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2006/09/12

「ニセ有栖川宮」事件の闇

Arisugawa1_1かなりの年配者ならご存知でしょうが、明治後期から昭和初期にかけて人気があった葦原金次郎という人がいました。自らを将軍、晩年には天皇であると信じて、葦原将軍葦原天皇を自称した人物です。統合失調症患者で、人生の大半を松沢病院で過ごしました。
周りの囚人や看守をみんな家来扱いし、記者会見を開いて「勅語」を発表するなど奇行を繰り返しましたが、なぜか国民的人気が高かったそうです。
こういう人物ならご愛嬌で済みますが、こちらの事件はそうはいきません。

一時世間を騒がした「ニセ有栖川宮」事件、9月11日東京地裁で判決が行われ、北野康行と坂本晴美両被告に対し、詐欺罪として懲役2年2月を言い渡しました。
公判でも本人達は自分は皇族であり詐欺ではない、これからも有栖川宮を名乗ると主張したため、実刑となったようです。判決ではこの点を、「北野被告の供述は旧宮家をかたるための荒唐無稽な作り話であるのは明らか」として、ばっさりと切り捨てています。

当初は被害額もたいしたことないし、騙した方も騙された方も冗談半分、ことさら大騒ぎするような事件ではないと思っていたのですが、調べていくうちに、そうでも無いかと思い始めてきました。
被告の北野康行は、自身が設立した「有栖川宮記念」という政治団体の総裁「有栖川識仁」として活動していましたが、同時に「日本青年社」の名誉総裁でした(ただし逮捕前に退任)。
「日本青年社」といえば、泣く子も黙る広域暴力団・住吉会が作った右翼団体で、日本最大の構成員を誇ります。
しかし、こうした事実を報道したマスコミは皆無であったようです。

小泉総理が靖国参拝をした8月15日、加藤紘一自民党元幹事長の実家兼事務所が全焼した事件で、堀米正広容疑者が逮捕されました。
堀米は、東京都内の右翼団体「忠孝塾愛国連盟」の常任参与でしたが、「忠孝塾愛国連盟」というのは「日本青年社」系列の政治結社だそうです。
私の知る限り、このことを報道したマスコミはありません。
マスコミだけではありません。この放火事件について政府の反応が鈍かったこと、警察がいち早く個人的な犯行であり背後関係が無いと断定したのも、奇妙な印象を持ちました。

もう一つ住吉会の関係で忘れてならないのは、北朝鮮との関係です。
1998年8月、住吉会系暴力団の組長らが、日本漁船を使って北朝鮮籍の船と東シナ海上で接触し、覚せい剤300キログラムを密輸入しようとしました。暴力団側は覚せい剤を受け取ったものの、海上保安庁などの追跡に気づいて高知県沖で海に投棄しています。
これは当時の扇千景国土交通相が、記者会見で明らか にしています。

「ニセ有栖川宮」「加藤氏自宅放火」「北朝鮮麻薬密輸」、一見何の関係もないように見える事件ですが、住吉会=「日本青年社」という共通項で結ばれています。

更にこの先には総裁選の・・・、
まあ、ここいらでヤメテおきましょう。
ただこの背後関係は面白いけど恐ろしい、「オモオソ」の世界が控えていそうです。
近頃流行りの表現でいえば、しばらくは目が離せませんね。

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コメント

忠孝塾愛国連盟は、日本青年社とは関係のない他団体です。あまりに、適当な事を書き込まぬように。

通りすがり様
コメント有難うございます。
ご指摘のように、忠孝塾愛国連盟と日本青年社とは別組織です。
一方堀米容疑者が所属していた大日本同胞社が「忠孝塾愛国連盟」の加盟団体であり、住吉会系・住吉一家音羽七代目の系列であるという指摘もなされています。(http://prideofjapan.blog10.fc2.com/blog-entry-489.html)
両者の関係についてはもう少し研究させてください。
この関係の情報、今後色々ご教示願えれば幸いです。

天皇制は廃止すべきだと思います。なぜなら天皇制は日本国憲法のほかの条文と矛盾している点がたくさんあります。天皇が世襲制であることは、平等原理に反しています。天皇は皇居、皇族は元赤坂に住むことが定められており、職業選択の自由、居住および転居の自由が保障されていません。天皇・皇族には選挙権もありません。このような立場の人間が特定の家に代々受け継がれるのはあまりにもかわいそうです。皇族は公人になるか、私人になるかを選ぶ権利もなく、いやおうなしに公人として生きていくことを強いられています。端的にいえば、皇室には人権がなく、天皇制は非人道的な制度です。

天皇が日本国および日本国民統合の象徴とされているが、「象徴」ということもあって右翼などが愛国心高揚などのために天皇が政治的に利用しようとする可能性もあります。また、2chでの皇太子殺害予告は、社会への不満が日本社会の象徴としての「皇室」に向かっているものだと言えます。この事件は一種のテロで、皇室はテロの標的にもなりやすい存在で、はっきりいってかわいそうです。

今年ネパールは王制が廃止され、連邦共和制に移行されることが決まりました。日本も共和制に移行すべきではないでしょうか。

グリム伊藤公雄様
エントリーとは少々離れたご意見かと思われますが、寄稿有難うございます。
一般論でいえばいかなる社会制度も永久的なものは無いし、世界的に見ても王制は最早少数派です。日本の天皇制もいずれは廃止になる可能性はあるでしょう。
ただその切っ掛けはというと、通常は戦争や社会の大きな改革の時になります。我が国でいえば、先の大戦の敗戦時でした。しかし権限は大幅に圧縮されたとは言え、天皇制は残されました。この先、あれほどのドラスチックな社会変化が日本に起きるかどかは、疑問です。
もう一つ、我が国には解決すべき政治課題が山積しており、その中で天皇制が緊急の課題になるとは思えません。
仮に制度が行き詰るとしたら、皇室内部の問題が解決不能になった時ではないでしょうか。例えば重要な皇族の皇籍離脱が起きるとか。
そういう意味では私見ですが、これから天皇制を崩すのは左翼ではなく、むしろ右翼勢力ではなかろうかと推察しています。
この点は長くなるので、いずれ別の機会に記事にしたいと考えています。

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