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2006/01/21

「改革なくしてホリエモンなし」

horie
T-シャツ1枚で過ごせたミャンマーから帰って間もない大雪で、老体が寒さにプルプル震えています。休館中に色々大きな出来事がありました。
ライブドアへの強制捜査、国会での小嶋社長喚問、宮崎勤の死刑確定、そして昨日の米国産輸入牛肉の背骨混入です。
昨夜の小泉首相の会見ですが、第一声の「輸入が再開したのに、残念ですね。」というコメント、これはどうもおかしい。残念なのは米国政府の側であって、何で日本の総理が残念なのか、どうもこの人のヴォキャブラリーは良く分りませんね。
昼間に行った総理の所信表明演説では、自民党1年生議員全員に対し、起立して30秒間拍手するよう指示が出ていたそうですが、やはり前回の記事で指摘したように総理周辺の”驕り”を感じます。
それと、輸入再開にあたって農水省と厚生労働省の担当者が米国の各施設を査察して安全確認をした筈ですが、あれはナンだったのでしょう。
米国の検査担当者が、「除去」という対日輸出の基本ルールすら知らなかった(産経新聞)と聞かされると、いつもの事ながら行政の怠慢を痛感します。
まあこれは「怠慢」というよりは、国民に顔を向けているのか、それとも米国に顔が向いているのかの問題でしょうが。

さてライブドアへの強制捜査ですが、当初は証券取引法違反の容疑で始まったのですが、その後2004年度のライブドア本体の決算に粉飾の疑いが出て、より問題が大きくなりました。株式市場は大混乱で、ついには東証始まって以来の取引停止が起きました。
ライブドアという会社はご存知の通り、IT企業というより、次々に企業を買収して資産を増やしてきたというのが企業実態です。

こうした企業買収の手段として「株式交換制度」を最大限に活用してきました。
この聞きなれない制度ですが、「規制緩和」の一環として1999年8月の商法改正により生まれた制度で、株式交換と株式移転とに分けられています。
株式交換ー自社の株式と他の会社の株式を交換することで他の会社を完全子会社化する制度。
株式移転ー自社の株式と新会社の株式を交換することで新たに親会社を設立する制度。
いずれにしろ端的にいえば、自社の発行する株券が現金と同じ役目をしてくれて、相手先の株式と交換できるという、とても便利な制度です。

この法律が作られた当初は、恐らく大多数の方々が自分の生活とは余り関係ないと思って、気にも留めなかったと思われます。
しかしそれまでは資金を準備しなくては企業買収が出来なかったのですが、この制度のお陰で株券、それも自分で発行した株券が現金代わりになるのですから、とても便利な制度なわけです。
正に現代の「錬金術」ですね。

例えば私が「ほめく株式会社」を設立して株式を発行します。額面は千円ですが、これを宣伝広告やマスコミを利用して10倍の価値があるかのように世間に思わせれば、1万円の資金に化けて他社の株式と交換できるわけです。そうして優良企業が子会社となれば、益々自社の資産価値が上がり、更に10倍の10万円の資金として別の企業買収が出来るようになります。
そうして得た金で「ほめくファンド」を設立して、「きっこのブログ」を買収します。するとこのブログのアクセス数がいきなり日に数万件に昇り、早速マスコミが取材にきますよぉ。そうしたらサングラス掛けて、インタビューに応じようかな~。
こんな事いいな♪出来たらいいな♪
誰もがそう考える。だからそれをホリエモンが実行した。それだけの実に分り易い話ですね。

昨年9月の衆院選挙でホリエモンは事実上の自民党推薦候補として出馬しました。
あの当時、小泉首相を始め武部幹事長、竹中大臣が堀江氏について、「自民党は堀江君の気持ちを温かく尊重してエールを送りたい。考え方は同じだ」「ホリエモンも小泉劇場の脇役だ」「今後、党運営でアイデアを提供していただきたい」などと手放しでベタ褒めしておりました(ZAKZAK)。
堀江社長こそ小泉改革の申し子であり、「改革なくしてホリエモンなし」であった訳です。

「株式市場なんて所詮は賭博場じゃないか」という意見もありますが、そうであればイカサマがし易い制度を作ってはいけません。

「金があれば何でもできる」風潮を批判する声が高いのですが、そうした風潮を作り出した国の制度改革に眼を向けた声は、少ないように思えます。

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経済・政治・国際」カテゴリの記事

コメント

結局は政治の責任としかいいようのない世相です。その政権を風評だけで支持した国民の自業自得なのでしょうか?

カメレオン様
コメント有難うございます。
「改革」という言葉に惑わされず、改革の目的、何をどう改革するのかその中身を把握した上で、私たち国民はその要否を判断すべきでしょう。
結局は国民がもう少し賢くならなければ、政治は良くなりません。

とげぬ恋に、心サダカズ詠める
「ならぬコイ、スミ袖の人に、アヘなくば、
明けぬるアサウに、涙をフクダ。」
自民和歌集より

先日は、コメントありがとうございます。お返しと思ったのですが・・・・座布団とっちゃダメです。山田君!

ライブドアはヤフーや楽天と同じようにIT企業としてもてはやされてきた。

ヤフーは繁華街でのADSLモデムの配布という意表を突いた方法で、赤字に悩みながらADSL加入者を確保し、更にはヤフオクのようなネット取り引きの分野でも着実に基盤を築いた。
同じく楽天は楽天市場を始めとしたネット取り引きの分野を固めポータルサイトとしての内容の充実に努めてきた。

これに対してライブドアは本業の充実化よりも株式分割、株式交換というような手段を弄して企業買収を進めるという虚業に手を染め、急激に拡大成長したものの、今回の破綻を招いた。

小泉政権も郵政民営化という一見分かり易いキーワードをベースに容姿の端麗な候補者、様々な方法によるマスコミへの露出の利用という政治本来の姿から見れば虚業の部分を上手に活用して選挙に大勝した。

そろそろこの辺で虚業という麻薬を断ち切り本業を充実させないと遠くない将来に大変な破綻が待っているような気がする。

その破綻に国民が巻き込まれるのはゴメンだ。

home-9さん

 まさにそのとおり。
 堀江貴文さんこそが、時代の申し子です。
 しかし、堀江貴文さんのweb-log「社長日記」のコメントを読むと、堀江さんが悪いんじゃなくて、日本が悪いなどというコメントが目白押し。いまの日本が悪いと思うなら、堀江貴文もまた悪い。こういう当たり前の構図が理解できていない者が、自民党やライブドアを支えているのでしょうね。

猪口山人様
コメント有難うございます。
ホリエ門といい、オジャマ門といい、どうもここの所「門」がつくのに、ロクな人間がいない。
こんなこと言うと、ドラエ門から「お門(かど)違い」と叱られるますかな。

タケチャンマン様
コメント有難うございます。
先週末のの首相所信表明演説でも、小泉総理の実績披露は正に粉飾決算そのものでした。
虚業と粉飾、小泉氏と堀江氏というのは波長が合うのかも知れません。
ただそのツケは、ライブドアの場合は株主や従業員にしか廻りませんが、総理の場合は国民生活や国益に影響しますので、問題は深刻です。

柴田晴廣様
コメント有難うございます。
私も以前堀江社長のWEB日記を読んだときは、まあまあ常識的な考え方の人だという印象を持っていました。
どうも堀江氏は、ライブドアという会社の経営者という顔と、企業の広告塔という顔を使い分けていたのでは無いのだろうか、最近になってそう感じます。

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先月以来のホリエモンこと堀江貴文容疑者(ライブドア前社長)に対する報道の過熱ぶりは凄まじいものだった。拘置所に移送される一部始終の中継から、昨年の忘年会のバカ騒ぎの映像に至るまで、必要性すら疑問な報道のオンパレード。しかし、もう一度考えてほしい。堀江を「新時代の旗手」「若者世代のヒーロー」などと持ち上げてきたのは、他ならぬそのマスコミ自身だったのではないか。そもそも、ライブドアの財務体質は以前から専門家の間では疑問視されてお... [続きを読む]

» ホリエモンと「小泉劇場」の類似性(2) [S氏の時事問題]
(1)で見てきた通り、堀江は渡辺や宮内ら既存の球団経営者たちを「老害」だと批判し、自分なら球界を改革できると主張してきた。それをまとめると、以下のような図式となる。 「球界改革」派:堀江、プロ野球選手会(古田敦也ら)、ジャーナリスト(玉木正之、二宮清純ら)、ファン 「老害」経営者:渡辺、宮内、三木谷、堤義明(西武ライオンズ前オーナー)、根来泰周(コミッショナー) 当時のマスコミの報道はこの図式に基づくものがほとんどだっ�... [続きを読む]

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