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2007/12/04

ベネズエラ改憲否決は賢明な選択

Chabesu11月2日、南米のベネズエラで大統領の再選制限廃止などを盛り込んだ憲法改正の是非を問う国民投票があり、チャベス大統領による改憲案が否決されました。
賛成が49.3%、反対が50.7%という僅差で、チャベス大統領は敗北を認めつつも、改革は今後も進めていくと宣言しました。

チャベス大統領は1999年の就任以来、国民の識字教育や病院建設など貧困層に手厚い政策を実施してきた。この結果、49%だった貧困層は30%にまで低下し、この面では確実に成果が上がっています。チャベス氏への熱狂的な支持の背景には、こうした実績があるのです。
しかし生活必需品の価格を低く抑えるなど統制経済の色も濃く、タマゴヤ牛乳などが採算が合わないという理由から生産されなくなり、市場で入手でき難いという事態が生まれています。

今春、中南米旅行でベネズエラを訪問しましたが、首都のカラカス空港から市の中心部にいたる住宅があまりに荒れ果てており、息をのみました。
同じツアーで訪問したコロンビアやエクアドルと、あまりに大きな違いに驚いたのです。
その時の情景を、私の別館ブログの旅行記では、次のように記しています。

「海岸に向う丘陵地帯に建っている住宅の殆んどが崩れかけていたり、窓ガラスが無かったり、荒んだ状態でした。
海岸線を走るバスの北側にはカリブ海が見えるのですが、反対側はかなりの角度の斜面になっており、その斜面に貼りつくように沢山の住宅が見えます。
よく見ると、窓ガラスの無い家があり、崩れかかった家があります。
所々に崖崩れや地すべりの後が残されているのも見えました。
ガイドの説明では、以前におきた大雨による災害で、沢山の犠牲者が出たのが、未だ完全に復旧していない名残りだということです。
住めなくなった家はそのまま放置され、そこには現在ホームレスの人たちが住んでいるということでした。
窓が無かったり、夕方になるのに灯りがついている家が少ないのは、そのためでしょう。
カラカス周辺での地すべり災害というのは何回か起きていますが、ガイドのいう沢山の犠牲者を出したというのなら、恐らくは1999年末に起きたものと推定されます。
既に7年以上経過しているのに、この状態は一体なんなんだろうと思わずにはいられません。
ベネズエラといえば、南米で最大の石油産出国であり、豊かな国というイメージがありました。
現に今回訪問した4カ国の中で、国民一人当たりのGDPはベネズエラが一番高く、コロンビアやエクアドルのおよそ2倍です。
加えて現大統領のチャべス氏は貧困層に手厚い福祉政策を進めていると聞いていて、さぞかし国民は豊かな暮らしをしているのではと予想していたのですが、目の前に見える姿はそれとは程遠いのです。
帰国してからネットで調べたところ、カラカス周辺一帯に斜面にはこうした住宅が立ち並んでいるとのことで、現地ではバリオとよばれているそうです。」

一部を見て、その国の全体を判断するのは早計とは思いますが、真実は細部に宿るということもあります。
今回の改憲案は
(1)大統領の任期を6年から7年に延長し再選を無制限にする
(2)中央銀行の政府管理
(3)非常事態宣言の簡素化
など、独裁色の強いものでした。
終身大統領制にもなりかねない憲法改正を否決したのは、ベネズエラ国民の賢明な選択だったと思います。

今回の改憲案否決が、チャベス大統領が今まで進めてきた社会主義的政策の否定を意味するわけではないでしょうが、大統領就任以来、連戦連勝を重ねてきたチャベス氏にとって、大きな曲がり角を迎えたのは間違いないでしょう。
マスコミなどへの言論統制を強めているとされるベネズエラですが、投票結果で僅差での否決ということからすれば、選挙そのものは公正が保たれたと言えるでしょう。

米国の新自由主義経済と対決し、反米左派の旗手として南米各国への影響力を強めてきたチャベス大統領が、今後どのように政権の舵取りをしていくのか、注目されます。

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