フォト
2023年12月
          1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
31            
無料ブログはココログ

« 橋下徹弁護士のお気楽稼業 | トップページ | 「あ、そう」総理 »

2007/09/07

米国の言いがかり「台湾の国連加盟国民投票に反対」

Taiwan台湾(中華民国)では現在、国連加盟についての国民投票に向けた準備が進められているが、この件に関して米国ネグロポンテ国務副長官は8月27日、「アメリカは、このような国民投票の主張に反対する。こうした行動は、台湾が独立を宣言しようとする第一歩だ」、「台湾側は、いかなる挑発的な行動も避けるべきだ。国連加盟に関する国民投票は間違いだ」と語り、反対の姿勢を明確にした。
今に始まったことではないが、アメリカという国は実に勝手な国だ。
かつては台湾の蒋介石政権を支持し、長期にわたって軍事援助を行ってきた。
処が、ここ最近中国との関係が親密になると、手のひらを返したように台湾の行動を非難しだした。

台湾が国連加盟を申請しようと、そのための国民投票を準備しようと、それに口出しするのは明らかな内政干渉だ。
台湾政府側が、中国を挑発したり事を構えたりする意志の無い事は、はっきりしている。
それを「挑発的行動」と決め付け、反対しているアメリカの態度は、言いがかりでしかない。
日本政府は、国民投票には反対していないが、台湾の国連加盟には反対だ。

第二次世界大戦が終わり、台湾はおよそ50年間にわたる日本支配から脱したのも束の間、中国革命が起きて政権を追われた蒋介石元総統と国民党幹部らが台湾に逃げてきて、中国を代表する政府は我々だと主張したことが、悲劇の始まりだった。
日本に例えれば、政権を追われた政党が小さな島に渡り、ここが正式の日本政府だと言い張るようなものだろう。
蒋介石ら国民党は、台湾の現地の住民を武力で脅し、反対派には苛烈な弾圧を行った。官僚は国民党で独占し、独裁政治を敷いた。

アメリカは当時中国封じ込め政策を採っており、台湾の蒋介石政権が中国を代表する唯一の政府だとして、国民政府に軍事援助を行ってきた。
日本政府もこれに追随し、台湾の国民政府に援助を続けてきた。
蒋介石が中国政府を倒し本土に復帰するなどという、有りもしないシナリオに期待し続けたわけだ。
未だにこうした「大陸反攻」を台湾に期待している人もいるようだが、台湾側からすればいい迷惑だろう。
処が、アメリカが中国を承認し国交回復に動き出すと、これまた日本政府はそれに追随して、台湾との国交を断ってしまう。

戦争を挟んで前の50年は日本帝国支配、後の50年は中国の国民政府支配となった台湾は、1996年になってようやく、自国民の選挙により政治を行うという民主主義国家となった。
かつては右翼が親台湾、左翼が親中国という色分けされた時代があったが、現在はそうしたイデオロギーで判断する時代では無くなった。
台湾は一つの国として成り立っており、このまま独立国の道を歩むのか、それとも中国に帰属するのかは、台湾の国民が決めることだ。
国民の多数が独立の道を選び、国連加盟を希望するなら、拒否する理由はない。

我が国の外交政策は、一から十までアメリカの顔色を窺って、それに追随している。
外国との関係は、それぞれ歴史的経過があり、独自の判断があってしかるべきだ。
台湾は、東南アジアで最も親日的な国民性を持っている国だ。そうした関係は大事にしなくてはならない。
かつての宗主国の責任においても、台湾国民の「自決権」を尊重する必要があるだろう。

« 橋下徹弁護士のお気楽稼業 | トップページ | 「あ、そう」総理 »

経済・政治・国際」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く

コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 米国の言いがかり「台湾の国連加盟国民投票に反対」:

« 橋下徹弁護士のお気楽稼業 | トップページ | 「あ、そう」総理 »