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2007/08/23

「御殿場の婦女暴行未遂」事件そのものが架空では

Yanagiharaこのブログでも再三とりあげてきましたが、裁判所あるいは裁判官の判断というものは、私たちの世間常識と大きなズレがあるようです。
検察は検察で、メンツに拘るのか、一度主張したことは絶対に変えようとしない。
8月22日に開かれた富山の婦女暴行事件で、検察はかつて被告として服役した後に冤罪であることが明らかになった柳原浩さんに対し、無罪の論告求刑を行いました。
今回のように真犯人は現れなければ、柳原浩さんの冤罪が晴れることは無かったでしょう。
検察側は再発防止を検討しているようですが、裁判所側もなぜ間違った判決をだしてしまったのか、検証する必要があります。
マスコミの非難も検察にのみ向けられていますが、私は一番いけないのは裁判所だと思っています。

さて同じ22日に、もう一件注目されていた裁判の判決が出ました。
静岡県御殿場市で2001年、少女(当時15歳)を乱暴しようとしたとして、婦女暴行未遂の罪に問われた当時16~17歳だった元少年4人(22~23歳)の控訴審判決が東京高裁であり、
中川武隆裁判長は、1審判決を破棄した上で、4人全員に懲役1年6月の実刑判決を言い渡しました。

この事件の発端は、2002年9月16日に被害者とされる少女が「婦女暴行を受けた」として警察に訴えたことに始まります。
その時の女子高生の供述は、「犯行時間は当日の20時20分から23時頃。御殿場駅から出たら二人の若い男に公園へ連れていかれた。がっちりと両手を掴まれて、怖くて声も出せなかった。そのうち人数は10人ほどになって、リーダー格の男が『そろそろやっちまおうぜ』と言った。脅されて母にウソの電話を入れた。暴行は一時間あまり続き、24時過ぎに帰宅しました。」という趣旨のものでした。

この供述に従って、当時中3~高2の少年10人(15~17歳)が逮捕され、捜査段階では全員が犯行を認めました。しかし少年審判で5人が否認し、このうち4人が検察官送致(逆送)され、起訴されました。
別の1人は、刑事裁判の無罪に当たる「不処分」となったが、検察側が抗告。東京高裁、最高裁で不処分が取り消された後に起訴され、1審で有罪判決を受けて現在控訴中です。

処が、事件のあったとされる時間に、少女が別の人に携帯電話をしていることが判明し、少年の親たちがその通話相手である男性「Y氏」に会い確認したところ、Y氏 は「出会い系サイトでその少女と知り合って、9月16日(犯行当日)に会うことになっていました。」とのことでした。
19回目の公判にY氏は出廷し、「21時15分に少女と会い、最低でも3時間は一緒にいた」と証言し、更に、「その少女は、『親には遅れた理由を誰かのせいにする』と言っていた。婦女暴行されたとか、そういう言い訳をするという意味です」との証言を行っています。
少女はその後、9月16日にY氏と会ったことを認め、「門限を過ぎていて、親に怒られるのが怖くてウソをついた」と供述しています。

ここまでは世間よくあることで、女子高生が親に内緒で男性と数時間過ごし、帰宅してから適当にウソをついた。それが後々になってウソがばれてしまったということですね。
関係者には多大な迷惑を掛けたのですが、「ゴメンナサイ」と謝罪すれば、事件としては終結した筈です。

処が、この少女は「犯行日を間違えていました。本当は9月9日でした」と犯行日を変更したのです。
人間は記憶違いということはママあり、日にちを間違えることも起きます。
しかしこの被害者の場合、犯行があったとされる9月16日当日に警察に訴えていますので、いくら何でも当日と1週間前と間違えることは有り得ないことです。
普通、被害者がこんなことを言い出したら。警察はとりあってくれないでしょう。
処が、検察側は犯行日を同年9月16日から9日に改める、異例の訴因変更を行いました。
どうやら警察と検察のメンツにかけて、被害者に犯行日を変えさせたと推測されます。

不思議なのは、被告たちが自供したとされる供述調書では、犯行日が元のままの16日になっていることです。
仮に供述が正しいとすれば、被害者は9日の暴行されたと主張し、被告は16日に犯行を行ったとしているわけですから、被害者の供述通りであれば、被告の供述はウソになるわけです。
処が(今回多い)、昨日の高裁判決では、被害者がウソをついた点について「他の男性との交際を隠すためだったなどの理由は十分理解できる」とし、「被害自体が虚構だったとは言えない」と判断しています。

嘘つきの言うことは信用できない。
この事件余りに不自然なことが多く、被害自体が虚構であり、犯罪そのものが架空であったと考えるのが自然ではないでしょうか。
この事件上告となるでしょうから、最高裁が真実を見据えてくれることを期待したいと思います。

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コメント

嘘をついた女子高生に振り回されて、冤罪が作られるとは、その女子高生の良心は如何に。罪も無い人が有罪になって何とも思わないのだろうか。又、無実の人を有罪にした検察、警察の関係者はなんとずさんな取調べをしているのだろうか。このような事の無いように、嘘をついた女子高生に、それと同じくらい重い刑を与えるべきだ。

投稿: さみ~い | 2007/08/23 16:23

さみ~い様
コメント有難うございます。
もし少女の供述通り、3時間近く連れまわされ、10人の男に乱暴されていたとすれば、一見して分かるし、直ちに病院で診察・治療を受けた筈です。
当日は雨だったそうですから、衣服は濡れて泥まみれだった筈でしょう。
そう考えると本人はともかく、被害者の家族の方はどう考えているのでしょうか。
ウソがばれた段階で、警察が本人に説諭し、油を絞っておけば、ここまでこじれる事はなかった。
問題を大きくしてしまった警察と検察に、やはり大きな責任があると思います。

投稿: home-9 | 2007/08/23 21:55

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