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2006/01/24

国立演芸場「花形演芸会」

taihei
昨晩遂に堀江社長が逮捕されました。
昨夜から今朝にかけてマスコミ各社で、様々な人々がライブドアや堀江氏に対する批判を展開しています。
しかしつい先ごろまで、ホリエモンを時代の寵児として賛美し、持ち上げ利用してきた評論家、学者、政治屋の、この手の平を返した様な言動は、不愉快極まりない。
こういう連中には「自らの不明を恥じる」という感覚が無いのでしょうか。

話は変わって、1月22日の国立「花形演芸会」、人気者の柳家喬太郎と林家たい平の二人が登場です。前売りの発売日午後に電話したら、もう後ろから2番目の席しか空いていなかった。当日売りで入れた昔が懐かしい。
前座は鈴々舎馬るこ、最近の前座はレベルが高くなりました。マクラを振って小咄を入れて「初天神」。師匠の馬風ゆずりの少々アクが強い芸風、好き嫌いが出るでしょうね。
次いで二ツ目の金原亭小駒は「持参金」、初見ですが折り目正しく古典に取り組んでいる姿勢が宜しい。
替え歌のDice(ダイス)、何でこんな芸人を出演させたのか、国立演芸場の意図が分らない。3分の1くらいは昔からある替え歌のパクリ、聞いてる内に段々腹が立ってくる。
だるま食堂のコント、ライブで見るのは初めてでしたが、偉大なるマンネリが楽しい。何が面白いかと言われれば、とにかく一度見てみなさいと答えるしかありませんが、ハマルと中毒になりそうな芸です。

仲トリはお目当ての喬サマこと柳家喬太郎で、演目は「按摩の炬燵」。
昨年はどういう巡り合わせか、喬太郎の高座は全て新作でした。新作も悪くないですよ、でも喬太郎には古典が良く似合う。
今回のネタですが、按摩に酒を飲ませて炬燵の代わりにするという噺で、時間が長い割に笑いが少なく、下手をすると少々陰惨な空気になり兼ねない。第一テーマがテーマなので、現在では電波に乗せられない。要は損な噺です。
喬太郎の偉さは、人気のある内に敢えてこういう損なネタに挑戦し続けているところです。
按摩が酒を飲み次第に酔って身の上話に入るのですが、ここの描写が「面白うて、やがて哀しき」で、しかも明るさは失わない喬太郎の話芸に、ただただ舌を巻きました。

お仲入り後に、秋田弁マジックのブラボー中谷、曲芸の翁家勝丸を挟んで当日のトリ、林家たい平は「お見立て」。
たい平の良さは明るい芸風であり、当今では“笑点”の事実上のレギュラーとして知名度もすっかり全国区となりました。
この演目は、近年志ん朝の名演があり、これを超えた口演にはなかなか巡り合えない。
この噺の最も難しい箇所は、花魁が死んだとウソをついて田舎大尽を説得する吉原の若い者と、それに騙されて悔いの泪を流すお大尽二人のヤリトリが、次第に盛り上がってゆく所です。
たい平はここでクスグリを入れてますが、これは却って逆効果、折角の盛り上げを中断している。
それと時間が押していたのか、全体にやや先を急いていたような感じを受けました。
熱演でしたし、面白かったのですが、私としては不満が残りました。

2000年に真打に同時した喬太郎とたい平、人気の点は良い勝負ですが、実力は明らかに喬太郎がアタマ一つ抜け出したようです。

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寄席・落語」カテゴリの記事

コメント

ホリエモンさんについて今ひとつよくわかっていなかったのでご意見を拝読でき感謝です。

落語、いいですねぇ。
私はかつて志の輔らくごに何度か通いまして、昨年末も帰国した時に案内が届いていました。

こうしていろいろな落語家さんの噺を楽しめる
ご環境、羨ましいです。

投稿: ま・ここっと | 2006/01/25 02:41

ま・ここっと様
コメント有難うございます。
今回のライブドア事件は、ホリエモンに代表される、濡れ手で粟の金儲けを追い求める、現代の軽佻浮薄な社会的風潮に対する警鐘となるでしょう。
同時にこの事件は、検察当局の「国策捜査」であると見て間違いない。そういう意味では、見掛けは経済事件ですが、一種の思想事件とも考えられます。
なぜこの時期にこうした強制捜査が行われたのか、その背景については十分注視してゆく必要があると思います。

志の輔の独演会は毎回大変な人気で、チケットが予約開始と共に瞬間蒸発することもあります。
寄席や芝居に自由に行ける、これだけは東京住まいの特権ですから、精一杯享受しようと思います。

投稿: home-9 | 2006/01/25 13:37

ホリエモン報道に限らず、「勝ち組」「負け組」と、安易に面白おかしく人々を分別しようとする昨今の世間、マスコミの風潮には、ずっと疑問を持っております。
いったい、何を持って勝ちなのか?人の幸せなんて、一つの尺度では測れないわけですから・・・。
落語を知り、その世界のステキさを知ってから、一層このようなことを感じる毎日です。

というマクラを入れさせていただいて・・・。
home-9さまの、花形演芸会のコメント、まさに全く同感です。「だるま食堂」は実は苦手だったのですが、慣れは怖い!?もので、その不思議な世界を楽しみましたし、喬さまは彼独自の世界へと誘ってくれました。
たい平師は達者な方だと思います。大賞取りたい!意気込みは強く感じたのですが、それを客に感じさせる高座はやはり、大賞には遠いのかな?と生意気にも感じてしまいました。(審査員の方の評価はわかりませんが・・・)

投稿: 築地の柳 | 2006/01/25 23:28

築地の柳様
コメント有難うございます。
確かに勝ち組・負け組、嫌な言葉ですね。
こういう言葉が生まれる社会背景の方が、もっと嫌ですけど。

そうですか、たい平は大賞狙いだったんですね。あの固さはそのせいですか。
個人的には、今年は三太楼に大賞を取らせたいですね。好演、熱演、怪演が入り混じったような独特の魅力があります。

投稿: home-9 | 2006/01/26 10:38

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