何が嬉しいといって、最近寄席に子供が増えてきたことだ。
子供に落語が分かるかという疑問もあるだろうが、私も8才の時に寄席に連れて行って貰って、こんなに面白いものかと思った。艶笑噺だって、何となく分かった。
良い子の皆さん、小さい頃から寄席に行ってると、将来オジサンのようなリッパな人になれますよ。
先日こちらに寄せられてコメントで、マンガを嫌う(嫌ってはいないが)人間がどうして落語の面白さが分かるのかという指摘があったが、落語とマンガはカルチャーが異なる。
寄席に行くと、開演前や仲入りに本を読んでいる人をよく見かけるが、マンガを読んでいる人に会ったことがない。
どちらが上とか下とかいう問題ではない。ジャンルが全く違うのだ。
さて7月28日土曜日午後の池袋演芸場下席、開演40分前に到着だというのに立ち見になってしまった。
盆や正月でもないのに、立錐の余地もないほどの盛況。喬太郎目当てのファンが多いのか、いつもより客の平均年齢が若い。
そのせいか、妙に熱気が篭っていた。
前座・柳家小んぶ「道灌」
名前に似合わず大柄の少々ヒネタ前座だが、声が良い、声優にしたい位だ。
インテリ臭がなくなれば、面白い存在になるかも。
柳家さん弥「野ざらし」
八五郎に粋さが欲しいところだが、とても個性的で、二ツ目としては良い出来だった。
柳家喬之助「夏どろ」
このエントリーが遅れたのは、喬之助のネタが思い出せなかったからだ。
当方の記憶力が悪くなったのか、喬之助の印象が薄かったのか。
柳亭左龍「初天神」
地味だが着実に力を付けてきている。この人は顔で得をしている。
すず風にゃん子・金魚「漫才」
どうも女同士の漫才は面白くない。
古今亭菊之丞「替り目」
赤城農水相を真似て、顔に絆創膏を貼って登場。よくこんな姿で人前に出られましたねと言っていたが、その通り。あの人がヘンなのだ。
端正に演じていたが、この人の演じる女性は色っぽ過ぎて、皆んな水商売に見えてしまう。
三遊亭白鳥「勘当船」
吉原通いの大川の猪牙船競争を、ブッシュと金正日のボートレースに置き換えて、諷刺とギャグを詰め込んでの熱演、大いに楽しめた。安倍首相を「垂れ目パンダ」と言っていたが、正にピッタリ。
白鳥は真打昇進の頃には、この人将来どうなるのか不安だったが、自分の居場所を見つけつつある。
―仲入り
柳家三三「不幸者」
前に他のブログで酷評されていたが、私は十分面白かった。
中席のトリで圓窓が演じたが、三三の高座に軍配を上げる。
旦那に貫禄が欠けるが、芸者に色気があった。
入船亭扇辰「化物使い」
品が良すぎるのか、愛嬌に欠けるのか、この人の高座にはいつも不満が残る。
一皮剥けると、良い噺家になるのだが。
大田家元九郎「津軽三味線」
今日は「ウエシタでぃ」が出なかった。
柳家喬太郎「屋形船ジャック」
寄席というより、喬太郎ファンクラブの集いといった会場の雰囲気。
風邪で声がかすれていたが、サービス精神でカバーしていた。
この日のハイジャック犯は柳家三三、説得に師匠・小三治を出すなど、噺家たちの物真似や楽屋オチを織り交ぜて、場内をワッと沸かせてファンの集いは無事にお開き。
4時間近くの立ちっぱなしはきつかったが、熱演が続いて満足のいく高座だった。
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