世にゼネコン「談合」の種は尽きまじ
建設業界は相変わらずだなという印象を強くしました。
名古屋市発注の地下鉄工事をめぐる談合事件で、公正取引委員会は1月24日、独禁法違反(不当な取引制限)の疑いで、スーパーゼネコンの清水建設、鹿島、大林組の名古屋支店に対する強制調査に乗り出しました。
ゼネコン各社が昨年入札があった5工区を含め、9工区全ての入札で受注調整が繰り返されていたと見られています。
今後公取委は、刑事告発に向けた裏付けを進めるようです。
一方読売新聞が、全国の都道府県知事(宮崎を除く46都道府県)にアンケートを実施した結果、公共事業に関係の深い業者・業界から選挙支援を受けた経験のある知事が27人に上ることが判明しました。
アンケートはいうなれば自己申告なので、実際にはもっと多くの知事が業界からの支援を受けていたのでしょう。
知事だけではありません。国政選挙においても自民党を中心に多くの議員が、選挙で建設業界などの支援を受けています。
選挙の支援というと、すぐ資金を思い浮かべるでしょうが、実は人、金、モノすべてにわたる手厚い支援なのです。
会社から選挙担当を命じられた従業員は、選挙期間中は出社しません。毎日朝から夜まで、選挙運動に没頭させられます。
名刺もその間は、企業の社員ではなく、後援会役員の名刺に変えます。
選挙資金も、表の金、裏の金、全て業界が用意してくれます。
業界や企業の従業員名簿が、選挙事務所に渡されます。下請け、孫請けの分も含めてです。
候補者にとって、これほど有り難い存在はありません。
当選のアカツキには、当然支援してくれた業界や企業にお反しなければなりません。
「人として」当然ですし、次回の選挙でも同じように支援して貰うためにも、絶対にお返しは欠かせません。
財政が赤字だろうとムダだろうと、強引に公共事業を引っ張ってきます。
ナニがナンでも「オリンピックだ!」という具合になるわけです。
どうせ費用は税金ですから、別に自分の腹が痛むわけではない。
中央の大手ゼネコンが適当に「談合」して、「適正な工事価格」を決めてくれる、そこからまた献金が受け取れる。
工事が始まれば、地元にも金が落ちる、みんながハッピーになるのですから、言うこと無しですね。
でもその結果、国も地方も財政が破綻し、気が付けば全国が夕張市状態、これが今の日本の構図です。
ここ最近になって知事の逮捕が相次いでいるのは、地方分権で知事の権限が大きくなっているためであって、癒着の構図が変わったわけではありません。
ゼネコンと取引のある方なら、多分一度や二度経験されているでしょうが、何か得体の知れない支払いを要求されたり、特定の個人口座に振込みを指示されたりすることがあります。
時には、必ず現金で手渡しせよと指定されたりします。使い道は、自ずと察しがつくというものです。
いずれにしろ、工事を通してアヤシゲナ資金が生み出される仕組みなのは、間違いないでしょう。
ゼネコンのトップは、談合との決別宣言を出していると言明していますが、こうした政治との癒着や業界の体質は、一朝一夕には改まりません。
先ずは利益を供与される政治の側が、自ら政治資金への規制と違反に対する罰則を強化してしか方法が無いでしょう。
最終的には、国民の監視の眼が決め手になります。
今年は地方選挙と参院選挙の年ですね。
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