警察のズサンな管理体制が誘発した「女性射殺事件」
警視庁立川署地域課の友野秀和巡査長(40)が国分寺市のアパートで、飲食店従業員佐藤陽子さん(32)を射殺して、その後拳銃自殺した事件が8月21日明らかになりました。
現職警官が勤務時間中に、所持していた拳銃で人を殺したこの事件は、社会に衝撃を与えています。
被害者および付近の住民の話によれば、以前からこの警官が女性に付きまとっていた形跡があり、いわゆるストーカー行為の末の犯行であったと推測されています。
生前、被害者の佐藤さんは周囲に、「(友野巡査長が)無断で自宅住所を調べ、勝手に来た」と語っていたことが判明しています。
一般に飲食店というのは、警察には弱いものです。もし何か訊かれれば、答えざるを得ない立場であり、そうした弱みに付け込んで女性の住所を訊き出したものと思われます。
二人の接点は店の従業員と客という関係からですが、40才にもなる男が、キャバレーのホステスのストーカーになること自体、実に情けない話です。
「遊女は客に惚れたと言い、客は来もせで又来るという」というのが水商売の世界、それを本気になって付きまとわれた日にゃあ、女性の身体はいくつあっても足りません。
まして相手は拳銃を持っているとなると、これぞキチガイになんとやら。
この警官の先輩や同僚に、諌める人間がいなかったのでしょうか。
見逃せないのが、警察の管理体制です。
経緯を追ってみましょう。
20日午後9時半頃 通報があって警官がバイクで交番を出る
午後10時頃 犯行が行われたものと推定
21日午前5時頃 連絡が取れないことを同僚警官が署に連絡
午前10時40分 現場で遺体を発見
つまり7時間半もの間、勤務中の警官の行方が分からなくなっていたのに、放置されていたことになります。
通報があって出動したとあれば、事件に巻き込まれていた可能性だってあるわけで、この警察の対応は驚きです。
なぜ放置したのかという件について、この友野巡査長が、これまでにも職務質問に出た際、しばらく連絡が取れなくなったこともあって、最初のうちは不審に思わなかったということですが、開いた口が塞がらない。
普通の企業でも深夜勤で、従業員が数時間行方が分からなくなっていたら、大騒動です。
一体警察の管理体制はどうなっているのでしょうか。
こういうズサンな管理体制が、今回のような事件を誘発したと考えるべきでしょう。
余談になりますが、一部のマスコミでこの事件を「無理心中」と呼んでいましたが、これは見当違いも甚だしいし、第一被害者の方に失礼です。
加害者が一方的に射殺し、その後自殺した事件であり、今後もこの手の事件に「無理心中」という表現を使うべきではありません。
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