「アニキ」金本選手の世界記録
「アニキ」の名でファンに親しまれている、阪神タイガースの金本知憲(かねもとともあき)選手が、4月9日の横浜伝戦で、連続試合フルイニング出場を904試合に伸ばし、世界新記録を達成しました。
これまでの記録は、米大リーグのカル・リプケン内野手が1982年~87年に作った903試合です。大リーグとは同じ条件で比較できないものの、前人未到の大記録であることは間違いありません。
野球選手にとって、約7年間1日も休まず、連続して試合に出るだけでも大変なことですが、金本選手の場合は全イニングに出ているわけですから、これはもう超人的としか言いようがない。
記録達成には不可欠な要素がいくつかあります。
先ずレギュラーとしての実力があること、極端な好不調の波がないこと、打つだけではなく守りも良いこと(試合途中から守備要員と交代されない)、足が速いこと(代走をだされない)、これらが先ず必要です。
加えて病気や怪我をしないこと、そしてもし怪我をしても、痛みに耐えて試合に出る不屈の精神があることが要件です。
今回の大記録にとって最も大きなピンチは、2004年7月に死球で左手首を骨折した時でした。金本はその時も一日も休まず、右手1本で打撃を行い、骨折した左手にグローブをはめて守備につきました。どうやってボールを捕るかと聞かれると、金本は腹で捕ると答えたそうです。
金本選手は1992年に広島カープに入団しましたが、身体は決して大きい方ではなく、体力に恵まれていたわけではありません。それを筋力トレーニングによって鍛え、怪我をしない、又怪我に強い身体に作り変えていきました。
そうして広島カープの中心選手となり、FA移籍後2003年のシーズンから阪神の選手として活躍しています。プロデビュー戦も、大記録のスタートとなった試合も、相手は阪神タイガースでしたから、元々阪神とは運命的な出会いがあったのでしょう。
阪神といえば、金本に破られるまでの日本記録(700試合)は、元阪神の三宅内野手が持っていました。三宅は名三塁手で、当時吉田遊撃手(元監督)と鉄壁の三遊間を形成して活躍していました。不幸なことに、練習中ボールを目に受けて選手生命を絶たれてしまい、記録も途絶えてしまったのですが、金本選手が後を立派に受け継ぎました。
広島カープにはもう一人鉄人がいました。17年間にわたり2215試合に連続出場した衣笠選手です。
プロ野球の鉄人が二人とも広島カープ出身であるのは、偶然ではないのかも知れません。
長期に亘って自己を律するというのは、大変な精神力です。金本の場合既に38歳で、引退してもおかしくない年齢です。その中にあって、依然として中心選手として活躍する「アニキ」金本の姿に、多くの中高年の人々が励まされるでしょう。若い人たちには、「継続は力なり」を身をもって示してくれたと思います。
オリンピックの金メダルとは、また別の価値のある大記録です。コイズミさんも良く聞いておいて下さいよ。
これからも金本選手には活躍を続けてもらい、阪神タイガースの連覇達成という悲願も、是非実現して欲しいと思います。
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