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2007/11/14

全盲患者を置き去りにしたのは、誰?

Toyokawa今年9月21日、新金岡豊川総合病院に入院していた全盲の男性患者が、この病院の職員によって男性の自宅付近の公園に置き去りにしたという事件がありました。
堺市保健所は医療法に基づき、従業員の監督を怠ったとして病院院長を行政指導し、西成署も保護責任者遺棄の疑いがあるとみて、捜査を進めています。
この事件、マスコミは病院が患者を置き去りにしたという報道をしていますが、果たしてそう断言して良いのでしょうか。
事件の全貌が明らかになっていないので、新聞各紙の報道からの判断となりますが、もう少し事件の中味を検証したいと思います。

病院側の説明によれば、この患者は次のような状況だったとのことです。
①およそ7年前に入院していたが、病状が安定してきたため、退院を勧めていた。
②入院費185万円が未払いだった。
③入院中他の患者とトラブルを起こし、大声を上げることがあった。

先ず、入院を続けるか、退院して治療すべきかは、病院の判断になります。
そうは言っても病院側は、本人及び家族の状況をある程度考慮はしてくれますが、それも無期限ということにはならない。
病院が入院を継続する必要がないと判断し、入院許可も出ていたのですから、この患者を退院させた点については病院の過失は無いと思われます。

病院に入院したことがある方ならご存知の通り、入院にあたり誓約書を提出させられます。
入院費を払わなかったり、他の患者に迷惑をかけた場合は、強制退院させられることになります。
この患者の場合、入院費を払っていないので、病院側が退院させたとしても非難は出来ないでしょう。
もし入院費を払わなくても入院が続けられるなら、全国の病院はみな倒産してしまいます。

退院になった場合、病院の玄関を出たら、その後は自分で帰宅することになります。
この患者の場合、全盲であったということで、職員が自宅まで送ってくれたのでしょう。
処が、そこに住んでいた前妻が男性の引取りを拒否したため、近くの公園に放置したとの報道です。
他に家族がいたのかどうか、報道でははっきりしませんが、家族が引き取りを拒否したのであれば、この男性を置き去りにしたのは、家族の責任ではないでしょうか。

報道によれば、この男性は入院中に生活保護を打ち切られています。
病名は明らかにされていませんが、推測ですが糖尿病ではないかと思われます。全盲で持病があり63歳という年齢から、なぜ生活保護が打ち切られたのか、その理由が分からない。
恐らく生保打ち切りを機に、入院費の未払いも生じたのでしょう。
病院からは退院を迫られ、家族からは引取りを拒否されるとしたら、気持ちが荒れて他の患者とのトラブルも起こすのは、当然起こり得ることです。
こうした状況に置かれていた男性の生活保護を打ち切った地方自治体の責任は、無いのでしょうか。

公園に置き去りにした病院職員、それ自体が非難を受けるのは当然としても、そこに至った責任は一体誰にあるのでしょうか。
本人なのか、家族なのか、病院なのか、それとも地方自治体なのか。
現段階で、一方的に病院だけに責任を帰すことは出来ません。

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