小沢一郎の「オウンゴール」
今回の大連立騒動で、民主党の政権奪取は遠のいた。民主党という政党は、一皮むけば自民党と同じであることが白日の下に晒された。これからはいくら野党ポーズをとっても、国民から信用されない。
今回の連立劇で、テロ特措法の新法は、成立の見通しが高まった。理由は次の通り。
①福田首相との党首会談で、小沢代表が主張している自衛隊海外派兵の恒久化と引き換えに、新法に賛成するとの提案がされた由。民主党としては、引き続き新法に反対するだろうが、既に足元を見られているので、力が入らないだろう。
②党首会談の決裂という形を作ったので、政府としては仮に参院で否決されても、衆院で再可決するという大義名分ができた。
③その場合、今までなら参院で福田総理への不信任案を可決し、解散に追い込むと言う民主党の筋書があった。しかし、今となっては総選挙を行なっても、民主党が勝利する確率が低くなったので、こうした強攻策は取りにくい。
福田首相の求心力も、一時的には低下するかも知れないが、海上給油新法が成立できれば、建て直しは可能だろう。
一方小沢代表の方は、国民の信用と党内の信頼が急速に低下するので、いずれ代表の座を降りることになると思われる。
小沢一郎という男、過去を振り返ってみれば、ここぞという時に必ず今回のような「オウンゴール」を繰り出し、自民党を助けてきた。
うがった見方をすれば、元はと言えば危機に陥っていた自民党を、外から助けるために自民党を飛び出したのではなかろうか。
小沢一郎が、実は自民党の秘密兵器だと考えれば、彼の行動は説明がつく。
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