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2006/03/05

「志らく百席」in横浜にぎわい座3/3

shiraku
人気落語家立川志らくが、古典落語の百席に挑む「志らく百席」も、今回で11回目になります。1回に3席の割合で演じていますので、今回で3分の1が終わる勘定になります。
古典落語と一口に言っても、滑稽噺から人情噺まで、前座噺から大ネタまでと幅広いジャンルが含まれています。
噺家にも二つのタイプがありまして、一つは先代の桂文楽に代表される、自分の得意のネタしかやらないタイプ、もう一つは三遊亭圓生に代表される、敢えて不得意なネタにまで挑戦するオールラウンドプレイヤータイプに別れます。
志らくは後者を目指しているのか、それとも百席全部を自家薬籠中のものとする意気込みなのか。

志らくの落語の特長は、テンポの良さと歯切れの良さです。兄弟弟子の立川談春に比べると、同じネタでも半分位の時間で演じてしまいます。従って威勢のいい江戸っ子が活躍するような、アップテンポの演目は得意ですが、しんみりと聞かせるような演目は難があります。
そういう意味でこの回のネタでいえば、「幇間腹」「妾馬」は期待できるが、「包丁」はどうかなと思っていましたが、出来はほぼ予想通りとなりました。

「幇間腹」、若旦那が凝っている針を腹に打たれえる幇間の噺ですが、志らくはテンポ良く演じていました。
ただこれは志らくに限らず、最近の落語家は本物の幇間を見たことがないせいでしょうか、どうも“らしく”ない。実物を見ているのは、亡くなった志ん朝あたりが最後の世代だったのかも知れません。

「妾馬」、妹が大名の側室となって世継ぎを産んで、その祝いに八五郎が大名に会いに出かけるというお馴染みのネタ、随所に志らくらしいクスグリを入れて楽しませてくれました。笑いの中に親子、兄妹の情愛に触れてホロリとさせられます。
しかし、八五郎。大家、大名、家臣の人物描写がやや平板で、私としては今一つでした。

「包丁」、枕で昔談志が独演会で予定していたが高座にのせられず、三遊亭圓生に代演を頼んだと言うエピソードを紹介していましたが、それだけ難しい演目です。
新しい愛人が出来た男が、女房である清元の師匠と別れるために、友人に師匠を口説かせるという噺です。
先般桂文珍の口演も聞きましたが、このネタの眼目は師匠の色気と、男の凄みです。名演として知られる三遊亭圓生にはそれがあり、文珍やこの度の志らくには欠けています。

出演は他に、頭の上でゴム手袋を膨らませたりしぼませたりする怪演を披露した「3バカヘッズ」(WAHAHA本舗)、ストローを使った流鏑馬は意表をつかれました。良い子は真似をしないように。

総じて今回の志らく百席は、期待を裏切らない反面、“想定の範囲内”の出来に留まっていました。

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