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2006/03/08

柳家花緑の「紺屋高尾」は最高でした

karoku
国立の「花形演芸会」は、ここのところとみに充実してきています。若手から中堅の落語家が腕を上げており、ベテランもうかうかしていられません。3月4日も内容のある会となりました。

ハナは立川志ら乃で「粗忽長屋」、立川流の有望な若手であり、2005年度NHK演芸大賞の受賞者で実力派の期待が高い。
一口に言えば、可も無く不可も無い平凡な出来で、技量はまだまだです。
古今亭菊朗は「兵庫舟」、二ツ目ですが既に真打の力があります。若手に似合わず、高座に落ち着きがあるのが良いですね。
最近ではあまり高座に掛からないネタですが、船中で講釈師が講談を語るところが聞かせ所ですが、菊朗の熱演に観客から大きな拍手が沸いていました。こうした若手が次々育っているところに、今の落語協会の層の厚さを感じます。

学ランに鉢巻といういでたちで、リズミカルにコントを繰り出すオオカミ少年、初見ですが楽しめました。
三遊亭円馬は「妾馬」、全盛の落語協会に比べ、近頃の落語芸術協会は全般に見劣りします。この花形演芸会も、落語協会の芸人が圧倒的多数を占めていて、芸協の円馬は孤軍奮闘の感があります。
この人の良さは何より噺が丁寧です。前日聞いた志らくの「妾馬」と比べて全体に落ち着きがあり、登場人物の演じ分けもしっかりとしていました。

仲入り後、ゲストの漫才昭和のいる・こいるが沸かせたあと、曲芸の鏡味仙三。扮装に凝り、踊りも入れて、客に見せる工夫をしている努力を買います。落語界同様に、曲芸などの色物の世界でも若手の進出が目覚しいのは喜ぶべきことです。

トリは柳家花緑で「紺屋高尾」、紺屋の職人が雲の上の存在である吉原の高尾太夫に惚れて一心に金を貯めて会いに行き、高尾もその一途な心に魅かれて夫婦になるという人情噺です。
花緑の凄さはこの噺に手を入れて、滑稽噺風に脚色して観客を楽しませつつ、肝心な所はシンミリとさせて、会場全体を引き込んでいったことです。
私の一つ置いた隣の席の女性客などは、もう手放しで泣いていました。
聴いていてジーンと感動する高座にお目に掛かるのは、年に1回あるかないかです。
花緑の高座も、「紺屋高尾」も、過去最高のものを見ることができました。

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コメント

home-9さま

当方のブログへのコメントありがとうございます。
これで今年度の花形は終了ということになるでしょうか?

賞がかかってもかかっていなくても、
滅多に感じることができない感動を味わえる高座に出会えるのは、この上ない幸せですね!

投稿: 築地の柳 | 2006/03/10 18:44

築地の柳様
コメント有難うございます。
同じ人情噺でも、「紺屋」は「文七」などとは異なり、ストーリーが劇的な盛り上がりに欠けます。
それだけに難しいネタですし、演者の力量が試されます。
やはり花緑はタダモノではありません。

投稿: home-9 | 2006/03/10 22:28

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