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2007/04/13

次は進んで戦場に行く若者作りか

Kokumintohyo国民投票法案が4月12日、衆院憲法調査特別委員会で与党の賛成多数で可決されました。13日中の衆院通過が予定されています。
国会に憲法調査会ができて7年、任期中に憲法の改正を目指す安倍晋三総理にとって、改正への一里塚に一歩踏み出したことになります。

ここの所、新聞各社の世論調査でも、改憲に賛成する意見が減ってきており、安倍内閣としてはモタモタしているとますます反対意見が多くなるので、とにかく急ごうというわけです。
改憲の発議には、衆参両院の3分の2以上の賛成を得なくてはならないので、現在に与野党の議席比から見れば難しそうに見えますが、最大野党の民主党の主流派は改憲論者が多数を占めていることから、予断は許しません。

憲法改正論の中心は、9条の改正です。
自民党は結党以来、改憲を党是としてきましが、最大の目的は9条の改正であり、それ以外の条項改正はいわばツケタシみたいなものです。
当時はもうちょっとストレートに、日本の再軍備と言っておりました。

改憲論としてよく登場してくるのは、日本の憲法はアメリカから押し付けられたものだという主張です。
アメリカの押し付けだからケシカランというなら、戦後の民主主義も言論の自由も信教の自由も主権在民も、はては象徴天皇から婚姻の自由、農地解放に至るまで全てがケシカランなわけで、とりわけ憲法9条だけをとり上げるのは、バランスを欠くように思われます。
「押し付け憲法論」の行き着く先は、全てをご破算にして明治憲法に戻るしかないのでは。

現憲法がアメリカの押し付けなら、改憲と日本の再軍備もまたアメリカの押し付けです。
第二次大戦後間もなく、米ソの冷戦が激しくなるころから、アメリカからの憲法改正を求める声が強まります。
1947年に現憲法が制定されますが、翌々年の1949年には早くもアメリカの統合参謀本部が「日本の限定的再軍備」という方針書を作成します。ここで日本に憲法9条を持たせたことを後悔し、憲法を改正させなければならないという米国の方針が明らかになります。
これ以後アメリカは我が国に対し、一貫して9条の改正を求めてきます。

1950年の朝鮮戦争の開始を背景に、米国からの要請に応える形で日本の再軍備が唱えられ始めます。
同年に今の自衛隊の前身である警察予備隊の創設、翌年の日米安保条約の制定へと進み、この文脈の延長上に自民党の改憲の方針が決められていきます。
こうして見ていくと、9条改正は当初からアメリカからの要請により計画されたものであり、自主憲法ウンウンはいささか羊頭狗肉の観があります。

もう一つ9条改正を急ぐ背景に、産業界からの強い要請があります。
軍需産業というのは一般的に利益率が高く、定期的に設備更新してくれので、とてもオイシイ仕事だと言えます。
我が国の兵器産業各社に、自衛隊の幹部が多数天下っているのを見ても、それが分かります。
兵器を大量に消費してくれるのは何より戦争であり、軍需産業にあっては戦争こそが最大の公共事業です。
これは現在の米国の姿を見れば、はっきりしますね。

もっと米国と密接に軍事行動をとり、じゃんじゃん武器を使って欲しい。外国への武器輸出も出来るようにならないかしら。軍需産業の経営者なら誰でもそう考えるでしょう。
そうなるとどうも憲法9条がジャマだ、早く改正してくれ。
最近の財界首脳から、憲法改正への発言が強まっている背景は、単純な経済原則でしょう。

体制はできるかも。しかし今の若者が果たして進んで戦地に行ってくれるのか、この点が不安だね。
ちょっとイラクへ派遣されただけで、自殺しちゃうようなヤワナ自衛隊員みたいじゃ困るんだよね。
どうもニートだの引きこもりだの、近頃の若いもんは戦力になりそうもないねぇ。
これからは、国のために進んで命を投げ出してくれる若者を作らなくちゃあ。
そのためには、少々遠回りでも教育から変えないといけないね。
教育が大事だ!

かくして憲法9条改正へのロードマップは、着実に進行しつつあります。
さあ、若い方々はどうするんでしょう。

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