第4回夕刊フジ平成特選寄席
若手の人気落語家が中心のこの落語会、9月8日の今回も華やかな顔ぶれとなりました。最近女性ファンが目立つ寄席ですが、会場が赤坂というせいなのか、この会は特に女性比率が高く感じます。
開口一番は立川志らべ、志らく門下の前座ですが、「牛ほめ」をしっかりと。いつも感じるのは立川流の前座はレベルが高い。
この一門は高学歴でも知られていますが、近頃の入門者は大半が大学出、それも国立や早大など一流大学が増えているのだそうです。
そのうち東大を出ないと落語家になれない時代が来るでしょうな。そうなると楽屋とは言わず、「学屋」と呼んだりして。
で、総理大臣になるには成蹊大学、何だかワケ分かりませんね。
立川笑志は「壷算」。
会場で貰った案内によれば今回がネタ下ろしだそうですが、上出来です。
師匠談志の芸風を継ぐ芸人が多い一門の中で、この人あまり家元の影響を受けていない。芸風はむしろ柳家権太楼に近いと感じました。
笑志は、独演会をやれば満員になるという、「偉大なる二ツ目」です。
唄が下手で、入門して18年間、未だに立川流の真打昇進試験に落ち続けていますが、噺の実力はどうして十分真打をクリアーしています。
落ちるのは仕方がない、だって「落伍家」なんだから。
柳家花緑で「目黒のさんま」。
マクラ20分本題10分というところでしょうか、時間が長すぎてややマクラが間延び気味。
ネタの方は、ふんだんにギャグを入れて面白く聴かせてくれました。
花緑は滑稽噺より人情噺が向いていると思います。「紺屋高尾」など実に良い。この点では祖父小さんとは芸風が随分と違います。
仲入り後は、林家彦いちの新作「青畳の女」。
頭から終わりまでハイテンションでぶっ飛ばす彦いちの芸風は、すっかりお馴染となりました。
この日は女子柔道を題材にした新作ですが、座布団を抱えて高座で巴投げを披露、体育会系の彦いちの面目躍如というところです。
この人の高座を見ていると、こっちまで肩に力が入ってきます。
トリは立川志らくで「宿屋の仇討」。
言い間違いややや粗っぽい点が気になりましたが、勢いに任せて一気呵成にまくし立てて、あっという間に終わりました。
江戸っ子の描写はさすがですが、隣室の侍はもう少し風格が欲しい。
この会は毎回、旬の噺家の聴き比べが出来て楽しめます。
でも次回12月8日は都合が悪く、見に来られません。
喬太郎と菊之丞が出るのに、残念!
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