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2007/09/12

「美しい国」を目指した首相の醜悪な幕引き

権力の座にあった者は、いつかその座を降りなくてはなりません。
ある時は務めを全うして去ることもあれば、志半ばにして去らねばならないこともあります。
日本人には「有終の美を飾る」という精神があり、職を辞する時も、できる限り美しく去りたいと思うのは、多くの人の心情ではないでしょうか。

今回の安倍首相の辞任ですが、なぜこの時期にという訝る声が多かったのも当然で、前代未聞の政権投げ出しに疑問が持たれるのは止むを得ないでしょう。
辞任の引き金になったのは、政策の行き詰まりなのか、健康上の問題なのか、個人的スキャンダルなのか、それとも他に大きな理由があったのか、それは分かりません。
しかし、いかなる理由があろうとも、最高権力者が自ら身を引く決意を固めたのは、本人の意志であり、その責任は全て本人が負うべきものです。

私は今、敢えて辞任そのものの責任は問わないことにします。
しかし記者会見で安倍首相から、あたかも野党党首との会談を拒否されたことが辞任の理由であるかのような説明がありましたが、これは卑怯な発言です。
辞任は本人の意志であり、誰の責任でもない。
選挙で敗れれば、大臣の不祥事に責任があり、自分の政策は間違っていなかったと言い、大臣が辞任する度に、それは本人が決めた事と安倍首相は言い続けてきました。
その人物が、自分が辞める段になったら、何で他人のせいにするのでしょう。

こうした人物が例え1年でも最高権力の座にあったというのは、私たち日本人にとり非常に不幸な事であったと思わざるを得ません。
こういう人物が目指した「美しい国」、一体国民をどこへ導こうとしていたのでしょうか。

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安倍首相の辞任は「小泉路線」の破綻を示すもの

Abe_shinzo本日安倍首相が、総理を辞任する意向を明らかにした。
辞任の理由は、午後2時から行われる記者会見などで説明するようだが、結局「小泉路線」の破綻が原因ではなかろうか。

①小泉前首相は「痛みを伴う改革」を訴え、支持を集めた。しかしその「痛み」は、主に地方や低所得層を直撃し、その影の部分が次第に顕わになっていた。
本来、こうした状況を的確にとらえ、痛みを受けた人々へ救済の手を差し伸べるのが、政治の使命である。
しかし、こうした手直しをすることなく、改革路線を突っ走った結果が、参院選の敗北につながった。
②小泉前首相は、ブッシュ大統領がイラク戦争を始めるといち早く支持を表明し、その後イラク戦争の誤りが明らかになり、米国内でさえ反省の声が高まっている。
しかし小泉氏は誤りを一切認めず、イラク戦争への支援を見直すこともしなかった。
今回の安倍首相の辞任理由の一つとされる「テロ特措法」についても、いうなれば小泉前首相の負の遺産であった。
③小泉政権は、特に国民生活に直結するような諸問題を、常に先送りしてきた。
その典型例が、今の「年金問題」である。
厚生相を務め、厚生族の有力議員でもあった小泉氏が、年金制度の不備や不正の実態についても、気が付かなかった筈はない。恐らく気付かなかったフリをして、先送りしてきたのだろう。
④安倍氏が首相になれた大きな理由として、「拉致問題」があった。「拉致問題」が無ければ、安倍総理の誕生は無かった筈だ。
しかしその「拉致問題」も、ブッシュ大統領の政策変更による米朝接近により、実態としては置き去りにされている。
対米協調を重視する以上は、米国の意向に逆らうことも出来ず、この問題でも完全な行き詰まり状況に陥っていた。

結局、「小泉路線」の安易な継続が、安倍首相が退陣に追い込まれた、主要な原因であったと思われる。
最終的には、安倍氏が「宰相の器」では無かったということだろう。

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「テロ」の増殖に手を貸した「テロ特措法」

911通常国会で焦点となっている「テロ特措法」ですが、経済面だけ言えば、インド洋上に無料のガソリンスタンドを設置したということです。但し、利用出来るのは米軍とその協力者だけです。
安倍首相は利用者から大変感謝されていると強調しますが、そりゃそうでしょう。使う側から見れば、これほど便利なことはないし、もっと続けてくれと言うでしょう。
何もインド洋まで行かなくても、日本国内だって無料ガソリンスタンドを設置してあげれば、誰だって喜びますよ。

先ず「テロ特措法」でいう「テロ」とは何かを考えてみましょう。
「テロ」というのはとても幅広い概念であり、元々は権力者が対立する者を抹殺する行為を意味していたのですが、一方ではナチス占領下の抵抗運動をドイツ側はテロだとし、占領された側は抵抗運動(レジスタンス)と呼んでいましたから、かなり恣意的な言葉でもあります。
「テロ特措法」では、法律の目的を「平成十三年九月十一日のアメリカ合衆国において発生したテロリストによる攻撃等・・・」としていますので、アメリカで6年前に起きた9・11事件を指していると考えて良いでしょう。

ではなぜ、自衛隊がインド洋上で米軍などに給油することが、テロの阻止あるいは阻止に結びつくのかいうことですが、その前提は下記の様であったと思います。
①「9・11事件」が、ビン・ラディン率いるアルカイダの犯行である。
②アフガニスタンとイラクが彼らをかくまい、支援していた。
③テロを阻止するためには、アフガニスタンとイラクで、アルカイダとその協力者を掃討しなければならない。
④こうした米軍の軍事行動を支援することが、対テロの国際貢献である。

9・11から6年経った今、これらの前提はどうなっているのでしょうか。
先ず「9・11事件」の首謀者ですが、本当にアルカイダの犯行だったのか、次第に疑いが持たれてきています。この事件そのものに、余りに不自然なことが多過ぎます。
なかにはブッシュ大統領側が起こした謀略だという説もありますが、少なくとも米国政府は事件の予兆を把握しており、それを見逃していたというのは事実でしょう。
かつて米国政府がビン・ラディンを支援していたということ、ビン・ラディン一族とブッシュ一族が石油ビジネスで結びついていたことなどが、未だにブッシュ陰謀説をくすぶらせています。

一応、9・11がアルカイダの犯行だとしておきましょうか。
しかしアフガニスタン戦争では、その肝心のビン・ラディンを逃がしています。逃げられたというより、始めから捕まえる気が無かったのではないかと、ついつい疑ってしまいます。
生死不明とされながらも、このビン・ラディンという男は、いつも絶妙なタイミングで姿を現すのも(映像だけですが)、何か作りめいています。
いずれにしろ、彼がブッシュ政権にとって、大事な「お客さん」であるのは間違いないでしょう。

イラク戦争につぃては、フセイン政権が9・11事件に関与していなかった、大量破壊兵器も存在していなかったというのはハッキリしています。
残されたのは、数万人ありいは数十万人といわれるイラク市民の殺戮であり、国土の破壊です。
その結果、イラク全土に本当の「テロ」が起きています。
それだけではありません。理不尽なアメリカの戦争により、特にイスラム社会の怒りを呼び、「テロ」の増殖と拡散を生んでしまいました。

6年間の帰趨が示しているのは、米軍の軍事行動が結果として、「テロリズム」と「テロリスト」を阻止するどころか、ますます増大させてしまった、これだけは明白です。
「テロ特措法」に基づく米軍などへの支援は、目的とは逆の結果となってしまった。政治は結果が全てです。
私たち国民は、むしろそれに手を貸してしまったという反省が必要でしょう。

「対テロ」「国際貢献」という印籠にひれ伏すのは、もう止めにしたい。

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2007/09/11

画像アクセスのトップは「半井小絵」

Nakarai9 このブログでは、スタートからテーマに関連した画像を付けることにしており、通常は左上隅に小さな画像を貼っています。
例外として美女に関する記事では、やや大き目の画像を付けたことがありますが、最近これらの画像にかなりのアクセスが集まっていることが分かりました。
ここ4ヶ月に実績で見ると、上位ベスト・3とおよそのアクセス数は次の通りです。

一位 半井小絵  3800
二位 ほしのあき 2200
三位 浅尾美和   600

グラビアアイドルのほしのあき、美人アスリートの浅尾美和という人気者二人を抑えて、気象予報士の半井小絵(名前をクリックすると、元の記事につながる)が断トツの一位になるとは、意外な結果です。
管理人の思い入れが、影響したのかも知れません。

Nakarai131


半井(なからい)という珍しい苗字から、半井桃水を連想した方もいるでしょう。
樋口一葉の師であり、彼女に恋い慕われたことで有名な記者・作家です。下の肖像画で見ると、なかなかのハンサムだった様ですね。
半井小絵の知的な美しさは、桃水の後裔を窺わせます。

Nakarai_tousui

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2007/09/10

ブッシュさん、「給油給油」ってウルサイよ。

Bush9ここのところ、ブッシュ大統領だのライス国務長官だの駐日大使だのが、入れ替わり立ち代り、インド洋上の「給油給油」ってうるさいね。
日本はガソリンスタンドじゃないんだよ。
そんなに大事なら、自分でやりなよ。
日本は石油が出ないんだから、ヨソに分ける余裕なんか無いんだよ。
石油が無いから日本が戦争に負けたって、アメリカさん、良く知ってんだろ。

アメリカさんは産油国だし、この前イラクの石油資源だって手に入れたじゃない。
油なんて、売る程あるだろ。こっちは無くて困ってんだよ。
なにしろ地震で原発が停まると、とたんに停電になると大騒ぎしてる国なんだから。
もうカンベンしてよ。

ナニ、安倍首相が「テロ特措法に進退を賭ける」って?
これがホントの「進退検査」。
それとも「給油の一策」か。

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2007/09/09

やっぱり「政党助成金」制度はヤメヨウよ

Jininネットの“OhmyNews”で岡田克敏という記者が、「政治家に潔癖さを求めすぎでは」という記事を書いているので、その一部を引用します。
「重箱の隅をつつくようなことを続けると、国政が空回りするだけでなく、貢献度の高い有能な政治家にまで退場を迫ることになり、残るは潔癖ではあるが、小物ばかりということになりはしないだろうか。」
そうだその通り、良く言ってくれたと、安倍首相が泣いて喜びそうな記事です。
確かに一昔前だったら、岡田氏の言う「立派な政治をやれば、多少のことは大目に見るという寛容な態度もまた必要」という理屈は、通ったかも知れません。
しかし今は、そんな理屈は通りません。
その理由の一つに、「政党助成金」制度があります。

国会議員の給料にあたる議員歳費、文書交通費などの諸手当、立法調査費などを加えて4400万円。それに議員秘書に対する給料2000万円を加えると、議員一人当たり年間およそ6400万円が税金から支払われています。
普通の政治活動をしている分には、充分過ぎる金額でしょう。
高過ぎるという意見もあるでしょうが給料ですから、どう使おうと違法なものでない限り自由です。

なぜか、これでは足りないらしい。その結果、ロッキードだのリクルートだのといった収賄事件が頻発し、企業や団体からの献金はワイロになり易いから、止めようという事になった。
それなら、無駄使いを止めれば良かったんです。普通の家庭だったら、皆そうしてますよ。
ほら、戦時中の標語にもあったでしょ、「足りぬ足りぬは工夫が足りぬ」と。
処が、選挙で金が掛かるからこれじゃ足りないから、企業団体からの献金を止める代りに、その分を税金から出して貰おうと、天下の悪法「政党助成金(政党交付金)」制度を勝手に国会で決めてしまった。
私はこれを、「不当助成金」と呼んでいます。
かくして、毎年317億円あまりのお金が、各政党(共産党を除く)に山分けされるようになりました。

選挙運動などの政治活動まで税金で面倒見てるわけですから、これはもう政党の国営化ですね。
小泉前総理は郵政民営化は叫びましたが、政党の民営化は主張しなかったなぁ。
従って、愛人へのお手当てだの、暴力団への口止め料だの、怪しい費用に使わないよう(実際は使ってますけど)、必要な書類は揃えて報告するようにと、次第に規制が厳しくなってきました。

一方、企業団体から献金は貰わないようにするという約束はどこへやら、相変わらずというか、益々というか、貰うものは貰おうというわけで、金集めに奔走しています。
政治資金規正法がどうだこうだとウルサイし、それならワケの分からない政治団体を沢山作って、お互いに金のヤリトリをすれば、ゴマカシが利くだろう。
どうせ右の財布から左の財布へお金を移すだけだから、その辺にある領収書をコピーして貼っておけ。無かったらどっか適当に頼んで書いて貰え。間に合わなければ、そこでお前が書け、ってなモンですね。
これがバレルと、連日ニュースで眼にしている、「政治と金」にまつわる謝罪会見です。

あまり細かいことは言いたくないが、そうなって来たのは議員自身のせいなのです。

問題はカンタンなんですよ。
「政党助成金」制度なんか廃止して、企業団体からの献金も貰わなければ良い。
政策を訴え、支持者を獲得して浄財を集め、選挙になったらその支持者にボランティアで支援して貰う。そうすれば、年間6400万円の収入だけで十分賄えます。
これなら誰からも文句は言われない。
現に、そうして当選している議員だっているわけですから。

自前の給料だけで活動している分には、誰からも文句は言われないし、お金の問題で大臣が辞任することも無くなります。
どうですか安倍さん、そうしませんか。

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共産党はどこへ行く

Shii日本共産党は9月8日、次期衆院選の小選挙区について、擁立する候補者を大幅に絞り込む方針を明らかにした。新たな基準を適用すると、候補者の数は前回衆院選から半減する見通しとなる。
理由として、次の2点をあげている。
第一は、落選者による供託金没収が党の財政を圧迫している。
第二は、比例代表候補の当選に力を集中する。

しかし本当の理由は別にあるだろう。
第一の供託金没収だが、今に始まったことではない。昔からあったことだ。
第二の比例代表重視について、小選挙区の候補がいない地域では当然選挙活動は低調になり、比例候補の得票にも、マイナスはあってもプラスは無い筈だ。
党勢が停滞して足腰が弱まり、全選挙区に候補者が立てられなくなったというのが、実情ではなかろうか。

従来、共産党が候補者を立ててきたのは、当選だけが目的では無かった。選挙運動を通じて、有権者に政策を浸透させることが最大の目的だった。選挙は「演壇」であった。
そのために、当選の見込みがない地域でも、候補者を立ってきた。
今回は、この基本方針を大きく転換するものとなる。

志井委員長は、民主党との関係についても、「国会内では、一致点について野党共闘を進める努力を図ることは当然だ」と語った。
今後共産党が候補者を絞るという中で、民主党との選挙協力(と言っても民主党への一方的協力だが)も起こりうるだろう。
しかし民主党の幹部の大半は自民党出身であり、元々のDNAは自民党と一緒だ。今は野党ポーズをとっているが、政権が目前に迫れば、限りなく自民党に近付くだろう。
政権交代と云った所で、第二自民党に取って代わるだけの話だ。これは、決して偏見ではない。かつての細川政権が、リッパな手本を示している。

連日、政治と金をめぐるスキャンダルが明るみに出る中で、未だ未だ監視役として共産党の存在意義は薄れていない。
今回の方針転換は、実態としては縮小均衡と見て良い。これがそのまま、共産党の基本路線の変更にまで進むのか、注目されるところだ。

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2007/09/08

遂に首位へ!阪神奇跡の追い上げ

Hanshin2007年9月8日土曜日、遂に阪神タイガースがセ・リーグ首位に躍り出ました。
一時は多くのファンが、「今年はダメかな」と思ったでしょう。
首位に12ゲームと話され、数字からいえば絶望的でした。
それが球宴が終わって後半戦に入るや、様相がガラリと変わりました。

前半何とって言っても、井川の抜けた穴が大きかった。それを埋めるべき福原が不調、安藤が怪我で出遅れて、先発のコマが足りなかった。
加えて打撃人では、本来中軸を打つべき今岡が絶不調、浜中が開幕からスランプに陥り、共に1、2軍を行ったり来たりでした。シーツの不振も大きかった。
しかし阪神のスゴイ所は、こうした災いを福と転じ、将来を期待されていた林、桜井、関本、葛城らが、この機会をとらえて頭角を現し、立派に穴を埋めたことです。

投手も、ここ数年入団したが今一つ伸び悩んでいた選手たちが、ローテーションの一角に食い込んできました。
能見、杉山、そして新人の上園らです。
何より、JFKの黄金リレーが万全な体制で、僅少差ゲームを確実にものにしています。
後世に、あれが阪神の黄金時代だったと、語り継がれるようなチームが出来上がりました。

せ・リーグのシーズンが終わってみれば、やはり今年も阪神が優勝、これはもう間違い無いでしょう。
そして、パ・リーグの覇者、まあどこが出てきても同じことですが、これを打ち破り日本一に輝く、もう光景が眼に見えるようです。
奇跡の逆転による日本一目指して、ここから阪神はまっしぐらに進んで行きます。

阪神タイガース! フレー、フレーフレー!

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「あ、そう」総理

「総理、党役員の人事ですが、私と官房長官とで相談して決めますから。」
「あ、そう。」
「総理、農水大臣ですが、官房長官と相談した結果、辞任して貰いますから。」
「あ、そう。」
「総理、後任の大臣は、私と官房長官とで相談して決めますから。」
「あ、そう。」
「総理、閣僚の身体検査ですが、今後は党の方で進めますから。」
「あ、そう。」
「総理、テロ特措法ですが、民主党と協議して、場合によっては修正するか、新法にして通すようにしますから。」
「あ、そう。」
「総理、それから・・・」
「なにか?」
「次の総理、私がやりますから。」
「麻生!」

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2007/09/07

米国の言いがかり「台湾の国連加盟国民投票に反対」

Taiwan台湾(中華民国)では現在、国連加盟についての国民投票に向けた準備が進められているが、この件に関して米国ネグロポンテ国務副長官は8月27日、「アメリカは、このような国民投票の主張に反対する。こうした行動は、台湾が独立を宣言しようとする第一歩だ」、「台湾側は、いかなる挑発的な行動も避けるべきだ。国連加盟に関する国民投票は間違いだ」と語り、反対の姿勢を明確にした。
今に始まったことではないが、アメリカという国は実に勝手な国だ。
かつては台湾の蒋介石政権を支持し、長期にわたって軍事援助を行ってきた。
処が、ここ最近中国との関係が親密になると、手のひらを返したように台湾の行動を非難しだした。

台湾が国連加盟を申請しようと、そのための国民投票を準備しようと、それに口出しするのは明らかな内政干渉だ。
台湾政府側が、中国を挑発したり事を構えたりする意志の無い事は、はっきりしている。
それを「挑発的行動」と決め付け、反対しているアメリカの態度は、言いがかりでしかない。
日本政府は、国民投票には反対していないが、台湾の国連加盟には反対だ。

第二次世界大戦が終わり、台湾はおよそ50年間にわたる日本支配から脱したのも束の間、中国革命が起きて政権を追われた蒋介石元総統と国民党幹部らが台湾に逃げてきて、中国を代表する政府は我々だと主張したことが、悲劇の始まりだった。
日本に例えれば、政権を追われた政党が小さな島に渡り、ここが正式の日本政府だと言い張るようなものだろう。
蒋介石ら国民党は、台湾の現地の住民を武力で脅し、反対派には苛烈な弾圧を行った。官僚は国民党で独占し、独裁政治を敷いた。

アメリカは当時中国封じ込め政策を採っており、台湾の蒋介石政権が中国を代表する唯一の政府だとして、国民政府に軍事援助を行ってきた。
日本政府もこれに追随し、台湾の国民政府に援助を続けてきた。
蒋介石が中国政府を倒し本土に復帰するなどという、有りもしないシナリオに期待し続けたわけだ。
未だにこうした「大陸反攻」を台湾に期待している人もいるようだが、台湾側からすればいい迷惑だろう。
処が、アメリカが中国を承認し国交回復に動き出すと、これまた日本政府はそれに追随して、台湾との国交を断ってしまう。

戦争を挟んで前の50年は日本帝国支配、後の50年は中国の国民政府支配となった台湾は、1996年になってようやく、自国民の選挙により政治を行うという民主主義国家となった。
かつては右翼が親台湾、左翼が親中国という色分けされた時代があったが、現在はそうしたイデオロギーで判断する時代では無くなった。
台湾は一つの国として成り立っており、このまま独立国の道を歩むのか、それとも中国に帰属するのかは、台湾の国民が決めることだ。
国民の多数が独立の道を選び、国連加盟を希望するなら、拒否する理由はない。

我が国の外交政策は、一から十までアメリカの顔色を窺って、それに追随している。
外国との関係は、それぞれ歴史的経過があり、独自の判断があってしかるべきだ。
台湾は、東南アジアで最も親日的な国民性を持っている国だ。そうした関係は大事にしなくてはならない。
かつての宗主国の責任においても、台湾国民の「自決権」を尊重する必要があるだろう。

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2007/09/06

橋下徹弁護士のお気楽稼業

Hasimoto_toru若い頃、私はある労働裁判に係わったことがあり、その時初めて弁護士から色々話を聞く機会を得た。仮処分から東京高裁まで通算しておよそ10年間、担当弁護人の交代もあったので、延べ6名の弁護士とお付き合いしたことになる。
労働裁判と言うのは、通常は従業員が正当な理由も無く解雇される、組合活動にからんで不当労働行為を受けるなど、従業員側からの訴えが多い。
私が接触した弁護士は、そうした労働裁判を積極的に引き受ける方々だった。

原告になる人は金も地位も無い、市井の人間だ。そうした人々の弁護活動というのは、タダ働きか或いは手弁当に近く、殆んどお金にならない。
それでも面倒な裁判を10年近く担当し、時には相手の会社へ乗り込んで、直接交渉もやる。その結果、原告の訴えが認められ勝訴するのが、彼らの唯一の生き甲斐のようだった。
その献身的な姿に、頭が下がった。
こうした経験から、私は弁護士という職業にずっと敬意を払い、尊敬してきた。

しかし世の中、そんな立派な弁護士だけではないらしい。

山口県光市母子殺害事件の差し戻し控訴審の被告弁護団に対して、TV番組で懲戒請求を呼びかけたとして、弁護士4人が橋下徹弁護士を提訴した。
弁護士会には、呼びかけに応えて3900通もの懲戒請求が寄せられたそうである。
この件で昨日、橋下徹弁護士の記者会見が行われた。

橋下徹弁護士の主張は、光母子殺害事件の差し戻し裁判での、弁護人らの弁護活動を批判したものだ。
彼の批判を否定するものではないが、橋下徹氏は弁護士なのだから、弁護士会などの場で堂々と自己の主張をしたら良い。
懲戒請求などと、TVの視聴者を扇動するのは間違っている。
もっと言えば、それほどこの裁判に関心と信念があるのなら、橋下氏自身が真っ先に手を挙げて、裁判の弁護人を引き受ければ良かった。
それとも、そうした熱意も能力も無いので、ただ外野席で煽っているだけなのか。

私がもし弁護士なら、絶対にこの事件の弁護人を断る。理由は、被告に弁護の余地が無いし、報酬も期待できないからだ。
しかし、そんな人間ばかりが何万人集まったって、裁判には何の役にも立たない。公判は開かれず、被告は依然として無期懲役の判決のままだ。
誰かが弁護人を引き受けて、裁判が行わなければ、刑の確定も出来ないし、被告を処刑することも出来ない。
世間から非難を受けるのを覚悟で、金にもならない事件の弁護活動をしてくれる人がいるから、現実に裁判は進行しているのである。

弁護士に対する懲戒処分は、通常は横領や恐喝などの不正を行った者に対して行われ、懲戒請求はその告訴、告発に相当する。
もし弁護方針が不適切だという理由で懲戒処分がなされると、弁護活動全体が大きく制約を受けることになる。これは、弁護士としての自殺行為になりかねない。
橋下弁護士は、そこまで深く考えたのだろうか。

芸能人ばりに毎日のようにTVに出てきては、ショウもないことを喋っている暇があったら、もう少し真面目に本業に取り組んで欲しい。

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2007/09/05

この「被害者」高校生の実名報道を求める

神奈川県警は9月4日夜、電車内で悪ふざけをした高校生を注意し口論となり、殴ってけがをさせたとして、傷害の現行犯で県警大和署の巡査長(33)を逮捕しました。
この高校2年の男子生徒(16)が、電車内で拳銃の形をしたライターを乗客に向けふざけていたため、巡査長が駅を出たところで注意。ライターを取り上げるなどして、口論になったそうです。
県警は5日朝になって巡査長を釈放しましたが。書類送検する方針だそうです。

先ずこの事件の高校生の、学校名と実名を報道するよう、マスコミ各社に求めたい。
加害者なら未成年ですから名前は出せないですが、傷害事件の「被害者」ですから、堂々と実名を公表しても問題ない筈です。

それとマスコミにもう一つ注文があります。
今後電車内で迷惑行為があった時に、「乗客は見て見ぬフリ」という表現はやめて下さい。
今回の事件も、迷惑行為をしていた人間はお咎め無しで、注意した警官が逮捕されています。
迷惑行為をするようなヤツは、大体性質(タチ)が良くない人間です。
注意して相手とトラブルになり、もし怪我をさせたりすれば、傷害罪で逮捕されるとしたら、誰もが見て見ぬフリをしますよ。

この警官、酒を飲んでいたという点が唯一の欠点ですが、本来なら表彰状ものでしょう。

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「年金横領」はなぜ見過ごされてきたか

Masuzoe_yoichi社会保険庁や市区町村の職員が過去に年金保険料や給付などを計3億4000万円着服していた問題で、舛添厚生労働相は9月4日の閣議後の記者会見で、「横領したような連中はきちんと牢屋(ろうや)に入ってもらいます。今からでも刑事告発してやろうかと思って」と語りました。総務省の協力を得て、横領職員らの処分状況調査の徹底も指示しました。
その言や良しですが、あまり期待できないと思います。
横領の金額全体は、公表されている数字を遥かに上回っているのは確実ですし、それらを告発するのは極めて困難です。
その理由は、これから説明します。

年金に限らず、公務員による広義の公金横領は、広く深く根を張っていて、その土壌の上に年金横領が乗っかっています。
従って年金横領を本格的に摘発し、再発防止をしようとするなら、この土壌そのものを取り去らなければならないからです。これは容易な事ではありません。

年金を含む公金横領には、大きく分けて二つあります。
第一は、公的横領です。勿論、これも公金横領に違いはありません。
通常「機密費」あるいは「調査費」と呼ばれていますが、実態は「裏金」です。
横領した金は、幹部への上納金、幹部や所員の飲み食い、餞別や慶弔金などに充てられます。また一部は政治資金に流れています。
過去に「裏金」作りをやったことが無いという省庁は、一つも無いでしょう。
第一、行政トップの内閣に、官房機密費という立派な裏金が存在し、およそ月額1億円程度が使われているとのことです。
国会対策と称して与野党議員に配られたり、首相や大臣の外遊の際の餞別として渡されたり(海外で千万円単位の買い物をした首相夫人もいたそうです)、マスコミ対策と称して記者や評論家(サンプロのあの方も貰っていました)の小遣いに、などと実に幅広く使われています。
トップがこれですから、以下は右にナラエですね。
取り締まりにあたるべき警察や検察でも裏金を作っていましたので、刑事告発など出来るはずが無いわけです。

遠藤農水相辞任の原因となった農業補助金の詐取も、一種の公的横領でしょう。
これとて氷山の一角、恐らく全国を詳細に調査すれば、後から後からゾロゾロ出てくることでしょう。

第二は、私的横領です。横領が発覚しない場合もありますが、発覚した場合は、どう処理していたのでしょうか。
①最も多いのは、本人が弁済して済ませるケースです。関係者しか事実を知らないし、横領そのものが消しゴムで消されます。金額が少なかったり、横領が早期に発見された場合は、大体こうした処理が多い。
横領した本人も、何事も無かったように勤務を続けます。
②弁済して本人が退職するケースです。退職金で弁済するので、依願退職扱いとなり、組織も本人の経歴にも傷が付かない。
③弁済が出来ず、懲戒などの処分を受けた上で本人が解雇されるケースです。横領が長期に亘った場合や、金額が大きい場合は、こうした方法が採られます。
④横領罪として本人が刑事告発される場合もありますが、これは極めて稀です。

これは公務員も企業も同じですが、①と②の処理が圧倒的であり、横領として表に出ません。
なぜそうなるか、不祥事が明るみになれば、本人だけでなく上司も処分されるからです。裁判沙汰にでもなれば組織にも傷が付く、だから隠密に処理するわけです。
横領の場合、横領をしていた時期と、発見される時期がずれる場合が多い。
処が問題が明るみに出ると、その時の上司が処分を受けるのが一般的です。自分が上司の時は、見て見ぬフリをして任期中をやり過ごすことになります。
かくして、横領の大半は表に出てこない、だから摘発のしようも無い、こうなるわけです。

年金の横領について考えて見ましょう。
私は金額において、第一の公的横領が圧倒的に多いと推定しています。
厚生労働省は過去に、年金を財源にしたリゾート開発などを行ってきましたが、この目的は
①天下り先の確保
②公的横領の財源の確保
であったと見ています。
事業を外郭団体に高値でやらせて資金を還流させ、一部は政治資金に、その他は裏金としてプールされ、幹部達の遊興・接待費に使われていたでしょう。
しかしこの分は、関係者の内部告発でもない限り、先ず表に出ることはありません。

私的横領についても先に記したように、公表されているのは氷山の一角であり、もし氷山の下に隠れている部分を暴こうとすれば、厚生労働省自体が、相当な返り血を覚悟しなければならない。
それはいくら舛添氏が怒って見せたところで、現政権の下では実現は無理です。
折角ですから、その一部でも実現することを期待したいですが。

内閣を始めとする省庁での公的横領を完全に止めない限り、公金横領という罪の意識は薄くなり、厳しく罰すると言う空気は生まれて来ないと思います。
「裏金」の完全廃止を含む抜本的な公務員制度改革を行うことが、年金など公金横領を根絶させるためには欠かせないと思われます。

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2007/09/03

「姫」「パパ」騒動に見る相手との別れ方

Himei_yumiko芸能界にデビューするにあたり、多くの芸能人が一様に苦労するのは、それまであった男女関係の清算だ。
新人の場合は清新なイメージで売り出すので、プロダクション側から身奇麗にするよう求められる。
処が、たいがいの芸能人は下積み時代を経験していて、その時期を支えてくれたパートナーがいるものだ。男なら尽くしてくれた女性が、女ならパトロン(又はヒモ)となっていた男がいる。
そうした過去の男女関係を清算して初めて、華やかなデビューを果たしていく。

問題は、その分かれ方だ。
なかには事情を察して、潔く身を引いてくれる人もいるが、そうとばかりは限らない。
ではどうするか。手っ取り早く言えば利益供与、金銭で解決するのが一般的だ。しかし金額に不満が残ったり、相手の性質が悪かったりすると話がこじれて、裁判沙汰になったり、週刊誌のネタにされる。

今回の「さくらパパ」こと横峯議員、「姫」こと姫井議員のトラブルを見て、国会議員という職業も似たようなものだなあと、つくづく思った。
立候補にあたり、公認する政党から、本人に対して身辺整理を求められたのだろう。
横峯良郎氏の場合は愛人を、姫井由美子氏の場合は不倫相手との、それぞれ清算が迫られてというわけだ。

私はこの方面全くの不調法で、「手切れ金」の相場というのは想像つかないのだが、「口止め料」含めて300~500万円程度、相手に経済的負担をかけていた場合はその分を上乗せする、と云った辺りが妥当な金額ではなかろうか。
要は、このお二人共に、支払いをケチったのだろう。
高いと思うかも知れないが、国会議員という身分との引き換えだ、多少の出費は止むを得まい。
処遇に不満を持った相手はマスコミにタレコミ、問題が大きくなった。
そういう意味では自業自得である。

訴えている相手側にも、少々文句を言いたい。
何を言っても良いが、閨房の秘め事まであからさまに公表するのは、ルール違反ではなかろうか。
特に横峯氏のお相手は玄人さんでしょう。客の性癖は職業上の秘密であり、口外は商道徳に反しますよ。
姫井氏のお相手だが、週刊誌で見る限り6年間もイイ思いをしたのだから、その分は相殺されても致し方ないだろう。
過去の人生で、一度もそういうイイ思いをしたことがない私にとっては、ただただ羨ましい限りだ。

民主党は、下半身の身体検査を強化しなくてはならない。

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2007/09/02

後から後から農(田)林大臣が登場

Endo_takehiko安倍晋三という人は、よほど懲りない性分なんでしょうね。
安倍首相は今回の内閣改造にあたり、新閣僚は身体検査をしっかりやるとしていたのに、次から次と「政治と金」にまつわる不祥事が跡を絶ちません。
いくら検査したって、肝心の検査官の眼が曇っていれば、不正は見抜けない。
今度こそと意気込んだ結果が、ヤッパリこれです。

特にひどいのは遠藤武彦農水相で、自らが組合長をつとめる「置賜(おきたま)農業共済組合」が、加入者の水増しなどで共済掛け金150万円を国から不正に受給していたことが、9月1日分かりました。
農水省の最高責任者が、農水省の補助金を不正に受け取っていた組織のトップだったわけですから、責任は免れません。

大臣就任前には、分からなかったと官邸は言っているようですが、不正受給が発覚したのは1999年であり、2000年には会計監査院から返還命令を受けていたにも拘らず、それが未だに返還されていません。
水増し不正受給は10年以上前から行われていたそうですから、組合長である遠藤大臣が知らなかったでは済まされない。

国会議員である遠藤武彦氏が、なぜ組合長を続けていたのかですが、二つ理由があると思います。
①年間およそ240万円の報酬を得られる。
②組合で購入した乗用車を、遠藤大臣の専用車として使用できた。
組合長の特権だけ受けてきて、不正が明らかになると途端に、「課長がやったことで自分は知らなかった」とシラを切るとは不届き千万。

農業団体への膨大な国の補助金が、政治資金として政治家へ還流されている仕組みそのものを無くしていかないと、問題の根本的解決にはなりません。
先ずは不正にかかわった遠藤大臣には、辞めてもらうしか無いでしょう。

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2007/09/01

「妊婦たらい回し死産」被害者は誰?

8月29日に、奈良県で38歳の妊婦の症状が悪化して救急車が呼ばれましたが、奈良県内の11病院に受け入れを拒否され、約3時間後に死産という結果になってしまいました。
病院の調べでは、この女性は妊娠6~7ヶ月だったそうです。
大変不幸な事故ではありますが、マスコミの報道が受け入れを拒否した医療機関に対する非難の声ばかり目立っていて、何が根本的な問題であったかが、なおざりにされていると感じています。
妊婦の方が被害者、受け入れを拒んだ医療機関が加害者、そう単純に割り切って良い問題なのでしょうか。

この女性が妊娠6~7ヶ月であったにも拘らず、一度も産婦人科に受診をしておらず、従って健診も受けていなかったという点です。母子手帳も無かったわけですから、医療機関として見れば、母体の状況が全く判断できない。
これは妊娠あるいは出産の経験を持つ女性からすれば、信じ難いことですね。

経産婦の方ならご存知ですが、私たち男性や妊娠を経験していない方のために、煩雑になりますが妊産婦の定期健診についてまとめてみます。

.妊婦定期健診の受診間隔

23週まで

4週間に1度 

24週から35週まで

2週間に1度

36週から

1週間に1度

予定日を超えたとき

1週間に2度

.外来での妊婦健診時の検査 

初診時

(1)子宮癌検査、(2)クラミジア検査、(3)超音波検査

妊娠8週頃

(1)貧血検査、(2)生化学検査、(3)尿一般検査、(4)血液型検査

(5)抗体スクリーニング、(6)梅毒検査

(7)B型肝炎検査(HBs抗原検査)

(8)C型肝炎検査(HCV抗原検査)

(9)エイズ検査(HIV抗原検査)

(10)トキソプラズマ抗体、(11)風疹抗体検査

(12)成人T細胞白血病検査(ATLA抗体検査)

妊娠20週頃

(1)貧血検査、(2)心電図検査

妊娠34週頃

(1)膣分泌物培養検査(膣内雑菌、カンジダ、B群溶連菌)

(2)クラミジア検査

妊娠36週頃

(1)貧血検査

予定日前後

(1)ノンストレステスト(胎児の元気さ、予備能力、胎盤機能状況)

かつては出産の際に、産婦が死亡するケースが少なくなかったのですが、最近は正常に出産するのが当たり前の様になりました。
それは、こうした経過の観察と検査体制がしっかり出来上がったからで、出産の危険性そのものが無くなったわけではありません。
それでも稀に事故は起きています。
今回の奈良県の女性の場合は、病院での「妊娠の確認」をしておらず、「かかりつけ医」がいなかった。そのため「かかりつけ医の要請に基づく病院間の転送」ということができなかったわけです。母子健康手帳を持っていなかったことも、対応が遅れた原因の一つになったでしょう。

最近、妊娠しても妊婦検診に行かない人が増えていて、陣痛が始まってから、始めて病院に訪れる、いわゆる「駆け込み出産」が問題になっています。
以前は不法滞在の外国人が多かったのが、ここ最近は日本人が増えてきているそうです。
マスコミは、こうした妊娠・出産のリスクや、母体の保護を軽視するような風潮こそ、問題にすべきではないでしょうか。
「代理出産」を無責任に美化する報道姿勢にも、通ずる所があります。

妊娠しても受診しない理由の一つに、出産費用があると思います。
お産は病気ではないということで健康保険の適用外となっていますが、少子化対策がさけばれている今日、無料出産制度の導入を検討すべきではないでしょうか。

もう一つの背景として、医療過誤に対する過剰な非難と、警察及び検察の姿勢があげられます。
当ブログでも何回かとりあげてきましたが、医療行為は人間が行う以上、ミスは避けられません。
いかなる名医といえども、最初の頃は試行錯誤で失敗もし、経験を積んで上達してきたのです。
重大な過失があったならともかく、医療ミスで医師が逮捕、起訴されるケースが増えれば、医療機関や医師たちは自己防衛にために、危険を伴う治療を避け、難しい手術が必要な患者の受け入れを拒む傾向が強まります。
医師が、医療過誤を問われそうな診療そのものを回避する。
現に、全国の多くの病院で、小児科や産婦人科が医師不足のため廃止に至っています。
今回の事故のケースのような、赤ちゃんの状態も分からない、どんな感染症を持っているのかも分からないとなれば、医療機関は受け入れに消極的になります。

今回の事故を契機に、改めて緊急医療体制を見直すことはもちろん必要でしょう。
同時に、こうした事故をどうしたら未然に防げるかという、より基本的な点を掘り下げていく事が重要です。

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