安倍首相の辞任は「小泉路線」の破綻を示すもの
本日安倍首相が、総理を辞任する意向を明らかにした。
辞任の理由は、午後2時から行われる記者会見などで説明するようだが、結局「小泉路線」の破綻が原因ではなかろうか。
①小泉前首相は「痛みを伴う改革」を訴え、支持を集めた。しかしその「痛み」は、主に地方や低所得層を直撃し、その影の部分が次第に顕わになっていた。
本来、こうした状況を的確にとらえ、痛みを受けた人々へ救済の手を差し伸べるのが、政治の使命である。
しかし、こうした手直しをすることなく、改革路線を突っ走った結果が、参院選の敗北につながった。
②小泉前首相は、ブッシュ大統領がイラク戦争を始めるといち早く支持を表明し、その後イラク戦争の誤りが明らかになり、米国内でさえ反省の声が高まっている。
しかし小泉氏は誤りを一切認めず、イラク戦争への支援を見直すこともしなかった。
今回の安倍首相の辞任理由の一つとされる「テロ特措法」についても、いうなれば小泉前首相の負の遺産であった。
③小泉政権は、特に国民生活に直結するような諸問題を、常に先送りしてきた。
その典型例が、今の「年金問題」である。
厚生相を務め、厚生族の有力議員でもあった小泉氏が、年金制度の不備や不正の実態についても、気が付かなかった筈はない。恐らく気付かなかったフリをして、先送りしてきたのだろう。
④安倍氏が首相になれた大きな理由として、「拉致問題」があった。「拉致問題」が無ければ、安倍総理の誕生は無かった筈だ。
しかしその「拉致問題」も、ブッシュ大統領の政策変更による米朝接近により、実態としては置き去りにされている。
対米協調を重視する以上は、米国の意向に逆らうことも出来ず、この問題でも完全な行き詰まり状況に陥っていた。
結局、「小泉路線」の安易な継続が、安倍首相が退陣に追い込まれた、主要な原因であったと思われる。
最終的には、安倍氏が「宰相の器」では無かったということだろう。
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それにしても、臨時国会を召集して施政方針演説をぶち、さぁ今日から各党の代表質問という矢先に辞任!!!
安倍晋三という政治家には責任感、先を見る眼、計画性・・・、
これに類するような言葉は何もないのか!!!
あまりにも無責任と言わざるを得ない。
投稿: タケチャンマン | 2007/09/12 14:45
タケチャンマン様
お怒り、ご尤もです。
前代未聞の政権投げ出しをした安倍総理の責任は重大です。
なおこの件については、貴兄のコメントに関連した記事をアップ致しましたので、ご笑覧下さい。
投稿: home-9 | 2007/09/12 23:04