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2006/12/17

「柳亭市馬vs立川談春」@国立演芸場

Ichiba12月16日国立演芸場で「柳亭市馬vs立川談春」の会、落語協会と立川流の最も旬な噺家の直接対決の趣となった。もっとも本人同士は、以前から二人会を続けており、いたって和気藹々のテイ。
この二人会というのは、独演会とは異なる難しさがあるようだ。全くのマイペースという具合にはいかず、相手とのライバル関係としての緊張感を保ちながら、共演者を立ててゆくという姿勢が要求される。

この二人、同じ古典落語一筋であるけど芸風は大きく異なる。
例えていえば、市馬が真ん丸な芸であるのに対し、談春は楕円の芸だ。直球と変化球の違いとも言えるだろう。
市馬の高座はいつも安心して聴けるし、一方談春はハマるとスゴイが、外れるとサッパリとなる。

二人が二席ずつで、先ずは談春が「寄合酒」。
マクラでいきなり、「今日は市馬の会」発言が飛び出す。談春、本日は手抜きかと予感させられる。
他愛ないマクラであったが、三遊亭遊雀(旧名:柳家三太楼)が芸術協会から温かく迎えられていることが紹介され、安心した。遊雀が芸術協会のリーダー的存在になる日も近いだろう。
本題の「寄合酒」だが、入り口のところであっと言う間に終了。やけに薄味の高座であった。

市馬は「御神酒徳利」
独演会でもないのに、ここで50分の大ネタを持ってきたのに驚かされる。この辺りに近頃の市馬の自信が表れている。
演者である市馬と主人公の善六の人柄がダブり、爽やかな高座となった。
このネタは6代目三遊亭圓生がお手本となるが、市馬の演出はあっさりとしており、圓生と比較するとややコクに欠ける。
とはいえ、ここ最近聴いた「御神酒徳利」の中では出色の出来で、満足のいく高座であった。

仲入り後に、市馬は「掛取」
本来は「掛取万歳」だが、最近は万歳の部分を省略してこの「掛取」の題でやるケースが多い。
市馬のは唄入り「掛取」で、得意の喉を披露してお客さんを喜ばせる演出となっている。
いつもより短めに切り上げながら、決して手抜きにしてないところが、市馬の芸の力である。

トリは談春で「蒟蒻問答」
談春は、独演会とは違う客の反応に戸惑いがあったのか、少々やりにくそうな印象を受けた。
その影響だろうか、「引導」を「問答」と言い間違えるなど、集中力を欠いていた。
談春独特のクスグリも、当日は市馬ファンが多かったのか、客席の反応も今一つで、やや空回りの高座であった。

直ぐ後ろの席のご婦人はこの二人を初めて見たようだが、隣の席の人に「やっぱり年上の人(市馬のこと)は上手だわ。」と感心していた。
この感想が全てを物語っていて、市馬の芸と貫禄が、談春を圧倒した二人会であった。
もし次回この会が催されるなら、是非とも談春のリベンジを期待したい。

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