最近の「名セリフ」
「時速60キロ制限の道を67~68キロで走ってもまあいいか」、1月27日の記者会見で語ったのは東横インの西田憲正社長の発言、こういうのを「引かれ者の小唄」というのか、「盗人にも三分の利」というのか、人間色々理屈はあるものです。
東横インは全国120のビジネスホテルを展開するホテルチェーンですが、現在までに判明しているだけで8府県16店で、
①身体障害者用の客室を会議室に改造
②障害者用誘導ブロックを撤去
③駐車場の撤去
④当初の設計図のほかに完成後に改造予定の設計図も作製
⑤図面に記載されている「1級建築士」が設計業務には関与していない
の不正が見つかっています。
これらの不正がいずれも西田社長がトップダウンで指示していた疑いが濃いと見て、国交省は120店全てを調査するようです。
西田社長の感覚では、車の制限速度を数キロオーバーした程度のこととしか捕えていない。恐らくこの程度の不正はどこでもやっている、見つかったら運が悪かった、罰金を払えば良いさ、その程度の認識だったのでしょう。
それだけ建築に係わる不正は広範囲であり、日常化しているという事です。
速度制限をオーバーした車を時々捕まえるという行政では一向に問題は解決しない、速度をオーバーさせない仕組み作りを考えてゆかないと、いつまで経っても建設業界は「不正は続くよ どこまでも」から脱却できない、西田社長発言を無理やりそう解釈してみました。
もっともつい先程、西田社長自身からこの発言は不穏当であったとのお詫びがあったようですが、当然ですね。
「あのメディアの持ち上げ方は何ですか」、昨年の衆院選挙で自民党がライブドア堀江元社長を応援したことを指摘された小泉首相の一言、こちらは逆ギレとでも表現した方が良いのでしょう。
堀江氏の立候補宣言は自民党本部で行いましたし、選挙応援には武部幹事長、竹中大臣(金融担当大臣だったからシャレにならない)を始め大物が次々と駆けつけては「息子だ」「弟だ」と叫び、堀江氏自身も「比例区は公明党へ」と演説していて、実態は自民党候補でした。
小泉首相らのホリエモンに対する「熱烈的支持」の根底には、国民に対しホリエモンを「改革の成功者」のシンボルとする意図があったのだと思います。
「改革」により一握りの成功者と、大多数の不成功者が生まれるのですが、その成功者のイメージを植えつけるのには格好の人物だったわけです。
丁度宝くじを売るのに、当れば3億円と宣伝するようなものです。
メディアへの露出も、恐らく自民党側と電通などの広告代理店が組んで演出したものと思われます。
大半のマスコミはその戦略に踊らされ、連日「刺客」とホリエモンの映像をタレ流ししていました。
お陰で私たちは、「改革の成功者とその末路」を、実際に知ることが出来ました。
メディアは堀江容疑者タタキ、小泉首相への責任追求だけでなく、自らの罪状に対する反省が必要だろう、そう考えます。
「買い物に行って事故に遭う確率の方がよほど高い」、米国ベン農務次官が、米国産輸入牛肉に除去が義務づけられている脊柱が付いていた問題についてそう語りました。
一方ブッシュ大統領は、畜産業者の集会で「米国の牛肉が安全であることを日本に教える」と演説しています。
こちらは「盗人たけだけしい」とでも表現しましょうか。
彼等にとって、日本人の食の安全などということには全く関心が無いし、どうやら米国政府の辞書には「反省」という言葉が無いようですね。
たった一言の中に様々な真実が見えてくる、正に名セリフです。
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きょうになって明らかになった
「東横イン」の違法改造。
確認検査後に障害者用の駐車場や客室を撤去し
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半ば開き直った様....... [続きを読む]
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