見苦しい「日銀福井総裁」の言い逃れ
日銀福井総裁という人は、頭が鈍いのか、厚かましいのか、どうも理解できません。6月15日の参院予算委員会で、「村上ファンド」に1000万円を拠出していた問題について、「今回、世間をお騒がせして、申し訳ありませんでした」と陳謝しました。
世間ウンヌンじゃあないでしょう、日銀総裁として、特定の私募ファンドに投資し、しかもアドバイザーまでつとめていたという責任が問われているのであって、この人は一体日銀総裁という職責をどう考えているのでしょうか。
村上ファンドへの解約申し入れ時期について、13日の委員会質疑ではぼやかしていましたが、15日には次のように述べています。
「最近にいたればいたるほど、村上氏の行動が、当初の志に沿ったものかどうか、必ずしも確信が持てない」として、「今年2月に解約を申し出た」。
この2月というのは、1月のライブドアへ強制捜査が行われ、次は村上ファンドだという情報が、金融当局に入ったと思われる時期です。
捜査情報を得た福井総裁が、解約を申し出たと考えるのが、自然というものでしょう。
ファンドへの拠出により福井総裁は、13日の委員会では「利益は出ているので、分離申告して納税している。巨額にもうかっている感じはない。」と答えていました。
日銀も、「ルールに基づき、適正に報告されている」との見解を発表していました。
しかし15日の審議では一転、「損得勘定は分からない」と答弁を変えています。
やましい事がないなら、なぜ答弁を変える必要があるのか、疑問が湧きます。
収益金の使い道について福井総裁は、「最終的に利益が残るのであれば、私自身の利益のために使うのではなく、国民がどのような角度から見ても、納得できる使い道に使いたい」と説明しました。
多分寄付金にでもするという意味なのでしょうが、これもおかしい。
正当な収益であれば、堂々と受け取れば良い。やましいお金であれば、寄付してもやましいことに変わりはない。
私は、福井総裁が村上ファンドに投資したことを問題にしているわけではありません。
日銀総裁には経済と金融に関する全ての情報が集まります。
そうした立場の人間は、ある特定の株式やファンドに投資してはいけないのです。
村上世彰は、自らのファンドに福井総裁が資金を出していたことをセールストークに活用し、顧客の信用を得るのに利用していたそうですが、ご本人の思惑とは別に、広告塔として利用される結果になっています。
前回の記事でも触れましたが、投資時期が民間人であったというのは通用しません。
たまたま日銀の副総裁と総裁就任の間にあった時期であり、純粋な民間人だったというのは強弁に過ぎない。
日銀が定めた「日本銀行員の心得」には、「過去の職歴や現在の職務上の立場等に照らし、世間からいささかかなりとも疑念を抱かれることが予想される場合、個人的利殖行為は慎まなければならない」とあります。
福井総裁は、組織の最高責任者としてこの行動規範に照らし、自らの進退を決する時期に来ていると思います。
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