける技術を高め,そうした人々に適切な対応をすべきことに異論はありません。

投稿: なも | 2005/12/05 00:43

TBありがとうございました。本当に性犯罪だけは許せないと思う今日このごろです。
いかなる過去があってもやってはいけない犯罪ですよね。

投稿: ふぶき | 2005/12/05 08:27

なも様
コメント有難うございます。
この事件のブログを見ますと、犯人は市中引き回しとか断種させろとか、勇ましい記事が目立ちます。
そういう極論は気晴らしにはなっても、実現性は薄いものです。
現実的に考えてみて、私たち自身が何が出来るかを自問すべきだと思います。

投稿: home-9 | 2005/12/05 09:58

ふぶき様
これからの日本を考えると、女性が安心して子供を生み、育てられる環境作りが大切だと思います。
そうした観点から、犯罪者から児童を守ることも社会的責任であるといえます。
未然に防ぐ方策を、地域ぐるみ知恵を出し合って進める必要があります。

投稿: home-9 | 2005/12/05 10:05

お久しぶりですm(_ _§m
はじめて“本館”の方へお邪魔させていただきましたが。。
こちらは大変難しい社会問題をテーマにされておいでなのですね。。
昨今のこの一連の忌まわしいニュースがメディアに大袈裟に取りざたされているのか否かなど私の様な田舎者には想像もつきませんが…とにかく現実であったことには違いない訳で、恐ろしくて仕方ありません。。
KANEKATSU様のように真剣に考え、取り組もうとされておいでの方がいらっしゃるというだけでも、私たち非力な庶民にとってはどんなに心丈夫なことでしょう!!
これからもどうぞこの様なテーマを取り上げて、いろいろとご教示くださいませ。
最後に…隠そうとする家庭内の虐待に触れておいでの方がおられましたが。。隠すと言えば…このようなデリケートな問題は被害にあわれた方(女児)のご家族は後々ズタズタに傷つきながら隠して隠して何とか生き長らえて行かれるもののようですね。。
それでも耐え切れなくなった母娘が2年経って心中されたと、そのお知り合いの方から伺ったと友人が涙ながらに話しておられました。。

政府の早急な措置をと願うばかりです。。

投稿: ラージAゞ | 2005/12/08 05:37

ラージAゞ様
本館へようこそ。
最近の報道で今回の今市の少女殺害事件が、余りに異常なため特別視されているようですが、こうした悲劇を生まないためにも、少女への性的暴行事件を起こさせない事が肝要です。
ここ2-3日、ようやく全国各地で高齢者による登下校ボランティアが組織され始めたようです。
今の時代、子供は社会全体の宝ですから、共同して守ってゆくべきでしょう。

投稿: home-9 | 2005/12/08 15:55

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