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2007/02/10

ガス湯沸かし器の事故、利用者に落ち度はないの?

Rinnai経済産業省は2月9日、ガス器具最大手「リンナイ」が製造した小型湯沸かし器で、2000年1月から今年2月7日までに5件の一酸化炭素中毒事故が発生、計3人が死亡し、12人に中毒症状が出ていたと発表しました。
死亡事故はいずれも換気を行っておらず、部屋は密閉状態だったとされています。

我が家に初めてガス湯沸かし器が取り付けられたのは、今から35年ほど前です。
当時スキマ風が入ってくる木造アパートにいましたが、それでも湯沸かし器を使っている間は、台所の小窓を開けていました。
現在のガス湯沸かし器は、安全のために室外式にしています。

ネットで、ある七輪メーカーのサイトに、次のような注意が書かれていましたので、紹介します。
【「七輪による自殺」と報道されますが、これは間違いで正確には「練炭などの燃料による自殺」なんです。
毒ガス(CO)は、「練炭」だから発生するというものではありません。
紙、布、木材、ガス、石油、などなど、さまざまな物質を燃焼させれば発生するのです。
七輪を室内で使う時は、石油ストーブやガスストーブを使用する時と同様に換気さえすれば、一酸化炭素中毒、酸素欠乏にはなりません。
正しい認識をお持ちいただければ幸いです。】

きっと七輪がキケンという風評被害があったのでしょう、燃料や燃焼器具を使う時の基本的な注意が書かれています。
ここに書かれている通りです。
ものを燃やす時は、必ず換気は必要なのです。

ここでちょっと、中学の理科の時間を思い出してください。
ものが燃える「燃焼」というのは、酸素が化合する「酸化」だと習いましたね。
燃料として使われる物質は多くが炭素(C)製品ですから、完全燃焼すれば炭酸ガス(CO2)になります。
化学式ではこう書いてありました。
C + O2 = CO2
部屋が密閉されていると、次第に炭酸ガス濃度が高くなる、つまりは酸素濃度が低くなりますから、いわゆる酸欠になり、最後は窒息します。

ところが酸素の量が不足し、不完全燃焼になると一酸化炭素(CO)が発生してしまいます。
2C+ O2 =2CO
これにより一酸化炭素中毒が起こります。
軽度の一酸化炭素中毒では、頭痛、吐き気、嘔吐、体調不良が起こりますが、
中度から重度の一酸化炭素中毒は、錯乱、意識消失、胸痛、息切れ、昏睡が起こります。そのため犠牲者の多くは自力で動くことができなくなり、救助が必要となります。
重度の一酸化炭素中毒は、しばしば死に至ります。

つまり、ガスだろうと石油だろうと木炭だろうと、ものを燃やす、燃焼器具を使う時は、部屋は密閉してはいけない、必ず換気をしなくてはいけない、これが原則です。
燃焼器具が、外部から空気を取り入れる方式であれば換気は必要ないですが、それでも換気口が塞がってくることがあります。
同様に安全装置がついていても、装置の劣化や故障も起こりますから、いずれにしろ過信は禁物で、定期的な換気は必要です。

昔はどこの家庭でも練炭や炭団、木炭を使っていましたので、冬になるとしばしば中毒の事故が報じられていました。
しかし火鉢や七輪のメーカーが訴えられたという話は、聞いたことがありません。
これだけ社会の教育レベルが上がっている筈なのに、「燃焼には換気」という原則がおろそかにされているのは、意外な感じがします。
暖冬とはいえ、未だ暖房器具のお世話になる時季が続きますので、利用者はくれぐれも注意が必要でしょう。

どんな道具や器具であっても、正しく使えば便利ですが、間違った使い方をすれば危険を伴います。
現実に事故が起きているならば、メーカーとしては様々な方法で注意を喚起すべきだし、監督官庁への報告は必要ですが、間違った使い方や不正な改造が行われた場合、メーカーとしてどこまで責任を負うべきなのか、大変悩ましい問題です。

先般のパロマ及び今回のリンナイの事故について、原因の究明と、メーカーの責任について経済産業省や司直がどうような判断を下すのか、注視したいと思います。

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コメント

それにしてもリンナイは無いと思ってたのに。表沙汰にならなっかたのは通産省の指導だったのでしょうか。リンナイが知らんぷりを決め込んだのでしょうか。三菱自動車、パロマ、リンナイ、の隠蔽、建築物の耐震偽装など行政がどれだけ指導できるのか、隠蔽を見ぬフリをしているのか私にはわかりません。
年がわかりますが、燃焼商品の換気というのは常識でした。特に風呂のバランス釜の事故は多かったと思います。練炭、炭火でフラフラした経験のある方も多いでしょう。今は高性能の機械が出てきてそんなことを考える人がいなくなりました。

投稿: ヒキノオカビト | 2007/02/11 10:31

ヒキノオカビト様
コメント有難うございます。
酸素が不足すれば不完全燃焼となり、CO中毒を引き起すということは、誰もが知っています。
処がハイテクの時代になると、そうしたメカニズムが見え難くなるのでしょうか、原理が疎かにされているような気がします。
エセ科学や、非科学的なものの考えが流行している風潮とも関連があるのでは、という思いから、記事にしました。

投稿: home-9 | 2007/02/12 09:44

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» 2007.2.16 緊急!ガス器具の事故が続発しています  No.57 [ゆー子のお手軽生活]
連日、ガス器具での痛ましい事故の報道が続いています。せめてユーザー側で防げるものは、片っ端から防いでいきましょう。 [続きを読む]

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