「アンパンマン」のテーマは悲しきラブストーリー
TVの幼児番組というのは、自分の子供が幼い時に見る機会があっただけですが、ここ数年は孫のお守りをしている関係から、久々にNHK教育TVの「からだであそぼ」やアニメ番組に付き合っています。
毎日のように見ているとこれがなかなか面白いんです。
幼児番組といえども、作りは大人向けのものと余り違わないことに気付きます。
「クレヨンしんちゃん」は、毎回シモネタ満載で、子供より先にこっちがニヤッとしてしまう。
「ドラえもん」でのしずかちゃんの入浴シーンは、「水戸黄門」の由美かおるのそれと二重写しになります。
「それいけアンパンマン」というアニメも、実際に見るようになって随分と印象が変わってきました。
アンパンマンは単なる狂言回しで、実際の主人公は、毎回手を変え品を変えアンパンマンたちに悪さを仕掛ける「ばいきんまん」と、その相棒の「ドキンちゃん」です。
ドキンちゃんが、あれが欲しいあれが食べたいとオネダリすると、その望みを叶えるべく、ばいきんまんが知恵を絞って奮闘努力する。
しかし最後は正義の味方アンパンマンの“アーンパンチ”を食らって、バイキン城に飛ばされて終わりというのが毎回のお約束です。
キュートだがやたら他人のモノを欲しがる女の子ドキンちゃんの、まるで女王様気取りのわがままを全て受け入れ、ばいきんまんはひたすら努力する。
しかし最後は必ず失敗に終わるわけで、ドキンちゃんからは感謝されたためしがない。
人間社会でいけば、ばいきんまんは風采が上がらぬ中年男、ドキンちゃんは20才前後のピチピチギャルというところでしょうか。
いくらブランドものを買ってやっても、高いレストランへ連れて行っても、いくら尽くしてもサッパリ相手はなびいてくれない。
美女と野獣、ノートルダム・ド・パリ、人類永遠の愛のテーマですね。
しかもドキンちゃんには、「しょくぱんまん」という意中の人がいます。
永遠に報われぬ愛に苦しむばいきんまん、涙無しでは見られません。
その一方でばいきんまんは、敵方の可憐な少女「めろんぱんな」にも、ほのかに好意を寄せています。
片方でコケティッシュな女性に惹かれながら、同時にもう一方では可憐な女性が好きになる、この辺りはビミョーな男心を衝いています。
「ウン、分かる、分かる」とうなずいている男性諸氏もおられるでしょう。
かつての苦い思い出が蘇ってくる男性も少なくないと思います。
「それいけアンパンマン」は、中年男の悲しきラブストーリーなのです。
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どうでも良い話で誠に恐縮ですが、タイ国内で売られているタイ語吹き替え版「ドラえもん」のビデオCDでは、しずかちゃんの入浴シーンにモザイク加工が施されています(笑)
投稿: タケチャンマン | 2007/07/10 11:33
タケチャンマン様
貴重な情報有難うございます。
しずかちゃんの入浴シーンにモザイクとは。
でも、どうしてそれをご存知で?
もしかしたら、隠れしずかファンでいらっしゃる?
投稿: home-9 | 2007/07/11 04:55