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2006/07/02

新宿末広亭6月下席昼夜ぶち抜き

Kosanji
他の寄席と違って末広亭は、特別興行を除いては昼夜の入れ替えがありません。その気になれば昼の部の開演12時から、夜の部の終了する午後9時まで、9時間ぶっ続けで演芸を楽しむことが出来ます。
私の場合は桟敷席に座りますので、寄り掛かる所も無く9時間は、それなりに辛抱が要ります。そこで勝手にマラソン寄席と名付けていますが、6月24日そのマラソン寄席に久々の挑戦です。
昼の部には団体客が入り、夜は小三治がトリを取るということで、昼夜共に大入り満員の盛況でした。

当日は落語協会の若手からベテランまで、ずらり顔を揃えた賑やかな高座となりました。出演者36名(組)全部を紹介できませんので、目に付いたところから、先ず昼の部。
三遊亭時松「反対俥」。二ツ目昇進したての意気の良さが伝わる高座でした。
古今亭志ん輔は夏らしく「たがや」。大川の花火大会の頃の江戸情緒が良く出ていました。志ん輔は着実に力をつけて来ています。
柳家喜多八は得意の「代書屋」。喜多八の一見力が入らない芸風が、この噺の登場人物と重なり、独特の可笑しさが滲み出ています。
金原亭馬生は「紙入れ」。いつ見ても立ち振る舞いの綺麗な噺家です。際どい噺ですが品を落とさず、間男しているお上さんに色気がありました。
五街道雲助は「子ほめ」。典型的な前座噺ですが、こういうネタを真打が演るのは意外と難しいものです。雲助はさすが年季の入った芸で、新人の良いお手本になる出来映えでした。
昼の部のトリは金原亭伯楽で「火炎太鼓」。志ん生以来の古今亭一門の芸を受け継いだ正統派の芸を見せてくれました。

夜の部。
鈴々舎馬るこ「寿限無」。意表を衝いた韓流「寿限無」は、場内の大爆笑を誘っていました。
柳家三三(さんざ)は「しの字嫌い」。三三は古典落語で近頃演じ手が少なくなったネタを選んで、丹念に演じるのがとても好感が持てます。今若手の中では最も期待される噺家と言えるでしょう。
桃月庵白酒(はくしゅ)は「宗論」。この噺は古典で、元々は仏教の宗派同士の争いを題材にしていたのですが、明治になって浄土真宗とキリスト教の論争に改作されました。
しかしキリスト教の描き方が、現在では相当時代錯誤になっています。白酒は思い切ってキリスト教の代わりに、世間でいう怪しげな宗教に変えて、独特の可笑しさを出していました。この改作は十分成功したと思います。白酒は見る度に面白くなっています。
古今亭志ん五は「浮世床」。この人は独特のトボケタ可笑しさを持っている。
そして夜の部のトリはお目当ての柳家小三治で「野晒し」。元々は陰気な噺を、三代目春風亭柳好が陽気な滑稽噺に作り変えたもので、現在演じられているものは全て柳好の型を踏襲しています。
小三治の「野晒し」は、演者のとぼけた味と柳好の明るさをミックスしたような、素晴らしい高座でした。
ここ最近聴いた中では出色の出来映えで、小三治の貫禄を示しました。

末広亭は出演者が多い関係で、一人当たりの持ち時間が短いという憾みがありますが、若手、中堅、ベテランが各々持ち味を出し合って、充実した高座を作っていました。
さん喬一門や林家一門抜きでも、これだけの顔ぶれになる辺りが、現在の落語協会の充実ぶりを示しています。

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寄席・落語」カテゴリの記事

コメント

TBありがとうございます
ワタクシも「マラソン寄席」に挑戦したいものです。

投稿: 大文字彦左衛門 | 2006/07/02 20:00

大文字彦左衛門様
コメント有難うございます。
末広亭の入場料を9時間で割ると、時間300円です。しかも全部ライブです。今時これほど安い所は他にありません。
椅子席に座れば楽なのは分かっているのですが、やはり桟敷に拘ってしまいます。

投稿: home-9 | 2006/07/03 08:51

こんにちは。同日、私も末広亭でマラソン寄席してました!出てくる噺家&芸人さんどなたも面白く、当たり日でした。
志ん輔「たがや」、権太楼「豪華客船クルーズの漫談」、馬るこ「韓流寿限無」、白酒「宗論」あたりが印象に残ってます。
ブログ更新楽しみにしてます。

投稿: わさび | 2006/07/06 12:05

わさび様
コメント有難うございます。
いやいやその節はお疲れ様でした。確かにあの日は”当り”でしたね。9時間殆どダレルこともなく、力の籠った高座が続きました。
やっぱり寄席はいいですねえ。
又こちらへも遊びにいらして下さい。

投稿: home-9 | 2006/07/06 22:56

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