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2007/02/14

「米朝・出来レース」だった6カ国合意

予想通りというか、筋書通りというか、北朝鮮の核に関する6カ国協議において、2月13日合意文書が発表されました。
合意文書は、北朝鮮が核放棄の初期段階として、60日以内にヨンビョンの核施設を閉鎖し、IAEA=国際原子力機関の査察を受けいれれば、その見返りとしてまず重油5万トン相当の緊急エネルギー支援を同じく60日以内に始めるとしています。
またその後、北朝鮮が核施設を使えなくなるように「無力化」すれば、さらに95万トン相当のエネルギーと人道支援が行われるとしています。

合意内容の大筋は、先月ベルリンで行われた米朝会談において合意されていたもので、あとは残り4カ国の顔を立てるための時間稼ぎだったというのが、実情だったのでしょう。
最後は6カ国代表が見栄を切って、芝居の幕が閉じられました。
まるで弁天小僧の「稲瀬川勢揃いの場」ですね。

6kakoku

諸般の事情から北朝鮮の核問題での具体的な解決を図りたい米国と、エネルギー問題が切迫している北朝鮮、両者の思惑が一致したものです。
米朝会談の詳細は明らかにされていませんが、北朝鮮が米国を敵視し攻撃する意思がないことを確認したものと思われます。
米国としては、自国が直接攻撃されない保障があれば、大幅に妥協しても良いと考えて、従来の方針を転換したのでしょう。

今後の展開ですが、このまま北朝鮮が約束を守って核を放棄するかは大いに疑問はありますが、仮に順調に行くようであれば、次のステップとしては米・朝・韓による朝鮮戦争の終結宣言に進んでいくことが予想されます。
その場合、在韓米軍の引揚げや大幅な縮小ということになり、アメリカの対アジア戦略が大きく変貌してゆくことになる。
当然我が国に配置されている米軍も、それに伴って再編されることになります。
勿論、北朝鮮が約束を反故にして核開発を進めるようであれば、これとは逆の動きになってゆくわけで、どちらに転んでも日本は大きな影響を受けることは避けられません。

さてアメリカの諸般の事情ですが、現時点では対イラン政策が中心と思われます。
私は米国のイラク開戦の3ヶ月前にイランに行きましたが、アメリカの最終ターゲットはイランではないかとの認識を新たにしました。
その主な理由は次の通りです。
①世界の石油、天然ガス埋蔵量の10%を握るイランのエネルギー資源の確保
②ペルシャ湾の制空権と制海権の掌握
③イスラエル支援

私は最悪の場合アメリカは、イラン侵攻に踏み切るのではないかという危惧を持っています。
イラクで失敗したんだから、まさかイラン戦争にはならないだろうという観測もあるでしょう。
しかしギャンブルだって、負ければ負けるほど熱くなるのが人間の習性でもあります。
ブッシュ政権が、イラクで負けた分を、イランで取り返そうと思わないとも限りません。

イラク戦争の失敗から、自国の安全とイスラエル保護のために、アメリカは中東政策の立て直しを余儀なくされ、北朝鮮に妥協したということでしょう。
そのためには同盟国のことなどいちいち構ってはいられない、これがアメリカの本音と思われます。
イラク戦争の泥沼化が、今回の6カ国合意に影を落としたことになります。

一方で米国のイラク戦争には引き続き協力し、一方で北へのエネルギー支援には取りあえず参加しないという日本政府の方針が、大局を誤らなければ良いのですが。

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