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2006/12/02

消費税はどこに消えたか

Honma以前からどうにも腑に落ちないことがありました。所得税が増税される一方、健保や介護、年金など社会保障は切り下げが続いています。
1989年に消費税が導入され、その後税率が3→5%に引き上げられましたが、その時の歌い文句としては、社会保障の充実のための財源確保とされていた筈です。
一体あの消費税はどこに消えたのか、最近になって分かりました。

1989年から1999年に掛けて、法人税が40→30%に引き下げられた結果、8兆円の企業減税となりました。
他方、消費税1%あたりの税収は2.2兆円なので、消費税はほぼそっくりと企業減税分に埋め合わせされていたわけです。
元々、消費税で社会保障充実はウソだったということです。
それなら最初から、企業の減税のために消費税を導入したいと説明すれば良い。
こうした政府の国民を騙す手口は、一番アタマに来ますね。

12月1日政府税制調査会が、07年度税制改正の答申を安倍首相に提出しました。
答申の骨子は、減価償却制度の見直しなど各種の企業減税を盛り込んだほか、法人税率については今後引き下げを検討するとしています。
来年度税制の最終的な改正内容は、与党が今月中旬の税制改正大綱で決めますが、政府与党も今回の答申に沿って企業減税路線を受け入れる見通しです。

今回答申に盛り込まれた減価償却制度の見直しにより、5000億円規模の企業減税が想定されています。その財源は、07年からの所得税の定率減税の全廃による約1.2兆円の増税で賄われます。
更に財界の要望通り、法人税の実効税率を今より10%引き下げようとすれば、4兆円の企業減税となります。
これを消費税2%アップすることで埋め合わせするというのが、政府税調の構想です。
ただ来年は参院選を控えているので、とりあえず今年の答申からは見送りました。参院選で自民党が勝てば、予定通り消費税増税が実施されるでしょう。

企業優遇税制を進める理由について、答申は「企業部門の活性化は、付加価値の分配を通じて家計部門に波及し、プラス効果をもたらす」と強調しています。
しかし現在のいざなぎを越える空前の好景気が、専ら企業の収益向上にのみ影響し、家計には全くプラスしていないということは、大多数の国民の実感ではないでしょうか。
こんな取って付けたような屁理屈を言わず、「自民党の最大のスポンサーである財界の言い分通りに企業減税する。その分国民からの所得税と消費税の増税で賄うので、皆さんヨロシクネ。」と正直に言って貰う方が、まだ分かりやすい。

安倍総理になって以後、政府税調の中の財界代表の委員が倍増され、会長も財政再建重視の石弘光氏から、企業優遇論者の本間正明会長にバトンタッチされました。
本間正明阪大教授も、最近はすっかり自民党と財界の走狗になり果てましたね。
このまま放置しておけば、安倍政権による財界優遇、庶民生活切捨ての経済運営が一層鮮明になってくるでしょう。

♪おいしいえさに いかれちゃって
 あとで泣いても 知らないよ・・・♪
(「黒ネコのタンゴ」より)
とならぬよう、税制改定に対する監視の目を強化する必要があります。

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コメント

 ご無沙汰してます。
 
 消費税が企業の法人税に鞍替えされていたとは、驚愕ですね。
 それに、消費税導入のとき、確か3%以上にはしないといってたと思うのは、私の記憶違いでしょうか?

dejavue様
コメント有難うございます。
私の回答は、新たに記事にしましたのでご高覧下さい。

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