渋谷の妹バラバラ事件で、警察が証拠品を捨てていた
ビックリするような警察の過失です。
東京都渋谷区の歯科医師武藤衛さん宅で、長女の短大生亜澄さんが殺害され、兄で二男の予備校生勇貴被告が殺人と死体遺棄で逮捕、起訴された事件は、世間の大きな関心を集めました。
兄が妹を木刀などの凶器で殺害し、ノコギリで遺体を切断したとされている事件です。
処が、今日になって警視庁捜査1課は、この事件の重要な証拠品を紛失していたことを発表しました。
経過は次の通りです。
12月30日 亜澄さん殺害され、遺体が切断
1月3日 亜澄さんの遺体発見
1月4日 勇貴被告を逮捕
1月7日 証拠品の紛失が判明
2月5日 勇貴被告を起訴
2月9日 証拠品の紛失を公表
問題の紛失した証拠品は、凶器の木刀、遺体切断のノコギリ、武藤さん宅から押収した家族の運動靴やトレーナーであり、いずれも事件の鍵を握る重要証拠品ばかりです。
これらを段ボールに入れ署内に保管していた所、1月6日朝、捜査員が誤って廃棄したと見られています。
今回の警察のミス、詳細が明らかにされていませんが、いくつかの疑問があります。
第一の疑問は、警察の証拠品の保管規定がどうなっているのかです。
言うまでもなく証拠というのは、裁判の結果を大きく左右し、罪状はもちろん、時には被告の生死を分けることになります。そうした重要なものの保管に関しては、当然規定(マニュアル)が存在する筈です。
今回の証拠品の紛失は、警察の規定に反したことが原因なのか、明らかにする必要があります。
第二の疑問は、1月6日に誤って廃棄し翌日に気がついたのに、なぜ警察はさがせなかったのでしょうか。
私たちが廃棄したものを取り戻すのは至難の業ですが、警察なら比較的容易な筈です。
第三の疑問は、なぜ公表が1ヶ月遅れたのかという点です。
不祥事は出来るだけ早期に公表するというのが原則です。
捜査機関のミスでもあり、仮に百歩譲って被告の起訴を待ったとしても、起訴から4日間過ぎた週末に発表したのは、何らかの意図があったと思われても仕方がない。
最後は警視庁捜査1課の光真章課長の談話、「証拠品管理に手落ちがあり、誠に遺憾。二度と同じことが起きないよう、指導を徹底していく」という表現です。
遺憾というのは辞書では、「思っているようにならなくて心残りであること。残念な、そのさま。」と定義されています。
遺憾じゃないだろう。そんな他人事のような表現で済ませる気か。
捜査当局の重大な過失であり、本来であれば記者会見を開き、ミスを犯した署員の処分を含めて謝罪を行うのがスジでしょう。
この期に及んで、なぜそっくり返っていられるのか、理解に苦しみます。
もし公判で、被告が「自分はやっていない」と主張しだしたら、警察はどうするつもりなのでしょうか。
公判維持が、非常に難しくなる局面も生まれかねない。
警視庁は、事の重大性をどこまで認識しているのか、疑ってしまいます。
このブログでは、警察の裏金問題を度々取り上げ、警察の隠蔽体質と、事実が明らかなると今度は居直るという体質について再三批判を行ってきましたが、今回の不祥事もまたその例に漏れないようです。
ゴメンで済めば、警察は要らない。
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