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2007/05/04

第13回上方落語会@横浜にぎわい座

Tsurube鶴瓶が出るということで、ようやく前売りチケットを手に入れて、5月3日満員の横浜にぎわい座へ。席は2階席2列目の中央と言う好位置だった。

かつて大阪落語は、東京人には概して不評であった。あのアクの強さがハナにつくのである。早口の関西弁の落語にも違和感があった。
それと昔の東京落語というのは、そんなに笑わせなくても良いという風潮があった。客にクスリと笑わせるのが上手い噺家だということ。
だから寄席に行く時も、「ちょっと噺を聴いてくる」と言って、出かけていたもんだ。

処が、東京の落語も笑いを第一に求めるようになり、大阪とベクトルが一致してきた。
加えて大阪の芸人が、東京のメディアに頻繁に出るようになって、関西弁に対する抵抗感がなくなり、話も聞き取り易くなってきた。それに関西弁自体も、マイルドになった気がする。少し標準語と同化してきたのだろうか。
現在は、観客にとっては東京・大阪の垣根が消滅していると言って良いだろう。

それでも東京と比べ、上方の落語家というのは共通した特徴がある。
第一に、笑わせる事に貪欲である。出演者の一人が言っていたように、会場の客が「さあ、笑わせえ」と待ち構えているというのが、大阪の寄席だそうである。
それに応えて、芸人の方も「笑わせてナンボ」ということになる。
第二は、サービス精神が旺盛なこと。金を払った分だけは楽しませようという精神で、これは上は米朝のような大看板や三枝のような人気者から若手に至るまで、共通している。
第三は、ハイテンションであること。大阪の観客のエネルギーに負けないようにと、芸人もまた目一杯のハイテンションをかけることなる。

前フリはこれ位にして、演者と演目を紹介する。

桂しん吉 「犬の目」
眼医者に行った患者が、人間の目の代りに犬の目を入れられてしまうという他愛のないネタであるが、何とか面白く聴かせようという熱意は伝わってくうような高座だった。
しん吉は今回の主演者の中で最も若いと思われるが、東京の若手も、こうした上方芸人のハングリー精神は学ぶところがあるだろう。
笑福亭銀瓶 「宿題」
かつて三代目三遊亭金馬がよく「勉強」というネタを高座にかけていたが、これはその現代版であろうか、桂三枝の作とのこと。
子供の宿題を解けずに親が四苦八苦するというテーマだが、これが良く出来ている。
小学生の算数の文章題というのが、理屈上からいうと変な問題なのに、計算が結構ヤヤコシイという点を捉えたもので、客席を湧かせていた。
銀瓶はオロオロする父親の描写が良い。
桂三風 「テレショップパニック」
毎日TV画面から流れるあテレショップ番組、あのバカバカしさを諷刺したような新作で、熱演だった。
観客を噺に参加させるという手法も、東京では新鮮である。
桂都丸 「替り目」
仲トリらしく、前半を古典で締めた。
このネタは、通常お上さんがおでんを買いに行く所で切るのだが、都丸は珍しく最後のオチまで演じた。
その分長くなったが、途中ダレルこともなく、最後まで客をひきつけていた。芸の確かさである。

仲入り後
桂蝶六 「ぜんざい公社」
お役所仕事を諷刺しつたものだが、現在の状況とはズレが出てきたネタである。
それでも客をダレさずに聴かせたのは、演者の力量なのだろう。
笑福亭鶴瓶 「青木先生」
お目当ての鶴瓶、今回は自作で、私落語だそうだ。
ハッキリ言って、そう面白いネタではない。
そこはネームバリューと、独特の間と、しぐさの面白さで聴かせた。
多くの客は、ナマ鶴瓶を見ただけで、満足したと思われる。

今回の上方落語会を聴いて感じたのだが、中堅落語家たちの層の厚みである。
昔のように、漫才は大阪、落語は東京などとオサマッテはいられない。
東京の落語家たちもあんまり安閑としていると、その内落語も大阪になりかねない。
全体に充実した上方落語会であった。

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