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2007/03/05

「二大政党制という幻(まぼろし)」再論

Toushu3月3日未明に衆院を通過した予算案の採決をめぐって、民主党の対応に対して他の野党から批判の声が上がっています。
今回の採決では、民主党が伊藤達也財務金融委員長への解任決議案を取り下げ、予算案可決で自民党と妥協したもので、この結果、予算案が年度内に成立する見通しとなりました。
これに対して、例えば国民新党の亀井久興幹事長は「徹底して戦う姿勢を示すべきだった。腰砕けのようになり大変残念だ」と民主党を批判しています。
もう一つ、本会議での採決に小沢代表が欠席したことも、与野党双方から批判の声が上がっています。
理由は遊説日程との関係とされていますが、野党第一党党首の敵前逃亡と見られても仕方がない。

民主党都議団は、都の来年度予算案の採決で、石原都政で初めて反対する方針を決めました。
前回の記事に書いたように、過去民主党は石原都知事が提出した法案に100%賛成してきました。
今回の豹変について田中良幹事長は「来年度の事業すべて否定する気はない。反対はある種の政治的判断」と語っています。
早くいえば都知事選を目前にして、対決のポーズを取ったということでしょう。
この件について石原都知事は、民主党の主張も取り入れた予算案なのに、どうして反対するのかと疑問を投げかけています。
大嫌いな石原慎太郎ですが、この点だけは正論です。

今国会では、政治と金の問題が大きなテーマでした。
殆ど費用がかからない筈の事務所経費に、年間数千万もの支出を行っている議員が、多数いることが判明しました。
領収書を添付する必要のないという制度を悪用し、その多くは裏金などの不透明な資金として使われていたと目されています。
これを機に法律を改正して、資金の透明性を高めるように法律を改正する絶好の機会であったにも拘らず、政府自民党の逃げ切りを許してしまいました。
民主党の議員の中にも、こうした法を悪用した人物がいたため、中途半端な追求で終わらせてしまったのが原因と思われます。
同じ穴のムジナでは、追求の手も緩むというものです。

格差是正に関しては、確かに今国会で民主党は国会審議で政府を追及してきました。
しかし格差の拡大を生んだ原因である新自由主義的経済政策に関しては、元来は民主党が主張していたものです。
小泉政権がいわばそれを先取りした感があり、当時の民主党の主張も、そうした経済政策を批判するのではなく、むしろ政策の不徹底を指摘していました。
自民・民主の党首討論で、当時の小泉総理が再三にわたり、民主党もこっちに来て一緒にやろうと呼びかけていたのは、まだ記憶に新しいところです。

教育基本法改正案についても、自民党案より民主党案の方が「自民党」的でした。
民主党は、党首を始め主な幹部の大半が、元々が自民党の出身ですから、当然といえば当然です。

誤解を恐れずに言わせて貰えば、現在の日本の議会の実態は、事実上「大自民党」という政党の一党支配で、その他にいくつかの少数党が存在していると思えば良い。
その「大自民党」の中で、たまたま安倍晋三派が率いる主流の「自民党」、小沢一郎派が率いる反主流の「民主党」というグループがある。今は「自民党」が主流派であるため閣僚を出していて、「民主党」は冷や飯を食っている、こういう構図と考えられる。

低調な国会論戦と、何かといえば審議拒否という国会戦術、これも「大自民党」内部のコップの中の嵐と考えれば理解し易い。
政策や主張に差が無ければ、「物理的抵抗」ポーズに頼るしかない。
自民・民主揃っての支持率低下も、「大自民党」離れが進んでいると考えた方が良いのかも知れません。

都知事選で、「大自民党」の自民・民主が揃って独自候補を立てられなかったのは、国会では大多数を占めているものの、必ずしも国民の支持基盤が強固ではない表れです。
先の宮崎知事選にも、その傾向が出ていました。

今後我が国の政局は、引き続き「大自民党」一党支配が続くのか、それとも「大自民党」支配が崩れてゆくのか、この点を注視してゆきたいと思います。

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