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2007/04/19

長崎市長銃撃事件 小泉と安倍の姿勢について再論

Ikeda_hayato今回の長崎市長への銃撃事件は、言論を暴力で圧殺するという民主主義の根幹にかかわる事件であると同時に、選挙運動の真っ最中に候補者を殺害するという選挙民主主義への挑戦という、許しがたいテロ行為です。
無防備な相手を背後から銃撃するという城尾哲弥容疑者の犯行は、ヤクザの風上にもオケネエ卑劣な手口です。

こうしたテロ事件が起きたときには、最も大切なことは、国の最高責任者の毅然とした姿勢と、二度とこうした政治的テロ行為を許さないと言う決意を示すことにあります。

この点に関して、先日の記事にも書いたように、加藤紘一氏の実家を右翼が放火した事件で、当時の小泉総理は1週間近く何もコメントせず、記者から質問されると大騒ぎしたマスコミが悪いと言い放つ始末、正に何をかいわんや。
今回の安倍首相のコメントについても、いかにも木で鼻をくくったような内容でした。「厳正な捜査を求める」のは、アッタリマエの話で、これでは何も主張していないと同じことです。
翌日になって、あれは事件直後だったからなどと言い訳をしていますが、直後だから大事なのです。

1960年に社会党(当時)の浅沼委員長が、右翼に刺殺された事件がありましたが、浅沼稲次郎氏の死を悼んで、当時の池田勇人首相が国会で追悼演説を行っています。
ここには池田総理の、このテロ事件に対する激しい怒りと、最大の政敵であった浅沼委員長への深い思いやりに溢れています。
演説を聞いた野党席からも泣き声がもれたという演説内容を、少し長くなりますが引用します。

かつての自民党の指導者には、こうした立派な人物がいたということ、小泉前総理や安倍総理には、池田勇人氏の爪の垢でも煎じて欲しい。
昨年「国家の品格」という本がベストセラーになりましたが、今最も問われるべきは「総理の品格」ではないでしょうか。

日本社会党中央執行委員長、議員浅沼稲次郎君は、去る十二日、日比谷公会堂での演説のさなか、暴漢の凶刃に倒れられました。
私は、皆様の御同意を得て、議員一同を代表し、全国民の前に、つつしんで追悼の言葉を申し述べたいと存じます。(拍手)
ただいま、この壇上に立ちまして、皆様と相対するとき、私は、この議場の一つの空席をはっきりと認めるのであります。私が、心ひそかに、本会議のこの壇上で、その人を相手に政策の論争を行ない、また、来たるべき総選挙には、全国各地の街頭で、その人を相手に政策の論議を行なおうと誓った好敵手の席であります。
かつて、ここから発せられる一つの声を、私は、社会党の党大会に、また、あるときは大衆の先頭に聞いたのであります。今その人はなく、その声もやみました。私は、だれに向かって論争をいどめばよいのでありましょうか。しかし、心を澄まして耳を傾ければ、私には、そこから一つの叫び声があがるように思われてなりません。「わが身に起こったことを他の人に起こさせてはならない」「暴力は民主政治家にとって共通の敵である」と、この声は叫んでいるのであります。(拍手)
私は、目的のために手段を選ばぬ風潮を今後絶対に許さぬことを、皆さんとともに、はっきり誓いたいと存じます。(拍手) これこそ、故浅沼稲次郎君のみたまに供うる唯一の玉ぐしであることを信ずるからであります。(拍手)

―(中略)―

かくて、君は、戦前戦後の四十年間を通じ、一貫して社会主義政党の発展のために尽力され、君自身が社会党のシンボルとなるまでに成長されたのであります。浅沼君の名はわが国政治史上永久に特筆さるべきものと信じて疑いません。(拍手 )
君がかかる栄誉をになわれるのも、ひっきょう、その人となりに負うものと考えるのであります。
浅沼君は、性明朗にして開放的であり、上長に仕えて謙虚、下僚に接して細心でありました。かくてこそ、複雑な社会主義運動の渦中、よく書記長の重職を果たして委員長の地位につかれ得たものと思うのであります。(拍手)
君は、また、大衆のために奉仕することをその政治的信条としておられました。文字通り東奔西走、比類なき雄弁と情熱をもって直接国民大衆に訴え続けられたのであります。
  沼は演説百姓よ
  よごれた服にボロカバン
  きょうは本所の公会堂
  あすは京都の辻の寺
これは、大正末年、日労党結成当時、浅沼君の友人がうたったものであります。委員長となってからも、この演説百姓の精神はいささかも衰えを見せませんでした。全国各地で演説を行なう君の姿は、今なお、われわれの眼底に、ほうふつたるものがあります。(拍手)
「演説こそは大衆運動三十年の私の唯一の武器だ。これが私の党に尽くす道である。」と生前君が語られたのを思い、七(ママ)日前の日比谷のできごとを思うとき、君が素志のなみなみならぬを覚えて暗たんたる気持にならざるを得ません。(拍手)
君は、日ごろ清貧に甘んじ、三十年来、東京下町のアパートに質素な生活を続けられました。愛犬を連れて近所を散歩され、これを日常の楽しみとされたのであります。国民は、君が雄弁に耳を傾けると同時に、かかる君の庶民的な姿に限りない親しみを感じたのであります。(拍手) 君が凶手に倒れたとの報が伝わるや、全国の人々がひとしく驚きと悲しみの声を上げたのは、君に対する国民の信頼と親近感がいかに深かったかを物語るものと考えます。(拍子)
私どもは、この国会において、各党が互いにその政策を披瀝し、国民の批判を仰ぐ覚悟でありました。君もまたその決意であったと存じます。しかるに、暴力による君が不慮の死は、この機会を永久に奪ったのであります。ひとり社会党にとどまらず、国家国民にとって最大の不幸であり、惜しみてもなお余りあるものといわなければなりません。(拍手)
ここに、浅沼君の生前の功績をたたえ、その風格をしのび、かかる不祥事の再び起ることなきを相戒め、相誓い、もって哀悼の言葉にかえたいと存じます。(拍手)

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コメント

やくざの上納金のためになんだかんだと難癖をつけ、それも容認されない挙句に銃殺。
まさにチンピラの成れの果てですね。
靖国神社参拝に対しては毅然たる態度で報道陣に対していたのに、この件に関しては曖昧模糊としており、まさしく優柔不断な姿勢を露呈した感のある阿部ちゃん。
いま頃ママに、何をやってるのよとやり込められてるのかもしれませんね。
頑張ってほしいもんですね、団塊の世代よ!

dejavue様
コメント有難うございます。
今回の事件を、アタマのおかしい暴力団員の暴発とは思えません。
彼らは決して損をするような事はしませんから、事件を起こすことにより、何らかの利益を目論んでいる筈です。
ここに警察の捜査がどこまで踏み込めるのかというと、これは余り期待できそうにない。
安倍首相の姿勢についてですが、祖父の岸信介が安保の大衆行動を弾圧するために暴力団を使ったこと、勝共連合を結成するにあたり彼らの力を借りたという経緯があります。
安倍総理の消極的な態度というのは、そうした反映ではないかと思います。

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