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2006/10/31

加速化する中国国内の歪み

Littleemperor安倍総理の訪中から、ここの所「反中国ブログ」が今一つ元気がないご様子。やはり親分の姿勢が変わったことで、気勢がそがれているのでしょうか。

ご存知の通り、1970年代末から中国はいわゆる「一人っ子政策」(正確には「計画出産」という)を進めてきました。
1950-60年代にかけて毛沢東が、人口の多いことが兵力増強につながると、「生めよ殖やせよ」とばかり出産を奨励した結果(我が国でも同様の理由で1941年に「生めよ殖やせよ」が閣議決定された)、人口爆発を起こした反動として採用されたわけです。
人口抑制には有効だとしても、人間の生殖活動を法律で規制するということは土台ムチャな話しです。

当初は都市部では厳しく、農村部では大目に見ていたのですが、1990年代の後半からは農村部でも「一人っ子政策」が厳密に適用されるようになりました。
その結果、無理な堕胎が横行する一方、農村での労働力確保のために妊娠時に性別検査を行い、男子を優先出産するという弊害が生まれています。
一人っ子で甘やかされるために、自分勝手で我が儘な「小皇帝」(石原慎太郎の事ではないですよ)に育ってしまうという問題もあります。

更に悲惨なのは、出産したものの出生届が出せず、戸籍が無いいわゆる「闇っ子」(「黒孩子(ヘイハイズ)」と呼ばれる)にされてしまうという問題です。こういう子供たちは教育や医療などのサービスが一切受けらない。
それでなくても中国の義務教育とは名ばかりで有料なため、貧しい農村では学校に通えない子供が多いのです。
勿論まともな就職もできないので、都会に出て行ってストリートチルドレンやホームレスになるか、あるいは闇の世界に流れてゆきます。
更に周辺国に不法入国し、犯罪に手を染めることにもなります。
「一人っ子政策」は、推定で3000-4000万人という膨大な無国籍の人間を生んでしまいました。

余りに矛盾が大きくなったため、中国政府は少しずつ政策の手直しを迫られています。
先般、小さな子供を3人連れて若夫婦を見かけたので理由を聞いたところ、罰金を払えば済むのだそうです。二人目はおよそ100万円、三人目は1千万円近い金額だと云っておりました。どちらにしても、中国の所得水準からすれば、桁外れの大金です。
お金さえあれば複数の子供を持てるという、実に不公平な社会になっているわけです。

この10月に中国を訪問した時に初めて耳にしたのが、もう一つの手直し政策です。
現地ガイドは夫婦が博士同士との説明でしたが、ネットで調べると外資系や一流企業の社員や医者など若手エリート層の夫婦を対象に、二人目の出産を認めるようになったということです。
先の罰金制度と併せれば、優秀か又は金持ちの親は子供が二人でも三人でも持てるけど、そうじゃない親は子供が一人しか作れない、早く言えばこういう制度ですね。

これじゃあ、優秀な性質も持つ人間を選択的に殖やすとした、かの悪名高いナチスの優性思想と何ら変わりがありません。
中国政府は人口抑制の名の下に、極めて非人間的な行為をしていると言わざるを得ない。
こうした政策が永続きするとは思えません。

「新しい革袋に新しい酒を」とは、聖書のマタイ福音書の中の言葉です。
中国は1978年に鄧小平の指導の下で、経済を改革開放政策に大きく舵を切り替えました。
実態は経済成長第一主義の「原始資本主義」です。
その結果、都市と農村の収入格差は、実に30倍にも拡がってしまいました。
一方政治体制は古い革袋である旧制度をそのまま残したので、注がれてくる新しい酒に耐えられず、あちらこちらに綻びが目立ってきます。政府はその「ツギ当て」に追われているというのが現状です。

中国では言論の自由が無いとか、政府への批判が出来ないという意見をよく聞きますが、それは不正確です。
現地で中国人と話すと、官僚の不正・腐敗と経済格差の拡大(日本も似てますが)について、しばしば現政権に対する厳しい批判を耳にします。この点は救いですね。

中国の現状は、もはやこれ以上新しい酒を注ぐのを止めるのか、さもなくば新しい革袋と取り替えるか、そういう臨界が近づいているように思えます。

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