「石原銀行」の経営危機
新銀行東京、通称「石原銀行」の経営が危機的状況になっています。
当期赤字だけで547億円、累積赤字は849億円に達し、このままでは東京都が出資した設立資金(都民の税金)1000億円を食いつぶす可能性が高くなってきました。
新銀行東京は、そもそも石原慎太郎の鶴のひと声で設立が決まったもので、2001年に石原慎太郎が都知事に再選された時の公約で、「東京都の中小企業を救う!」とブチ上げたのがきっかけでした。
石原都知事十八番の「思いつき」で、そのためこの銀行が「石原銀行」と名づけられているのです。
そもそも新しい銀行が設立された場合、「3年後の黒字化」は銀行法施行規則第1条で約束されていて、事実「セブン銀行」(質屋ではありません)はこの約束を果たしています。
処が「石原銀行」は、2001年4月にBNPパリバ信託銀行を買収して設立していますので、この規定には当てはまらない。
最初から「新銀行」は看板に偽り有りだったのです。
石原都知事の肝いりで、東京都が「人・金・モノ」を出して、華々しくスタートしたこの銀行が、なぜ大幅赤字を積んだのか、それは一口にいえば「放漫経営」に尽きます。
先ず、預金に対する貸し出しが50%程度であり、これでは赤字になるのは当たり前です。
営業は信用金庫に貸出先を紹介して貰う方法を採っていますが、優良企業であれば元々信金も他行に紹介する筈がない。
せっかく紹介しても、「『正常先でないと受け付けない』とか、『段階的に保証料をつけて企業を選別する』とか、注文が多すぎる」。その結果「10社紹介しても取引するのは、1,2社あればいいほうじゃないですか」と信金幹部が証言するような状態です。
一方借り手の中小企業の中からは、金利が段階的に引き上げられて利息が14%も取られ、これじゃサラ金並みだという批判の声が上がっています。
つまりこの銀行は、「石原慎太郎殿様商法」銀行であり、最初からまともな営業などしていなかった、赤字当然銀行だったということです。
再建に向けて、りそな銀行から森田徹氏を新社長として迎えますが、見通しは厳しい。
この件で肝心の石原知事は、「発案は私でその責任はあるが、私も金融の専門家ではない。経営者に責任がある。」とコメント、相も変らぬ無責任男。
実は、今年行われた東京都知事選では、この新銀行の処理問題が最大の争点でした。
このまま行けば、石原知事の退任と共に1000億円は紙くず同然になり、そのツケは都民に回ってきます。
言っておきますが、私は払いませんよ。
石原慎太郎に投票した人が、分担して払って下さい。
« 男が「風俗」へ行く時 | トップページ | 暴力団員の公営住宅からの排除は疑問 »
「ニュース」カテゴリの記事
- 小室夫妻がそんなに気になるのか(2022.11.01)
- 英国エリザベス女王の死去(2022.09.09)
- 「ひろゆき」って意外に世間知らずだね(2022.08.29)
- 安倍晋三元首相への国会の追悼演説の人選(2022.07.28)
- 派閥の長が統一協会票を割り振っていた(2022.07.21)
トラックバック
この記事へのトラックバック一覧です: 「石原銀行」の経営危機:
» ビジョンない そうなんだとは 情けない/国民も 本音を言わぬと えらい目に [アルデバランの 夢の星]
色々引用させていただきました。どうぞ、よろしくお願いします。 [続きを読む]
» 今までの 責任 支持者 とるべしの 不支持者の声 大になりつつ/失政は 不支持者いつも 尻ぬぐい [アルデバランの 夢の星]
色々引用させていただきました。どうぞ、よろしくお願いします。 [続きを読む]
コメント