消費税はどこに消えたか(補遺)
前回の記事に寄せられたコメントにお答えするため、少々補足したいと思います。
消費税導入とその後の税率アップに際して、政府は国民に対し、これからの少子高齢化の時代に向けて、従来の社会福祉のレベルを保つために止むを得ない措置と説明してきました。
しかし結果を見れば、これらの説明はウソでした。
その後の推移からすれば明らかなように、税金のムダ使いは一向に改善されることなく、その一方消費税は全て企業減税に消えてしまったわけです。
その結果、財政赤字は解消されず、社会保障は年々切り下げられてきた、これが実態です。
私は、消費税=悪法とは考えていません。
高齢化社会で所得税を負担する国民の割合が減る中で、一定の社会福祉レベルを維持するためには、消費税が選択の一つであると考えています。
問題は税金の使い道です。
その後も産業界からは、更に企業減税を進めるよう強い要望が出されています。
それでも小泉政権は、財政再建に比重をおいていたので、そうした要望を先送りしてきました。
安倍総理になって様相はガラリと変り、財界からの減税要望を積極的に受け入れる方向に舵を切ってきました。
先ず政府税調のメンバーを、会長を先頭に企業優遇論者に入れ替え、とりあえず減価償却方法の見直しという口実で5000(7000とも云われている)億円の企業減税を先行し、来年度以後に法人税の引き下げによる4兆円の企業減税をする予定です。
そのために国民からの所得税を増税し、その後消費税を今より2-5%アップしようという魂胆なわけです。
今後の消費税増税については、さすがに前回までのウソは通じないと見てか、企業減税→企業の増益→賃金のアップという構図により、家計が潤うというロジックを組み立ててきました。
しかしここ数年来、規制緩和の名の下に勤労者の権利にかかわる法律が改定され、企業が利益を上げても、従業員の賃金が上がらない仕組みが作られてきました。
この点は、多くの方が日々実感されていることでしょう。
今までも、そしてこれからも、消費税は全て企業減税の原資にまわり、社会保障の拡充に充てられるはない。
これからは国民にとって、ますます低福祉高負担が求められる時代になる。
こうした安倍政権の経済政策をこのまま受け入れるなら、「企業栄えて民滅ぶ」になることは明らかだと思います。
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