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2007/09/06

橋下徹弁護士のお気楽稼業

Hasimoto_toru若い頃、私はある労働裁判に係わったことがあり、その時初めて弁護士から色々話を聞く機会を得た。仮処分から東京高裁まで通算しておよそ10年間、担当弁護人の交代もあったので、延べ6名の弁護士とお付き合いしたことになる。
労働裁判と言うのは、通常は従業員が正当な理由も無く解雇される、組合活動にからんで不当労働行為を受けるなど、従業員側からの訴えが多い。
私が接触した弁護士は、そうした労働裁判を積極的に引き受ける方々だった。

原告になる人は金も地位も無い、市井の人間だ。そうした人々の弁護活動というのは、タダ働きか或いは手弁当に近く、殆んどお金にならない。
それでも面倒な裁判を10年近く担当し、時には相手の会社へ乗り込んで、直接交渉もやる。その結果、原告の訴えが認められ勝訴するのが、彼らの唯一の生き甲斐のようだった。
その献身的な姿に、頭が下がった。
こうした経験から、私は弁護士という職業にずっと敬意を払い、尊敬してきた。

しかし世の中、そんな立派な弁護士だけではないらしい。

山口県光市母子殺害事件の差し戻し控訴審の被告弁護団に対して、TV番組で懲戒請求を呼びかけたとして、弁護士4人が橋下徹弁護士を提訴した。
弁護士会には、呼びかけに応えて3900通もの懲戒請求が寄せられたそうである。
この件で昨日、橋下徹弁護士の記者会見が行われた。

橋下徹弁護士の主張は、光母子殺害事件の差し戻し裁判での、弁護人らの弁護活動を批判したものだ。
彼の批判を否定するものではないが、橋下徹氏は弁護士なのだから、弁護士会などの場で堂々と自己の主張をしたら良い。
懲戒請求などと、TVの視聴者を扇動するのは間違っている。
もっと言えば、それほどこの裁判に関心と信念があるのなら、橋下氏自身が真っ先に手を挙げて、裁判の弁護人を引き受ければ良かった。
それとも、そうした熱意も能力も無いので、ただ外野席で煽っているだけなのか。

私がもし弁護士なら、絶対にこの事件の弁護人を断る。理由は、被告に弁護の余地が無いし、報酬も期待できないからだ。
しかし、そんな人間ばかりが何万人集まったって、裁判には何の役にも立たない。公判は開かれず、被告は依然として無期懲役の判決のままだ。
誰かが弁護人を引き受けて、裁判が行わなければ、刑の確定も出来ないし、被告を処刑することも出来ない。
世間から非難を受けるのを覚悟で、金にもならない事件の弁護活動をしてくれる人がいるから、現実に裁判は進行しているのである。

弁護士に対する懲戒処分は、通常は横領や恐喝などの不正を行った者に対して行われ、懲戒請求はその告訴、告発に相当する。
もし弁護方針が不適切だという理由で懲戒処分がなされると、弁護活動全体が大きく制約を受けることになる。これは、弁護士としての自殺行為になりかねない。
橋下弁護士は、そこまで深く考えたのだろうか。

芸能人ばりに毎日のようにTVに出てきては、ショウもないことを喋っている暇があったら、もう少し真面目に本業に取り組んで欲しい。

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橋下弁護士が一連の話題で提訴する模様です。 [続きを読む]

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