フォト
2024年12月
1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30 31        
無料ブログはココログ

« 「石原慎太郎」その存在の耐えられぬ軽さ | トップページ | 「ライブドア裁判」に見る検察の腰砕け »

2006/09/05

柳亭市馬の会with立川談志@横浜にぎわい座

Danshi
中堅落語家としてメキメキ頭角を現している柳亭市馬の会、今回は「落語と昭和歌謡ショー」と題して、ゲストに家元こと立川談志を招いての落語会が、9月2日横浜にぎわい座で行われた。
談志が一門の噺家以外にゲストで出るのも珍しければ、落語をやるのも尚珍しい。
1ヶ月前に予約した時点では席がガラガラで不思議に思っていたが、さすが当日は大入り満員、半分はナマ家元目当てと推量。

市馬は古典一筋で、端正な高座が特長。私は噺は勿論だが、この人の高座に上がり下りする時の歩く姿のファンである。
それと普段寄席に出ている時に絶対に手抜きしない。出来の悪い市馬を見た事が無い。当たり前のようでいて、実際には難しいことだ。
歌謡曲(懐メロ)が得意で、最近ではTVの歌番組に出演しているほどだ。
さすが定席では唄はやらないが、独演会では大喜利代わりに歌のコーナーを設けているようだ。

先ずハナは市馬で「高砂や」、オハコである。現役の落語家で「高砂や」をやらしたら市馬の右に出る者はいないだろう。ゆったりとした間が、この噺によく合っている。
マクラで市馬は「今日は人生最良の日」「死んでもいいと思った」と言っていたが、談志のゲスト出演が余程嬉しかったのだろう。
共に柳家小さん門下とはいえ、談志は雲の上の存在だろうから。

続いてお待ちかね家元の登場で、艶笑噺の「短命」。
第一印象は「衰えたな」であった。出だしの2-3分間は、聞き取れない箇所があった。
無理もない。かつての四天王といわれた噺家の中、既に柳朝、志ん朝は鬼籍に入り、圓楽はリハビリ中、健在なのは談志ただ一人になってしまった。
それでもさすがである、次第に立ち直り観客を談志の世界に引き込んでいた。

市馬の「歌謡ショー」、声の良さを活かして、戦前から戦後にかけて流行った歌謡曲を熱唱。なかなかの美声で声量もたっぷり。
歌もともかく、談志の曲目解説が面白かった。
つくづく感じたのは、長い間第一線で活躍する芸人というのは、客への気配り、サービス精神が旺盛だということ。
それとこの日の家元は、実に楽し躁(そう)だった。
市馬とは初共演だが、余程“馬”が合ったのだろう。
軍国歌謡の「建設の歌」が終わると、談志が突然マイクを握り、「満州を返せ。元々はこっちのもんだ。大体あいつら生意気だ。」と吼えた。座興半分、本気半分というところか。
自身いつ死んでもと言ってたけど、あの元気があるうちは、当分あの世に行くことはなさそうだ。

仲入り後は、市馬で「寝床」。
名人文楽の形をなぞった丁寧な演出で、大変結構でした。
欲をいえば、是非義太夫を聴きたいと迫られた旦那が、「みんなも好きだねえ」という時に、もっと腹の底から笑いが込み上げるように演じてほしい。
その方が、面白うてやがて哀しきこの旦那への心情が、よりくっきりとさせられたと思う。

ともかく私を含めてこの夜の客は、何より談志の健在ぶりを見て満足した人が多かったと思われる。

« 「石原慎太郎」その存在の耐えられぬ軽さ | トップページ | 「ライブドア裁判」に見る検察の腰砕け »

寄席・落語」カテゴリの記事

コメント

落語いいですね~

寄席には行ったことはないのですが
いずれ機会があったら
足を運びたいと常々思っています。

(近頃の吉本芸人?連中のはびこるお笑い番組は
一切観ませんが)

おぅんごぉる様
コメント有難うございます。
是非一度寄席に足を運んでください。
寄席も落語も、世界で日本にしかない芸能だそうです。国際化が進む中で、寄席を愛する人が増えているのは大変喜ばしいことだと思っています。

コメントを書く

コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 柳亭市馬の会with立川談志@横浜にぎわい座:

« 「石原慎太郎」その存在の耐えられぬ軽さ | トップページ | 「ライブドア裁判」に見る検察の腰砕け »