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2006/07/05

公務員の政治的中立を損なっているのは誰?

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昨日広島市の小学生女児殺人事件の判決が出ましたが、予想通り無期懲役でした。過去の判例を見ても、この事件では死刑にはなりません。
このままでは、今後裁判が行われる秋田の小学1年生殺害事件、あるいは大学生ら二人が生き埋めにされた岡山の殺人事件も、恐らく死刑にはならないでしょう。
殺人事件で殺される人は年間1000名を遥かに越えますが、その一方死刑になるのは数名です。死刑制度はあるが、その適用には極めて慎重というのが、日本の司法の姿勢です。さほどに我が国では、余程の凶悪事件でない限りは、死刑判決は出されません。
今後は過去の判例にとらわれず、より厳しい刑の適用が求められていると思います。

さて今回の記事は以前に予定していたのですが、7月3日に朝日新聞の社説でとり上げられて掲載を迷っていましたが、予定通りエントリーします。
公務員は中立的な立場を保つため、所定の政治的行為が禁止されています(国家公務員法第102条、人事院規則14-7、地方公務員法第36条)。
6月29日東京地裁で、2003年に政党の機関紙を配布したとの理由から、当時厚生労働省職員であった男性に、罰金10万円、執行猶予2年の有罪判決を言い渡しました。

今回の判決は、1974年の猿払(さるふつ)事件における最高裁判決を踏襲したものです。この事件は、北海道猿払村の郵便局職員が、選挙ポスターを公営掲示板に貼ったり配布したりしたもので、一、二審は無罪でしたが、最高裁で逆転有罪となったものです。

郵便局員の政治活動といえば、直ちに思い浮かぶのは、つい最近まで行われていた全国特定郵便局長会(全特) が「大樹の会」を通じた組織的選挙運動です。
約2万名の局長が、勤務時間中でも公然と選挙活動を行い、しかも選挙資金や活動資金は国から(つまりは郵便貯金から)支給されていた手当てが流用されていました。
しかしながら、こうした事が数十年間、公然と行われていたにも拘らず、公務員法違反で捕まった人は誰もいないし、有罪になった者もいない。

又高級官僚が選挙に立候補すると、出身省庁をあげて組織的に応援するのは通例であるし、地方の首長選挙で、現職や特定の候補者を地方自治体職員が組織的の支援するのは、よく見かける構図です。
しかし私の知る限りでは、先の公務員法違反で有罪になった例は無いと思います。

なぜ官僚達の選挙活動や首長選挙で、中央官庁や地方自治体職員が資金集めや集票を行うことは黙認され、今回の事件や猿払事件のような枝葉末節とも思えるようなことが裁かれるのか、その理由はただ一つでしょう。
片や自民党への選挙運動は黙認される反面、後者のような社会党(当時)や共産党への応援のみが裁かれる、これが真相であり、今回判決の問題点でもあります。
私は公務員の政治的行為を禁止する法律の本来の趣旨は、公務員が自らの地位を利用して政治活動を禁ずるということに主眼があるのだと思います。
公務員が休日に政党の機関紙を配ることが、行政の中立性を損なうとは考え難い。

同じ事を行っても体制側の違法は黙認し、反対勢力の行為のみ罰するのは、民主主義でなくてファッシズムに通じます。
警察、検察、司法にこそ、政治的中立を求めたいと思います。

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