「第29回 七転八倒の会」
先日「議員特権コンテスト」というのが行われ、東京都議会が輝くワースト1に選ばれた由、ご同慶に堪えない。2位は横浜市議会だとか。
ついでに、「知事特権コンテスト」をしていれば、石原都知事が間違いなく優勝したでしょうね。
この知事にして、この都議会あり。
だけどこの「議員特権コンテスト」、今年行われる参院選東京選挙区の予定候補である川田龍平氏が審査委員と聞き、ちょっとシラケましたね。
審査結果の発表も横浜市議がやっていましたし、テイの良い選挙キャンペーンなのでは。
さて本題ですが、「第29回 七転八倒の会」は、2月11日神楽坂・毘沙門天善国寺で行われました。
チケットは予約で完売、近頃はこうした小さな落語会も人気があるんですね。
場内のあちこちで挨拶が交わされていて、アットホームな雰囲気の会でした。
前座が女性だったので、一言。
古典芸能はどうしても男の世界になり勝ちですが、わけても落語は男の世界です。女には向かない職業の典型でしょうね。女流の噺家はいますが、まあ例外なく面白くない。
これが漫才や講談となると、少しは話が変ってきます。女性でも上手い人はいます。
浪花節ではトップクラスの女浪曲師がいます。例えば沢孝子さん、私はこの人が現役No.1だと思っています。
いくら落語が好きでも、女性が噺家になるのだけは、止めた方が良いでしょう。
この会の出演者は二人で、二ツ目の五街道弥助と真打の柳家喜多八です。
一回に2席ずつとして、ご両人共にこの例会だけでおよそ60席のネタをやってきた勘定になります。
いい勉強だったでしょうね。
先ず柳家喜多八は「町内の若い衆」。
今一番面白い落語家は誰?と聴かれたら、私なら柳家喜多八と答えるでしょうね。それほど喜多八の噺は面白い、笑えること請け合いです。
喜多八の面白さは、噺の「間」です。この辺りは師匠の柳家小三治の芸を良く継いでいます。
しかしこの「間」は、ある意味天性だと思います。
何十年噺家をやっていても、一向身に付かない芸人もいれば、若い頃から「間」が良い芸人もいます。
実生活で奥さんと上手くいっていないというマクラを振って、本題の「町内の若い衆」へ。何だか話の続きを聴いているような、絶妙な入り方です。
短いネタですが、頼りない亭主と猛妻との掛け合いの面白さが、場内の爆笑を誘っていました。
五街道弥助は「堀の内」。
弥助は年齢の割に落ち着いた高座ですが、若手らしい勢いが欲しいところです。
この「堀の内」という演題は、とにかくテンポが勝負です。トントンと行かないと面白くない。
かなり間延びした「堀の内」で、客は笑い損ねていました。
このネタが、弥助の芸風に向いていないのかも知れない。
仲入り後、柳家喜多八の2席目は「小言幸兵衛」。
ネタ下ろしだったのでしょうか、直前まで稽古をしていたそうです。
いくつか細かなミスはありましたが、十分楽しめました。
大家と空き家を借りにくる商売人との掛け合いの「間」が絶妙で、面白く仕上がっていました。
心中のお芝居の場面をもう少し丁寧に演じれば、喜多八の得意ネタに一つになるかと思います。
最後は五街道弥助で「禁酒番屋」。
弥助は前のネタより出来が良く、丁寧に演じていました。
注文は二つあり、一つは酒の酔い方が下手。この噺は、番屋の侍が、次第に酔っ払っていく所が見せ場の一つだけに、物足りない。
それと最後に小便を詰めて持参して行く若い衆は、もっと江戸っ子らしく威勢が良くないといけない。侍をギャフンと言わせるオチを利かせるためにも、大事なところです。
弥助は二ツ目なので、まだこれから勉強することが沢山あるということでしょうか。
お客は、喜多八の2席で満足していたようです。
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