フォト
2023年6月
        1 2 3
4 5 6 7 8 9 10
11 12 13 14 15 16 17
18 19 20 21 22 23 24
25 26 27 28 29 30  
無料ブログはココログ

« 2006年10月 | トップページ | 2006年12月 »

2006/11/29

タウンミーティングは「電通」向けの公共事業

Abeakieロシアのスパイと掛けて小泉チルドレンと解く、そのココロはどちらも英語で“pear”(“洋梨”)。つまりどちらも用無しです。
用が無くなれば使い捨て。
それにしても自民党に復党した連中の記者会見を聞いていたら、「郵政民営化法案には反対したが、郵政民営化に反対と言ったことはない」だと、ナンダそりゃ、ワケ分からん。
郵政解散選挙は、今となってサル芝居。
怒れ、選挙民!

さてタウンミーティング(TM)でのヤラセ発言が問題となっていますが、実はTMそれ自体がヤラセだったのではないでしょうか。
小泉内閣が発足した2001年に、日本国民の声を聞くと称してTMが始まりました。しかし国民の声を聞くどころか、関係者に金を渡してヤラセ質問させていたのはご存知の通りです。
私は当初から国民の声を聞くというのは口実であって、TMの目的は別にあったと考えています。
ではその目的は何だったかといいますと、一口にいえば政府のマスコミ対策です。マスコミに睨みが利く電通などの大手広告代理店への利益供与、これこそが最大の目的だったと思われます。
新手の公共事業です。

タウンミーティングが始まった2001年度に48回のTMが行われ、総費用は9億4000万円ですが、全て電通に発注しています。随意契約という名の、電通一社ご指名です。
この年の1回当たりかかった費用は約2000千万円でした。
あまりに露骨な電通への肩入れに気が引けたのか、政府は2002年度からは一般競争入札にしましたが、途端に1回当たりの費用は960万円と半分以下となります。
この差額を単純に計算すると、2001年度だけで国民の税金からおよそ5億円が、電通に余分に支払われた勘定になります。
安倍総理夫人の昭恵サマには、心よりオヨロコビ申し上げます。

因みに長野県が田中知事当時、同様の催しを行っていますが、1回当たりの費用は30万円でした。田中前知事は、どうしてそんなに費用がかかるのか教えて欲しいと言っておりました。

2002年以降の費用もデタラメで、例えば2004年11月に行われた大分でのタウンミーティングでは300人の会場に107人の係員を配備してことになっているそうです。これが本当なら、係員とサクラだけで会場は満員になったでしょう。
水増しでしょうね。

かくして広告代理店に湯水のごとく金を払った結果、TM参加者一人あたり、いくらぐらい費用がかかったのでしょうか。
那覇市で2005年10月に開催したTMでは一人当たり6万7000円、宮崎市で今年3月に開いたTMでは一人当たり5万6000円かかっているのだそうです。
高級料亭の宴会じゃあるまいし、そんなに多額の費用がかかる筈はありません。
五木ひろしの歌謡ショーだって、一人6千円くらいですからね。
実際にかかった費用は10分の1くらい、残りの9割は広告代理店の取り分という辺りが実態ではないでしょうか。

なお2004年以降は、朝日広告社が独占していますが、この会社いわずと知れた朝日新聞の子会社です。勿論、ウラで電通など他の大手と談合している疑いが濃厚ですけど。
これからは朝日新聞もどんどん政府寄りになってゆくのでしょうね。

もっとも、全額がそのまま広告代理店のフトコロに入ったわけではないと思いますよ。
一部は地元マスコミ対策費用に(早く言えば金を配った)、一部は地元関係者への謝礼や盛大な打ち上げパーティーに使われたことでしょう。

タウンミーティングによるこうした無駄使いは、たまたまヤラセ問題が明らかになったので表面化しましたが、そうでなければ闇から闇に処理されていた筈です。
今後こうした民間企業を使った不正な支出に、目を光らせていく必要があります。

小泉劇場は、マスコミによって作り上げられました。その演出者は大手広告代理店です。
かつては土建業が自民党を支えていましたが、今はマスコミです。
タウンミーティングなどという聞こえの良い名前を借りて、実際にはマスコミ対策費用として、広告代理店を通じて多額の税金をバラマイタというのが真相だと思います。

2006/11/28

「ダメ男」「萎え女」ランキング

Yukari“Ranking Japan”というサイトがありますが、読者アンケートによるちょっと面白いランキングが掲載されていました。
男から見て萎える女性と、女性から見てダメな男の、それぞれのベスト10を、私の短いコメントを添えて紹介します。

先ずは、男から見た女性の「萎え姿ランキング」。
①鼻からタバコの煙を出したり、くわえタバコをする
顔を会わせたとたん、バンと机の上にタバコの箱とライターを置かれると、
確かに戦意喪失デス。
②オフィス中に漂うぐらい、匂いの強い香水をつけている
電車や劇場などの閉じた空間での香水は特に苦手ですね。
ワキガの方がまだまし。
③電車の中で周りを気にせず化粧をしている
最長は隣の席の女性が40分間化粧していた。
いきなり化粧落しから始まったのにはオドロキ。
④電車の中で口を開けて寝ている
これにイビキが加わると、最悪。
⑤化粧がなんとなく変
小池百合子センセイや佐藤ゆかりセンセイのような。
⑥オフィスの机が散らかっている(男の自分より汚い)
自分の椅子の周りまでグルリと書類を置いていた人がいました。
⑦付き合ってみたら、家事全般が出来ない人だった
ウチの嫁さんの悪口をいうな!
⑧下ネタを何の躊躇なく話す(少しは恥ずかしがって欲しい)
私は、ああいうイヤラシイ話は・・・、大スキです。
⑨スウェットの上下や、ダボダボのジャージ姿で買い物
時々脇腹をボリボリ掻いたりしてね。
⑩すごくいい笑顔だけど、歯に青海苔が付いていた
さては昼飯、ノリ弁だったな。

次は女性から見た男の「ダメ姿ランキング 」。
①飲食店などで、店員に偉そうにする
気が小さく、ドメスチック・バイオレンスになり易い男のタイプ。
要注意ですね。
②割り勘で10円台まできっちり請求してくる
電卓をたたいて、じゃあ四捨五入ねなんて、ヤダ~。
③蛾やゴキブリが出現したときに大騒ぎする
これはズバリ私です。
過去2回ゴキブリに襲われてから、すっかりトラウマになりました。
④食後に爪楊枝で思いっきり歯の掃除をする
入れ歯を洗う人はもっとイヤ。
⑤オフィスの机の上がフィギュアだらけ
間違いなくロリ。
⑥下着代わりの柄モノTシャツが、ワイシャツの下から透けている
ズボンの下からは縞柄のステテコが・・・。
⑦車の駐車が下手
あっちのテクまで下手そう~。
⑧職場ではスーツ姿が決まっているのに、私服がイマイチ
きっと私服にまで、お金が回らないんですよ。
⑨電車の中で携帯ゲームに夢中になっている
アタマ悪そう~。
⑩おしぼりで顔を拭く
靴下を脱いで足を拭いてた男がいたけど、あれは最低。

身に覚えがある人も無い人も、ご参考まで。
これらにさえ気をつけていれば、異性にモテルというわけではないですけどね。

2006/11/27

「赤穂事件(忠臣蔵)」の謎と真実(中)

Matsunoroka「元禄忠臣蔵」11月公演が私の体調不良で観られなくなってしまい、予定が狂いました。
今月は観劇記なしで、この「赤穂事件(忠臣蔵)」の謎と真実(中)だけを掲載することになります。

「赤穂事件(忠臣蔵)」の最大の謎は、刃傷事件が起きた原因が分からないという点にあります。
芝居やドラマでは適当な理由をつけていますが、全て後の時代に推理したもので、事件発生後の取調べでは、加害者である浅野内匠頭が最後まで理由を語らないまま切腹していますので、結局分からずじまいで終わっています。
もう一つ大きな疑問として、内匠頭に上野介に対して殺意があったのか無かったのか、この点を検討してみたいと思います。
現代風にいえば、この事件が殺人未遂事件なのか、それとも傷害事件なのかという検証です。

松の廊下の事件現場には、加害者と被害者以外に一人至近距離からこの事件の全てを目撃していた人物がいます。
旗本の梶川与惣兵衛です。芝居では内匠頭の背後から羽交い絞めにしている人ですね。
彼は単に目撃しただけではなく、浅野内匠頭の犯行を途中で制止し取り押さえたのですから、この人の証言が最も信用おけるわけです。
以下は梶川与惣兵衛の日記からです。

梶川の当日の役目は、御台所(みだいどころ:将軍綱吉夫人)から勅使への贈り物の取り次ぎ係でした。
その日同役から勅使の時間が早まったようだと聞かされます。そうなると全体スケジュールに影響しますから、とにかく責任者である吉良上野介を探し、事実を確認しようとしたわけです。
途中で浅野内匠頭とばったり会い、互いに挨拶を交わしました。
その直後、松の廊下の中ほどで吉良と出会い二人で面対し、勅使の時間が早まったことを話し合っていた、その時でした。
吉良の背後から浅野が「この間の遺恨覚えたるか」と言いながら、吉良の背中を斬りつけます。
振り返った吉良の額を浅野が斬りつけ、逃げようと再び梶川の方へ向かった吉良を浅野は背後から更に斬りかかります。
その時、制止しようとした梶川の手が、浅野の持つ小刀の鍔にあたり、梶川はそのまま押し付けすくめました。
梶川は浅野の手を小刀もろとも離さず、駆けつけた他の者と共に浅野を別の部屋へ連行し、引き据えました。
以上が事件現場に立ち会った梶川の記録の概要です。

芝居や映画でお馴染のシーンでは、浅野内匠頭と吉良上野介が口論となり、内匠頭が逆上して斬りかかるという事になっていますが、事実は吉良と梶川が廊下で立ち話している最中に、吉良の背後から浅野が斬りつけています。

ここで問題です。
浅野が本当に吉良を殺すつもりであったなら、なぜ小刀で刺さなかったのか。小刀で斬ったって人は殺せない、こんな事は素人でも分かります。まして武芸の心得のある大名が、気がつかない筈はないでしょう。
1960年日比谷公会堂で行われた立会演説会で、壇上で演説中であった当時の社会党の浅沼委員長が、右翼の少年に短刀で刺殺されましたが、この模様の一部始終はTVカメラにおさめられ、ニュースで繰り返し放映されました。
少年は両脇を締めて短刀の柄を自分の脇腹にあてて、相手の身体に自分の身体をぶつけるようにして刺し、一撃で致命傷を与えていました。

事実、浅野は無防備の吉良を2回斬りつけたにも拘らず、吉良のダメージは額を6針、背中は3針縫って治療は終わっています。吉良はそのあと、湯漬けご飯を2杯食べて元気を取り戻したと医者が記録しています。
浅野が吉良を刺していたら、高齢の吉良は絶命していた可能性が高い。そうなれば、赤穂浪士の仇討ちは起きず、歴史は変わっていたわけです。

事件後の取調べで浅野内匠頭は、「上野介を討ち果たそうと刃傷におよんだ」と殺意があったことを認めています。
であれば、なぜ小刀で刺さずに袈裟がけに斬りつけたのか、この事件の出発点に大きな謎が残されています。

2006/11/25

これだから都知事は三日やったらヤメラレナイ

Shintaro先日の記事で、石原慎太郎一家の四男延啓(のぶひろ)氏は、余り表舞台に登場していないと書きましたが、実は東京都の文化事業にかかわっていました。
石原知事の発案で東京都が行っている若手芸術家育成事業に「トーキョーワンダーサイト」というのがありますが、四男は具体的に次のような活動をしています。
①2005年3月にニューヨークで行われた「公共芸術サミット」に、東京都代表の一人として参加。「ワンダーサイト設立」に参加した「キュレーティングアーティスト」と紹介されていたとのこと。
②2003年3月にはワンダーサイト事業の「能オペラ」実施の調査という名目で、「トーキョーワンダーサイトコミッティ・アドバイザリーボード委員」としてドイツ、フランスに出張(公費です)。もっともこの「能オペラ」は、石原知事自らが脚本を担当するのだとか、成る程ネ。

このワンダーサイトとかいう事業は、石原都知事の知人夫婦に実質的に運営を委ねているようですから、かなり好き勝手にできるのでしょう。
それにしても、他の文化予算が切り詰められている中で唯一この事業だけは大盤振る舞いで、今年度は4億7千万円の予算をつけています。
石原慎太郎一家の道楽は、高くつくねぇ。

まあ例えて言えばこういうことになりますか。
4人の息子がいるとしましょう。が、どうも末っ子だけは出来がパッとしない。本人は芸術家気取りのようだが、サッパリ芽が出る様子もない。このままでは父親としては将来が心配だ。
せめて父親の地位と権力があるうちに、四男の活躍する場を与えておきたい。息子のために組織を作って、適当な肩書きをつけ、あちこちの会合に顔を出させて箔を付けさせてやろうと、まあこの辺りが真意でしょう。
普通こうした行為を、「私物化」と呼びます。

石原都知事は24日の記者会見で、「息子は立派な芸術家」といってましたが、呆れてものが言えない。

これに先立つ10月15日には、石原知事の豪華な海外出張が問題となりました。
石原知事の海外出張は、就任からこれまでに19回で、このうち明らかになったものが15回、
総経費は2億4千万円を超えています。
先ず目的のほとんどが、オリンピック、マラソン、観光などに偏っていて、都民の暮らしや福祉に関するものは皆無といってよい。
これまた石原慎太郎個人の道楽に、都民の税金が使われているというのが実情です。

さてその費用ですが、例えば2001年の南米・エクアドルのガラパゴスへの出張では大型クルーザーをチャーター、石原知事だけで約450万円の経費がかかっています。
2006年のロンドン・マン島出張では、マン島でのオートバイレース見物を含めて3600万円もかけていました。
出張には夫人を同伴したケースもあるし、秘書もファーストクラスを利用しているようです。
この結果、東京近県の県知事の海外出張費用が1回あたり200-800万円であるのに対し、東京は平均2000万円にのぼります。

もちろんこれらの費用は都の出張規定を遥かにオーバーしていますが、当の石原知事は記者の質問に、「知らないよ、私は。そういうことは事務局に言ってくれ。何も豪勢な旅行しようと思って行っているわけじゃない。直すところが あったら直したらいいじゃないですか」と答えています。
石原知事が何をやろうと誰にも文句を言わせない現在の都政、そこに大きな問題があるのですが。

「もう一期やりたい理由よく分かり」とは、ある新聞に載っていた川柳です。
石原知事殿、やはり「都知事と〇〇は三日やったらヤメラレナイ」ですか?

2006/11/23

「崖っぷち犬」救出と狂犬病でケンケンガクガク

Yaken11月22日に、徳島の眉山の崖っぷちに迷いこんだ犬が、救急隊員により無事救出されたニュースが新聞各紙を飾っています。
TVのニュースショーの中には現場中継をしていた局もあり、世の中ヒマなんですかね。
動物愛護団体の人なら泣いて喜んだかも知れないけど、そんなに大騒ぎするような価値のあるニュースなのかしらん。

日本で野犬や飼い主が不要となった犬のうち、毎年約10万匹が殺処分されています。我が国の『動物の愛護及び管理に関する法律』(通称「動管法」)に基づくものです。
具体的には全国にある「動物愛護センター」(愛護?)という施設で、ガス室に送られ窒息死により処分されています。
因みに猫は約30万匹死処分されていますので、合わせて毎年40万匹のペットが「動物愛護センター」で殺処分されていることになります。
こうした現状と「崖っぷち犬」救助騒ぎとの落差が、余りにも大きいと思いませんか。この犬だって持ち主が現れなければ処分されるのですから、もうブラックユーモアみたいな世界です。

タヒチ在住の直木賞作家・坂東真砂子さんが、日本経済新聞8月18日付夕刊に「子猫殺し」というタイトルのコラムを掲載しました。自宅で飼っている3匹の雌猫が野良猫と交尾して生んだ子猫を、「家の隣の崖の下がちょうど空地になっているので、生まれ落ちるや、そこに放り投げるのである」などと殺処分していることを明かしたものです。
当時これに抗議や批判が沸き起こり、大騒ぎになりました。
こうした行為をわざわざ文書で公表する神経は理解できませんが、不要になったペットと殺処分するという事に関しては、自らの手を下すか施設に委託するかの差であって、本質的な違いは無いと思います。

殺処分される犬のうち7-8割は、元は飼い犬だったものだそうですから、昨今のペットブームの影の部分になります。
その飼い主がペットを手放す理由としては、
①引越し、近所からの苦情などの住宅事情
②家族の高齢化や病気など飼い主の状況変化
③ペットの病気や高齢化
④新しいペットへの買い(飼い)替え
があげられます。
飼い主の身勝手とばかりは言い切れない、どこの家庭でも起こりうることばかりです。新しくペットを飼う時には、こうした将来の予測を立ててから飼うようにすべきでしょう。

私は犬が好きですが、ある事があってから絶対に犬を飼わないと心に決めました。
小学校5-6年生のころ、保健所の裏にあった「犬管理所」の脇を通った時です。檻の中にいた沢山の犬が一斉に私の方を向いて吠え出しました。眼が合いました。その時の犬たちも目が、今にも泣き出しそうな、実に悲しい眼をしていたのです。
犬でも自らの運命を察するのでしょう、通りかかった私に助けを求めていたわけです。
あの時の犬の目を、私は今でもはっきりと思い出せます。だから犬は飼いません。

この1週間犬についてもう一つ、こちらは大きなニュースですが、フィリッピンで犬にかまれた男性が帰国後相次いで狂犬病を発症し、一人は死亡、もう一人は重体という報道です。
日本で狂犬病患者が出たのは1970年にネパールを旅行後に発症した男性以来36年ぶりになります。
狂犬病は発病するとほぼ100%死亡し、治療法がないというおそろしい感染症です。今でも世界では毎年4-6万人が死亡しており、日本、英国、オセアニア、スカンジナビアを除く全ての地域で発病が見られます。
我が国でも半世紀前までは、国内での感染があったのですが、狂犬病予防注射の徹底と野犬の殺処分により、今では国内感染はゼロになりました。

ペットの殺処分は可哀想だという意見もありますが、人間の生命を守るためには止むを得ないですね。
本当に可哀想と思うなら、責任を持って最後まで面倒を見られないペットは、飼わないことです。

2006/11/21

「ファーストレディー外交」だとぉ

Abe_akie先週末2日ほど高熱が続き咳もひどく、心配になって病院に行ったら肺炎と診断されてしまった。入院しますかと医師に言われたが、それだけはカンベンと通院にして貰った。
帰宅して愛妻にこの話をすると、いきなり「どうして入院して来なかったの」と恐い顔で叱られた。
普段は一見やさしそうにしているが、人間はこういう時に本当の了見が分かるものだ。

近所の新興宗教に凝っているオバサンからは、「あなたは人間が素直でないからこういう病気になるんです」と言われた。「何で?」と聞いたら、「ハイ言えん、だから肺炎」との解説。
ふざけるなと腹が立ったが、当たっているだけに口惜しい。
ブログで他人の批判ばかりしているので、バチがあたったのかも知れない。
だけど悪口とシモネタが3度の飯より好きな性質だから、こればかりは止められない。
とりあえず酒が呑めない、外出が出来ない、しばらくは不便な生活を強いられることになる。

さてアジア太平洋経済協力会議(APEC)を無事終えて、安倍首相は先ずは順風満帆。内閣支持率は落ちているとはいえ、北朝鮮が核・ミサイルと拉致問題で後押ししてくれる内は、総理の座は安泰というところ。
一つ気に入らないのは、最近こうした首脳外交になると必ず昭恵夫人の「ファーストレディー外交」なるものが喧伝されることだ。
NHK国営放送を始めTV各局のニュース、新聞各紙揃ってこのタイトルで報道していた。どうして日本のマスコミというのは、揃いも揃ってゲイが無いのかね。

首脳会議に細君がくっついて行くようになったのは、いつの頃からしらん。少なくとも以前の日本には無かった習慣だ。欧米の慣習に合わせたのだろうが、この点は過去の日本が正しい。
私は首脳会議に、夫人などの家族を同伴させるのは元々反対だ。亭主の仕事に女房は口を出すななどという理由ではない。
夫婦や家族といえどもそれぞれに独立した人格だし、それを尊重すべきと思う。世の中亭主が自民党で女房が共産党(その逆もあり)などという例はザラであるし、何も相手の考えに合わせる必要はない。

その「ファーストレディー外交」なるものの中身だが、新聞記事によれば、昭恵夫人が10月18日夕には中国の胡錦涛国家主席の劉永清夫人と懇談。昭恵夫人が「日本の経済の回復は中国によるところもあり、経済的には切っても切れない関係が築けている」と述べると、劉夫人は「お互いに助け合うことは、お互いに利益を得ることになる」と応じたとのこと。
オイオイ、これのどこが「外交」なんだ。奥さん同士の世間話じゃないか。これが外交なら、外交官などという職業は要らない。
せいぜい保険「外交」員のセールストークというレベルの話だろう。

先日官房長官は、昭恵夫人の「ファーストレディー外交」をサポートするために、「首相公邸連絡調整官」を首相官邸に新設して、外務省OBであるの宮家邦彦夫妻を充てたことを明らかにした。
奥さんの助けを借りないと、首脳外交というのは上手く行かないものなのかね。
それなら独身だった小泉首相の外交は、さぞかし失敗の連続だったんだろうね。
女房の助けがなければ首脳外交が出来ない、そんなヤワなら安倍さん、総理の資格はありませんぜ。

アアこんなこと書いていたら、熱が出てきてしまった。
また新興宗教のオバサンに馬鹿にされてしまう。
これもみんな安倍首相の責任だ!

2006/11/17

「自殺予告ごっこ」はもうやめようよ

Jisatsu_yokoku「昔から死ぬ死ぬと言って死んだ人はいないからね」は、母の口癖でした。
水商売が永かった母の所に、色々な人が身の上相談に来ていましたが、「もうアタシ死にたいわ」と言ってくる人に、母は必ずこう答えていました。「死ぬ人ってゆうのはね、黙って死ぬのよ」。
確かに予告してから自殺する人は、滅多にいないでしょう。予告して人を殺したり、火をつける人がいないのと同じですね。

文部科学大臣あてに最初の自殺予告の手紙がきてから、11月16日現在で文科省あての自殺予告の手紙は22通になりました。これからもまだまだ増えるでしょう。
時期が時期とはいえ、文科省は過剰に反応し過ぎでした。
自殺予告対策より、現に毎日のように起きている連鎖反応とも思える子供達の自殺を防ぐのが先決です。

しかし文科省というのは、実にショーもない省ですね。
教育基本法改正で、金を配って「やらせ質問」をさせていたというのは、教育上正しいんですか。いじめによる自殺はゼロなどとウソをついてきたことは、教育的なんですかね。
これじゃあ「嘘つきは教育の始まり」になっちまう。
自分達のやっていることは正しいと、子供達の前で胸をはれるのだろうか。
教育改革で、教員の資格うんぬんと偉そうに言ってますが、その前に文部科学省の役人連中の資格審査が先です。そうして教育行政を指導できないような役人は、辞めて貰いましょう。

ここ最近の連鎖反応的な児童の自殺については、マスコミ報道のあり方も問題です。
2000年に世界保健機構(WHO)は、メディアに対して自殺を防ぐためのガイドライン(「PREVENTING SUICIDE A RESOURCE FOR MEDIA PROFESSIONALS」)を発表しています。
この中でマスコミの報道、特にTVの報道が自殺の増加の原因となっていると分析しています。

その上で、自殺報道に関してやってはいけないことを、次のように上げています。
・写真や遺書を公表しない
・自殺の方法について細部を報道しない
・自殺の原因を単純化しない
・自殺を美化したり、センセーショナルにしない
・宗教的・文化的な固定観念を使用しない
・自殺を責めない
こう並べてみると日本のマスコミは、報道してはいけないことを率先してやっていることが分かります。

ある時期に次々と自殺が続くことは昔からありました。
例えば1986年にアイドルの岡田有希子さんが自殺し、後追い自殺が社会問題化しました。
警察庁のまとめによると、86年の未成年者の自殺者数は前年比約1.4倍の802人に達したということです。明らかに連鎖反応によるものと見て良い。

子供達の自殺の連鎖を止めるために、報道機関はWHOの指針に従うべきでしょう。
特に新聞とTVは、
①遺書を公開しない
②自殺方法の詳細を報じない
③自殺そのもの、あるいは自殺した人を美化しない
の3項目を、直ちに実施すべきです。
視聴率を上げることより、先ず子供の命を救うことが先決です。

いじめを無くすことは大切ですが、そう一朝一夕に実現できません。それよりマスコミが自殺事件に過剰報道をしないということは、直ぐに実行できることです。
同時に子供達に対して、どんな理由があるにせよ自殺してはいけない、自殺は悪いことなんだと教える必要があります。
いじめが原因で自殺したとしても、加害者を責めるあまり、自殺した人に同情を寄せるような報道はすべきではないと思います。

2006/11/15

同和団体の「恫喝」に屈してきた地方自治体

Kaidou奈良市の職員による「不正休暇」問題は、本人の解雇にとどまらず逮捕される事態に及び、刑事事件に発展する可能性が出てきました。
この元職員中川昌史容疑者が長期の病気休暇を繰り返しながら建設会社を実質的に経営していた問題で、奈良県警は11月14日入札制度改革を延期させるよう市に圧力をかけたとして、職務強要の疑いで逮捕しました。
ようやく警察も重い腰を上げたようです。

奈良市は8月に談合を防止するために「郵便入札」の採用拡大を決めていました。これに対して中川容疑者は市の担当職員に、「対象を個人業者にまで広げるのは話が違う」と制度を変更しないよう要求。担当職員は、この男は大声を上げたり、机をひっくり返すなど威圧的な態度だったそうで、圧力と感じたと話しています。
これに対し奈良市は、中川容疑者が部落解放同盟奈良市支部協議会の副議長(当時)であることを考慮し、事を荒ら立てたくないという理由で入札制度変更を延期しています。

今回の経過を見ていくと、過去にいかに奈良市が部落解放同盟幹部の恫喝に屈してきたか、良く分かります。こうした事態は日常茶飯事だったのでしょう。
今回の不正休暇問題が明るみに出ていなければ、中川という男はこれからもこうした恫喝により市を屈服させて、私腹を肥やしていったものと思われます。

問題は奈良市だけではありません。
今年度に入って職員の逮捕者が8人にのぼっているお隣の京都市では、桝本市長は逮捕者のうち6人が環境局職員であることを踏まえ、「同和行政の柱として行った優先雇用での甘い採用が大きな要因の1つ」と指摘しました。いわゆる「同和優先採用枠」の存在です。
市長は、今後は制度も含めた「解体的な出直し」を図る意向を表明しました。
他の自治体の中にもこの枠に縛られて、不祥事で解雇した人間を再び採用している例が報告されていますので、見直しは当然です。

その隣の大阪市でも、同和団体関係者による相次ぐ犯罪や不祥事により、同和行政のあり方が論議されています。
最近発売された週刊誌の中で、関淳一大阪市長は、「これまでやっていた同和行政といわれるようなものは、もう存在し得ない。全て廃止する。」と発言したとされています。
この発言は、従来からのやり方は見直す決意と受け止めて良いでしょう。

では、なぜ今迄は関西を中心とした地方自治体で、こうした不正が永年続けられ、黙認されてきたのでしょうか。
この最大の原因は、地方議員、自治体の幹部と職員らが、部落解放同盟などによる差別「糾弾」を恐れて、彼等の言い分通りにしてきたことに拠ると思われます。
「糾弾」の目的は、本来は部落差別を撤廃させるための有効な手段とされていましたが、批判=差別という図式の下に、次第に一部は利権確保の手段に使われてきました。
「糾弾」をするぞと思わせるだけでも、相手を威圧できます。今回の奈良市の事件は、その典型でしょう。
過去「糾弾」が、監禁や脅迫といった暴力的な面を持っていたことは否定できません。かつて「糾弾」の正当性が争われた「矢田事件」の判決の中で、
「被告らの監禁行為は限度を超えており、処罰に値する」(1981年3月、2審の大阪高裁)
としています。

多くのマスコミもまたそうしたトラブルを恐れ、当たらずさわらずの姿勢で、この種の報道を自主規制してきたことも見逃せません。

現在ではそうした暴力的な行為は無いという意見もありますが、過去におけるそうした行為が、恫喝を効果的にしていることは間違いありません。
暴力団だっていつもいつもピストルをぶっ放すわけではありません。でも何時かはやるかも知れないと思わせることで、人々を恐れさせているのと同じ構図です。

「糾弾」に対してはこうした事を踏まえて、1989年8月法務省人権擁護局は、「確認・糾弾会は同和問題の啓発に適さないと言わざるをえない。」との通達を出しています。
先にあげた「矢田事件」民事裁判における大阪地裁の判決では、「糾弾」に対し明快な指摘を行っています。
「ついには一定の考え、思想が独善に落ち込み、反対の理論ないし思想の存在、更にはその考えや思想に同調する人々の存在をも許さないという結果に陥ることになる」。

最も反省すべきは、こうした恫喝に怯えて彼等の不正を長期にわたり放置してきた地方自治体です。彼等の利権のために、多額の税金がムダ使いされてきたのは、自治体の責任です。
今回の奈良市職員の不祥事を教訓に、全国の地方自治体がこうした恫喝に屈することなく、不正な利権を排除する立場に立つことを強く要望したいと思います。

私は従来から述べているように、部落差別を含むあらゆる差別に反対ですし、差別は撤廃すべきであると考えています。
しかし差別に反対する行動は常に法に則った措置と言論により行われるべきで、周囲の人々の支持と共感を得ることが大切です。
脅迫や恫喝は、かえって差別を助長すると思います。

2006/11/09

ライブドア事件-堀江被告より悪い奴

Horie10アメリカの中間選挙で民主党が勝利し、イラクからの米軍撤退の声が強まっているようです。
冗談じゃない。イラクの民間人を多数殺害し、さんざん国土を荒廃させ、石油利権だけ手に入れて撤退だと。それじゃまるで「勝ち逃げ」だ。
きっちりとオトシマエをつけない中は、逃がしませんぜ。

さてライブドア(LD)事件の堀江被告に対する裁判が大詰めを迎えつつありますが、一つとても気になることがあります。
それは沖縄で自殺したとされる野口英昭氏の死にも関係していると思われることがらです。
あまり大きく報道されなかったので、経過を簡単にまとめました。

裁判の焦点の一つであるLD株売却益ですが、このうち2億6000万円を資金工作にかかわった故野口英昭・投資会社元社長の会社に送金したということです。
問題なのは、この中から1億5000万円が取締役であった宮内被告とライブドアファイナンス前社長の中村長也被告が香港で設立したペーパーカンパニーの口座に振り込まれていたという事実です。

これらの送金は、いずれもLD社の機関決定を経ていません。
中村被告は、これらに関して堀江被告が了承していたと証言していますが、一連の経緯から判断すると宮内被告らの独断で行われた可能性が高いと思われます。
更に不可解なのが、故野口氏の了解を得て宮内・中村両被告が4000万円を借り、二人で半々に分けたという証言です。中村被告はそのうちの1300万円を生活費の使ったことを認めています。

この件に関連して13日の公判で小坂敏幸裁判長が、使途不明になっていた約1億5000万円について、中村被告らで山分けしたのではないかと追及しています。
これに対し中村被告は「そういう認識はありません」と否定し、 この資金を宮内前取締役とともに「故野口氏から借りた」などと証言しました。
小坂裁判長はこれに対し「借りたと言っても返してないではないか。実際は元社長らと分けたのではないか。」と述べています。

私はこの小坂裁判長の意見に同感です。
宮内被告と中村被告の行為は、会社の金を私的に流用した背任横領であることは明白です。
借りたと言う主張も、肝心の野口氏が死亡した今日、正に「死人に口なし」です。
一体検察は何を考えているのでしょう。裁判官も疑いを持つような横領をなぜ見逃しているのでしょうか。
それに野口氏の急死については今まだ多くの謎が残されており、他殺説もくすぶっています。
野口氏の死が自殺にせよ他殺にせよ、その原因となったのは今回の不透明な金の流れと何らかの関係があったのではないでしょうか。
野口氏が亡くなって誰が一番得をしたかを考えれば、捜査する価値は十分あります。

検察がこの二人の背任横領を見逃した理由はただ一つ、ライブドア裁判で堀江被告に不利な証言をさせるためです。お目こぼしが交換条件です。
しかし今までの裁判の経過を見ても、少なくとも堀江被告は会社の金を横領したり、私腹の肥やすなどの犯罪行為はしていなかった模様です。企業の利益のために、違法行為を行ったものと思われます。
そうであれば、宮内・中村らの犯罪の方が、遥かに悪質だとはいえないでしょうか。
今回のライブドア事件そのものが、彼等こそが主犯だという可能性だってあります。
検察は堀江被告を有罪にするために、もっと悪い連中を見逃しているのではないか。

今回の裁判を見ていくと、検察は自らのメンツを立てるために、法の番人という任務を放棄しているとしか考えられません。

2006/11/08

金正日王朝の上をいく「石原王国」

S_ishihara自民党は来年夏の参院選東京地方区に2人の公認を立てるそうですが、その一人は現職で、もう一人の新人候補には石原慎太郎東京都知事の二男でタレント(気象予報士だそうですな)の石原良純の名前が浮上しています。
来春4月に都知事選が行われますが、不幸なことに現状では石原知事の3選が確実視されています。そうなれば、その余勢をかって息子も一挙に当選を果たすと言うシナリオは、十分考えられます。
仮に父親が都知事、3人の息子が東京都選出の国会議員となれば東京は「石原党」一党独裁、今以上に都庁では誰も石原知事に逆らえなくなり、恐怖政治に磨きがかかることでしょう。
いよいよ「石原王国」の集大成です。

このままいくと5年後の都知事の改選で、3人の息子の内の一人が後継者ということになりかねない。
最近国会議員の世襲制が問題にされていますが、いよいよ知事まで世襲という前代未聞の事態になります。何だか封建時代に後戻りですね。
選挙で選ばれてるいのだからという意見もありますが、ヒットラーだってムッソリーニだって最初は選挙で選ばれていました。
この辺りは、民主主義制度の一つの問題点でしょう。

石原慎太郎さんには、もう一人四男の息子さん(確か画家だった記憶していますが)がいらっしゃいます。
この方が一度話題になったのは、1999年の都知事選の際に自民党東京都連事務局長(当時)の秋葉信行という人が、四男がオウム真理教の信者だったという文書をばら撒いたことがありました。
これには背景があり、1995年4月に石原慎太郎は突然衆議院議員辞職を表明しますが、当時地元の後援会にも知らされず、とても唐突な印象を受けました。辞任理由もアイマイでした。
この時期が、1995年3月20日オウム真理教による地下鉄サリン事件が起きた直後であったこと、怪文書の出所が自民党内部であったことからインパクトがありました。この件は、最終的にデマだと認定されています。

ただ一つ気になったのは、麻原彰晃の第114回公判の証人尋問の中で、弁護人が「石原裕次郎の手術をしたのは林郁夫さんでしょ」と発言していることです。
林郁夫といえばオウムの幹部で、地下鉄サリン事件の実行犯として服役中の人物です。
調べてみると、1981年に石原裕次郎が慶応病院で解離性大動脈瘤の手術を行っていますが、この時の執刀医が、この病院の心臓外科医だった林郁夫だそうです。
なかなか認可が下りなかったのが、1989年に突然オウム真理教が東京都から宗教法人として認可されますが、その経緯に様々な憶測を呼んでいます。
ひょっとすると、「火の無い所に煙は立たぬ」だったのでしょうか。

かたや北の金正日「王朝」の方は、今や権力の維持さえ危ぶまれる状況であり、後継者も決められないという苦境に陥っています。
一方こちらの石原慎太郎「王国」は前途洋洋、順風満帆、視界良好、盛者必衰・・・これはちょっと違いました。
このお二人は正反対なように見えて、写真のポジとネガのように白黒を反転させると相似形です。宗旨もあちらが金日成教なら、こちらは霊友会です。
軍事大好きで核兵器所有論者という点も、共通項ですね。

有名俳優である弟の七光りで当選し、国会議員としても都知事としてもこれといった実績もなく、ただ人気だけが一人歩きしている人物。更にその親の七光りで国会議員となってゆく息子達。この一族が首都を制しつつあるという現状。
暗澹たる気持ちになっているのは、ワタシだけでしょうか。

2006/11/06

笑志の今夜はにぎわE

Shoushi11月5日の立川笑志の横浜にぎわい座での独演会、今回で4回目を迎えた。
落語界広しといえどもこの小屋で独演会ができる二つ目は、この笑志だけだろうから貴重な存在。
立川一門では家元以外に、志の輔、志らく、談春、そして笑志とピンでこの規模の独演会を開ける噺家が4人もいて豪勢。やはり家元の指導宜しきだろうか、それとも弟子の素質が良いのか?
この点は、“笑点”に寄りかかっている三遊亭圓楽一門との大きな差である。

落語家がTVで活躍するのを嫌う人がいるのが、決して悪いことではない。人気者になって新たなファンを開拓し、寄席に足を運んで貰うのも大切なことだ。
古今亭志ん朝だって若い頃はTVのレギュラーを持っていたし、ドラマにも出演していた。今の立川志の輔もそうだ。
問題は本業の落語の修業をきちんとするかどうかに掛かっている。
TV人気に溺れて修行を怠れば、林家こん平のように協会幹部になっても、トリ一つ満足に取れないような体たらくに陥る。現在は楽太郎がその気配濃厚だ。

さて当日の笑志だが、胡弓奏者の王霄月の演奏を間に挟んで二席。
一席目で笑志は、精神病院の患者を相手に落語をやった話を枕で。この病院で禁煙運動に取り組み、全員が達成したので何かご褒美に好きなものをと問うたら、一人の患者が今までの人生で一度も誉められたことがないので、表彰状を授与して欲しいと言ったというエピソードが紹介され、ホロリとさせられた。
笑志のいうように、その人たちがまともなのか我々がまともなのか、果たしてどちらか分からない。

落語ファンでもないと立川笑志はお馴染がないと思われるが、先ず良いところは芸風が明るいこと。噺も面白い。それに最近色男が多くなった中で、笑志は面構えも体型も、いかにも落語家向き。
欠点は、人物描写がしっかりしていないこと、結果として噺に奥行きが欠ける。ただこれは本人の芸が未熟なだけであって、これからの精進で十分克服できると思う。まだまだ伸び代のある芸人である。

本題は「幇間腹」(たいこばら)。
大店の若旦那が座敷に幇間(たいこもち)を呼んで、無理やり腹に針を打つ噺。
最近聴いた中では、笑志のこのネタは面白く仕上がっていた。
ただこれは笑志に限らないのだが、幇間がさっぱり幇間らしくない。そうなるとこの幇間の自虐的な可笑しさが伝わってこない。
針が折れた時の若旦那のうろたえぶりも弱い。

二席目の枕は、元の兄弟子である快楽亭ブラック(多分)の近況から。この人の芸名が既に差別で糾弾されそうな名前である。破門の原因となったバクチを今も止められないとのこと、根強いファンがいただけに残念だ。

本題は人情噺の「文七元結」。
歳の瀬が押し迫ってくると、掛けられるネタである。
笑志のこのネタも、全体的には出来は悪くなかった。しかし・・・。
この演題が大ネタといわれる所以は、バクチで身を持ち崩す左官の親方、その女房、親孝行な娘お久、吉原の大見世の女将、その若い衆、大店の旦那、番頭、手代の文七という多彩な登場人物の描写、演じ分けが非常に難しいからである。
笑志はここが弱い。特に女将と旦那に風格が欠ける。
熱演にもかかわらず、もう一つ胸に迫るものがない。
この点は、昨年聴いた立川談春の方に一日の長がある。

100点満点で合格ラインを80点とするなら、この独演会の採点は70点という所だろうか。
もう一息、立川笑志の更なる精進を望みたい。

2006/11/04

こうなりゃNHK受信料支払いを拒否する

NhkNHKに対して、今度という今度は堪忍袋の緒が切れた。
近々銀行の口座引き落としを解約し、NHK受信料支払いを拒否することを決意しました。
お金のためではありません、言論の自由のためです。

NHKのラジオ国際放送で拉致問題を重点的に扱うよう菅義偉総務相が命令する方針を示したことに対し、11月2日の定例会見で橋本元一会長は、事実上この命令に応じる意向を示しました。
総務相は短波ラジオ国際放送への命令権限を持っていることは事実ですが、過去に個別具体的な命令を出すことは無かったはずです。
NHKが放送の自由を標榜するのであれば、橋本会長は首を掛けても拒絶すべきでした。
もし今回の命令を受け入れたら、今後は拉致の次はこれこれと次から次へと命令が出されても、NHKとしては拒否する理由がありません。
これは国際放送に限ってとの意見もあるでしょうが、こうしたことが慣例になってくれば、当然国内放送の編集方針にも影響が出てくるのは必至です。
今でさえ政府寄りの放送を行っているNHKニュースは、今後更に国営放送、政府広報番組化するでしょう。

今回のNHKの姿勢には、来年の通常国会に、受信料支払い義務化を盛り込んだ放送法改正案が提出されようとしているという事情があり、そのためには管轄の菅総務相の機嫌を損ねたくないとの思惑が見え隠れします。
しかしこの点にこそ問題の核心があります。
予てより、受信料の法制化と引き換えに、政府のNHKに対する干渉が強まるのではという懸念がありましたが、その危険性が現実的になってきました。

安倍政権の誕生で最も危惧していたことは、マスコミ、特に放送への干渉です。
安倍晋三といえば2001年の幹事長代理時代に、NHK特集番組に圧力をかけて、内容を変更させた「前科」があります。
安倍氏本人は、NHK幹部と面談したのは放送日直前だから、番組を変更させた事実はないと否定しています。
しかし面談は事前に予約されていたもので、放送日の前か後かは問題ではありません。
安倍内閣では、初めて広報担当の首相補佐官を置きましたが、主な目的は政府の方針に沿ってマスコミをコントロールすることにあると想定されます。

私は、世の中で最も大切なのは、言論の自由であると考えます。
特に国家権力による言論機関への介入や支配、これは絶対に避けなければなりません。
今回の総務省の決定とNHKの受諾方針は、公共放送にとって自殺行為です。

2006/11/02

「必修科目の履修漏れ」騒ぎの陰で

Ibuki突然ふって湧いたような「高校必修科目の履修漏れ」の大騒ぎって何なんでしょうね。それほど大事なことであれば、なぜ今まで文部科学省は永年放置してきたのか、なぜ今ごろになって問題にしたのか、どうも納得のいく説明がありません。
普通に考えれば、安倍政権が進めている「教育基本法」改正のための布石です。学校も教育委員会もだらしない、こういうことだから教育基本法を改正せにゃならんという理屈になるのでしょうね。

この問題は、現場をあずかる校長自殺という事態まで招きましたが、元はといえば教育の数値目標だの市場原理の導入だのと、学校間の競争を煽ってきた文部行政によって引き起されたもので、従来は見て見ぬふりをしてきた結果です。
「いじめ問題」も同じです。政府がいじめをゼロにしろというから、「それならいじめがゼロということにしておこう」とウソの報告を上げていた、実態はそういうことでしょう。

ここ最近の教育基本法改正を先取りしたような文部行政が、かえって教育現場の混乱を招いているように見えますけど。

その教育基本法改正の国会審議ですが、中身の乏しい論議が続いています。政府与党案と民主党案、比べても大した違いもないので、さっぱり論戦が深まっていきません。
以前の記事で書いたように、安倍総理とその周辺が意図している教育基本法改正の目的の一つは、思想教育です。問題はその理念が正しいのかどうか、本来はその点がもっと議論されないといけないと思います。

教育再生担当の内閣総理大臣補佐官であらせられる山谷えり子(小川 惠里子)センセイは、8月29日に開かれたシンポジウムの席上で、次のような発言をしています。
「真のエリートの条件は2つあって、ひとつは芸術や文学など幅広い教養を身に付けて大局観で物事を判断することができる。もうひとつは、いざというときに祖国のために命をささげる覚悟があることと言っている。そういう真のエリートを育てる教育をしなければならない。」
先の記事で紹介した下村博文官房副長官による、文部官僚の思想信条チェック発言と併せてみれば、今回の教育基本法改正の狙いがどこにあるのか、とても分かり易い。

もう一つの改正の狙いは、教育への「市場原理」の導入です。
安倍首相の「美しい国へ」でも、「サッチャー改革のような国の監査官による学校評価制度」の導入を提唱しています。
しかし当の英国では、サッチャー改革が当初期待していた学力レベルの向上につながらず、逆に教育の荒廃を招いたということで、保守党の内部からも批判の声が上がっているそうです。
例えば入学希望者が上位校の近所に引っ越すようになったため、周辺の地価が上がり、その結果上位校に入学できるのは富裕層の子どもだけになった。
全体を底上げするどころか、地域格差が拡がってしまったという現象が指摘されています。

もう一点、あの森元総理が10月31日付けの新聞インタビューで、「日教組、自治労を壊滅できるかどうかということが次の参院選の争点だろうね。」と発言しています。
これもまた、改正の狙いの一つなのでしょう。

今回の教育基本法改正の狙いである「愛国心」教育と「市場原理」導入が、我が国の教育レベルの向上につながるとは、考えられません。
依然として、日本の教育制度は世界に誇れるものです。
教育が誤った方向に向かわないよう、国会でも本質的な論議を進めて欲しいと思います。

« 2006年10月 | トップページ | 2006年12月 »