「柳家小せん」の逝去を悼む
留守中の訃報だったので最近知ったばかりですが、10月10日現役最高齢の落語家、柳家小せんが亡くなりました。83歳でした。
5代目柳家小さんの一番弟子として永らく活躍されていました。
若手のころ、当時人気のTV番組であった「お笑いタッグマッチ」(「笑点」のような番組)のレギュラーとして人気がありました。
「女房のケメ子」のギャグが大当たりし、ケメ子の唄が出来たほどです。
古典一筋の噺家でしたが、ちょっとアクの強いクセがある芸で、私は当時あまり好きになれなかった。
後年大病を患い、たまたま復帰間もない高座を見たのですが、小せんが出てくると客席からどよめきとも嘆息ともつかない空気が流れたことを覚えています。
理由はすっかり激ヤセして顔も小さくなってしまい、大袈裟にいうと割り箸のような体形になっていました。少しヨロヨロという感じで座布団に座りました。でも声の張りこそ衰えたものの、しっかりと一席を伺い場内の大きな拍手を受けていました。
私はどちらかといえば、寧ろ晩年の小せんのファンになりました。
若い頃のクセが無くなり、飄々とした枯れた芸風に変わっていたからです。
その後幾度となく高座を聴きに行っていました。
2004年まで現役最年長の落語家として、つまり81歳まで高座に上がっていたことになります。
先代小さんに入門した柳家小せんが、当代小さんの襲名を見届けるように亡くなったわけです。
ご冥福をお祈りします。
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